僕たち日本人からすると、ジャイアンツというと、やはりプロ野球ですね。読売巨人軍、読売ジャイアンツです。
しかし、アメリカでは、ジャイアンツといえばMLBのサンフランシスコ・ジャイアンツか、NFLのNYジャイアンツなのです。そしてNYには2つのNFLチームがあることでも有名です。
そのため、ジャイアンツ派かJETS派の二派に分かれ、ニューヨークでは
「ねぇ、聞いてよ。こないだ彼氏と分かれたのよ!」
「え?なんで?付き合ったばっかりなのに?」
「だって彼、JETSファンだったのよ!」
「逆にどうやって仲良くなったの?」
みたいな会話があるとかないとかwwww
さてそんなNYジャイアンツ。まずは、ニューヨーク州からニューヨーク市、そしてチームへと、情報を掘り下げてみます。それではどうぞ。
NFLが日本でもっと浸透しますように。
- ニューヨーク州の特徴
- ニューヨーク市の情報・特徴
- ニューヨークのスポーツチーム
- ジャイアンツ誕生の歴史と戦績
- 本拠地はメットライフ・スタジアム
- ヘッドコーチは、ジョー・ジャッジ(Joe Judge)
- O#チーム主要選手
- D#チーム主要選手
- こちらの記事もオススメ
ニューヨーク州の特徴
言うまでも無い街ですね。なんか紹介するの無駄な気がします。というくらい名前が有名です。日本のどこでも、アフリカのどこでも、中国のどこでも、NEW YORKの名前を聞いたことがない人はいないのでないでしょうか。しかし実際は、僕はニューヨーク州がどこにあるのか、ほとんど知りませんでした。
あの有名な街があるのはここ。実はカナダとの国境に接している北東極寒エリアです。かつては、アメリカ50州で最も人口集積がありましたが、現在は国内4位。カリフォルニア州、テキサス州、フロリダ州がトップ3です。
ニューヨーク州には3つの大きな街があります。州北部のロチェスター市、ビルズの本拠地であるバッファロー市、一番有名なものがニューヨーク市です。しかし、州都はそのどちらでもなく、人口10万人のオールバニー、(Albany)です。
これがニューヨーク州の人口増加グラフ。ディケイド(10年ずつ)で見ると、順調に増加傾向にあり、現在1900万を超える人口です。不思議と1980年に前年比4%くらい人が減っていますが、ちょっと調査しきれませんでした。
人種で比較するとトップ5に入るのが、1位アフリカン18% 、イタリアーノ系15%、アイリッシュ13%、ゲルマン系11%という感じ。ヨーロッパ系とひとくくりにすると、40%くらいになる。
ニューヨーク州1900万人のうち、20%強が外国生まれの移民。移民の街、移民の国とよくいいますが、大航海時代の話ではなく、現在でも外国生まれの人が一定数いる。そういう社会背景でトランプが移民排除をポリシーとして大統領に選ばれたのは、国内で相当の混沌が現在進行系であるのが想像できますね。
これは州旗。州のロゴマークである州章は、1778年にできたそうです。モットーはエクセルシオール(Excelsior = 常に向上する)で、左の女神は自由(Liberty)、右の女神は正義(Justis)が描かれています。まさに、現在でもこの基本構想のまま、街が成長しているように思います。
現在のニューヨーク州知事はアンドリュー・M・クオモさん。2011年から知事です。見るからにイタリア系。政党は民主党です。お父さんもニューヨーク州知事だった人。離婚した奥さんは、ジョン・F・ケネディの姪っ子。コロナウイルスの対策で、報道の前に立つことが多く、少し有名人になりました。事実をしっかり整理し、理路整然とした話しぶり。素晴らしい説得力とリーダーシップを感じます。
ニューヨーク市の情報・特徴
これがニューヨーク州の人口分布図です。びっくりしますよね。一番赤くなってるのが、これから紹介するニューヨーク市があるロングアイランド島のあたりです。州人口1900万人のうち、800万人くらいが住んでいます。
ニューヨーク市だけで800万人くらいで、となりのロングアイランド島の各市、北のヨンカーズ、ホワイトプレーンズ、そして隣のニュージャージー州のニューアーク市などからなる、ニューヨーク都市圏で2300万人を超える人口密度になります。
人口密度間でいうと、総務省が発表している東京・さいたま・千葉・神奈川の関東大都市圏で3700万人となりまして、実は日本が最強に都会なんですね。
ちなみに有名な自由の女神像(Statue of Liberty)があるのは、ニューヨーク市内でなく、ニューヨーク州でもない、お隣のニュージャージー州なんです。ただ海上にあるので、その境目ってのは微妙っちゃ微妙なんですけどね。この島からマンハッタン島を望んでいるという感じです。
都市圏人口で最大のNYは、GDPでも50兆円で世界二位。ちなみに1位は東京です。世界中の経済の中心地であり、文化・芸術・産業さまざまなものが発信されるトレンドの拠点。それがニューヨークです。
名物は何か?と言われても、たくさんありすぎなので、難しい。エンパイア・ステートビル、メトロポリタン美術館、リンカーン・センター、NYシティマラソン、タイムズ・スクエア、ブロードウェイ、ウォール街、コロンビア大学などなど。
NYは全米の大都市25都市の中で最も治安が良い。犯罪発生率は2002年から最も低い数字を出している。大都市だけでの比較だけでなく、人口10万人を超えるアメリカ216都市での比較でも、NYの犯罪発生率は197位と治安の良い事実がある。
ニューヨークのスポーツチーム
アメリカ最大の都市ですから、当然スポーツもめちゃくちゃ盛んです。数多くのプロチームがありますので、ザザザっとご紹介いたします。
最も有名なチームといえば、やはりMLBの最強軍団、ニューヨーク・ヤンキース。1913年創設。前身となったボルチモア・オリオールズ創設1901年から数えると、創業120年目になる老舗チームです。常勝軍団といわれ、ワールドシリーズを通算27回優勝しています。怪物的な人気を誇り、日本人だと松井秀喜、イチローが在籍していて、現在では田中将大選手がプレイしています。
MLB、メジャーリーグではもう一、ニューヨーク・メッツがあります。1962年に創設され、ワールドシリーズを2回優勝している人気のあるチームです。しかし、やはりヤンキースの存在感には勝てない。知名度からしても圧倒的な差がありますね。
NBAでは、ニューヨーク・ニックスがあります。1946年創設、マジソン・スクエア・ガーデンを本拠地として活躍する人気チームです。1970年代に2回優勝しており、最近ではファイナル進出したのはもう20年前。NBAには30を超えるチームがありますが、結成以来ずっと同じ都市にあるのは、ニックスとボストン・セルティクスだけ。そのため圧倒的な知名度があり、ファンも多く根強い。
NHLのチームが2つあります。一つはニューヨーク・レンジャーズ。スタンレーカップを4回優勝しています。4回中3回は、1940年より前です。なんと創設が1926年とNHLでは一番古いチームでしょう。
こちらはNYアイランダーズ。1972年創設と、レンジャーズと比較すると若いチームです。ですが、スタンレーカップを、なんと1980年から4連覇したという歴史的な強さを誇ったチームでもあります。
そして最後にやはりNFLのNYジェッツ。こちらは別記事「NYジェッツのチーム紹介」をご参照ください。とても良いチームです。ちなみにNYではJETSファンの方が多く、ジャイアンツファンの2倍らしいです。
ジャイアンツ誕生の歴史と戦績
NYジャイアンツが誕生したのは、1925年と言われています。創業者オーナーのティム・マーラが500ドルで購入し、ジャイアンツの歴史はスタートしています。今32チームある中で4番目に歴史が古いようです。
最も歴史があるのが、アリゾナ・カーディナルズ(1898年)、次にグリーンベイ・パッカーズ(1919年)、3番目がシカゴ・ベアーズ(1920年)、そしてNYジャイアンツ(1925年)、次にピッツバーグ・スティーラーズ(1933年)と続くそうです。
創設から1963年までの30年間はジャイアンツはいつも地区優勝してる強いチームでした。真ん中にいる人がオーナーのティム・マーラー。この人にまつわるエトセトラについてはこちらの記事を参照ください。
1960~1985年。この20年間ぐらいはいまいち期です。なんと一度も地区優勝できてない。
初のスーパーボウル優勝!をするのが1986年です。対戦相手はデンバー・ブロンコス。20年の低迷期を拭い去る素晴らしい快挙。史上最強のLBと讃えられたLTこと「ローレンス・テイラー」とHCビル・パーセルス、さらに若いQBフィル・シムスと共にスーパーボウル初勝利を飾った。
ジャイアンツは1990年にもスーパーボウルを優勝します(第25回)。この時期あたりが、ジャイアンツは存在感が強かったようです。しかし、この後にジャイアンツはチームが低迷していき、再構築に向けて長いたてなおし時期に入ります。
2004年から2019年はイーライ・マニング期(勝手に僕が呼んでるだけ)。いろんなイザコザがあり、ジャイアンツに腰を落ち着かせたイーライ・マニング(もともとチャージャーズ指名されて、リバースとトレードされた)。彼はジャイアンツのフランチャイズQBとして15年間プレイし続けてくれました。
ジャイアンツは、マニングの手により、第42回スーパーボウル、そして第46回スーパーボウルと2回優勝します。対戦相手はどちらもペイトリオッツ。彼は2度トム・ブレイディと戦い、2度勝利。トム・ブレイディが唯一勝てなかった相手として名前を残しています。
NFLが合併前の時に全米優勝を4回、そしてスーパーボウルができてからは4回優勝。つまり8回全国制覇している輝かしい歴史をもっています。
本拠地はメットライフ・スタジアム
NYジャイアンツも、NYジェッツも、同じ施設を本拠地にしています。それがメットライフ・スタジアムです。両者ともNYのチームなんですが、このスタジアムがあるのは、ニューヨーク州でなく隣のニュージャージー州です。
過去使ってたジャイアンツ・スタジアムが古くなってきたんで、2007年に満を持して工事スタート。当時$1600M(≒1700億円)くらいで工事は完成。2010年4月から使ってますね。JETSの専用スタジアムは無いようですよ。
ヘッドコーチは、ジョー・ジャッジ(Joe Judge)
まだ38歳の若手HCジョー・ジャッジ(Joe Judge)がジャイアンツを牽引します。以前はニューイングランド・ペイトリオッツで、スペシャルチームを担当してきて、スーパーボウルリングを3つもらってきています。HC職は2020年からが初めてになります。ベリチック門下生で3人目のHC誕生。どんな指導者ぶりを発揮するのかと、耳目が集まってる人です。
O#チーム主要選手
オフェンスコーディネータは、マイク・カフカさん。キャリアは7年で、ジャイアンツでOCは2年目。2018年にはチーフスでパトリック・マホームズを指導してた。マホームズキラーになれるといいな。
デプスチャートはこちら。少しずつですが、オフェンスもパワーを戻しつつあるように見えます。
QBダニエル・ジョーンズ(Daniel Jones)#8
2019年 / 1巡 / 6位 / デューク大学
NYジャイアンツといえば、長年QBをしてきたのが、、イーライ・マニングでした。2019年を最後に現役生活に終止符をうちました。(イーライは、ペイトン・マニングの弟です)そして同じ年のドラフトで確保した彼ダニジョンにバトンが渡されました。
彼がドラフトで指名された様子は、下記の記事に詳しく紹介しています。とにかくファンから歓迎された人でなかったので、ちょっと不安が残りますね。
少しジム・キャリーに似てるなと思う風貌の彼ジョーンズ。身長196cm、体重100kg。大変恵まれた体格の選手です。デビューシーズンは、12試合出場しています。3,027ydsを投げてますが、3勝9敗とまぁ残念な結果しか残せていません。しかし今後経験を積んで成長していけばいいでしょう。期待しましょう。
RB セイクワン・バークリー(Saquon Barkley)#26
2018年 / 1巡 / 2位 / ペンシルベニア州立大学
ジャイアンツは、なんといっても、この人でしょう。現在NFLで一番の恐怖を与えるRB、セイクワン・バークリー選手。ラッシュ力では間違いなくリーグトップの実力。走るだけでなく、パンサーズのCMC(クリスチャン・マキャフリー)のようにパスレシーブでも大きく貢献してくれます。
デビューだった2018年では、ランで1,300yds、レシーブで700yds、スクリメージラインからの合計で2,000ydsを超えるという大記録を叩き出し、最優秀新人賞(ROTY)に選ばれました。
とにかく彼のランプレイは神がかっています。ぜひともYoutubeで大学時代のプレイを見て欲しいのですが、本当にビデオが早送りなのかと勘違いしてしまうほどです。彼は21世紀のスター選手になる人です。
TE ダレン・ウォーラー #12
以前はレイダースの稼ぎ頭でしたね。かなりのベテランです。レシーバー陣のキャプテン的存在になっていると思います。怪我が心配だよね。
WR アイザイア・ホギンス #18
オレゴン大学出身ですね。ビルズで2年して昨年の途中からジャイアンツに。
WR ダリウス・スレイトン #86
5年目になる選手。ずっとジャイアンツ一筋。出身はジョージア州。
WR パリス・キャンベル #0
もとはコルツから指名されたエースレシーバー。経験値も豊富だしチームの柱となる選手。
WR スターリング・シェパード(Sterling Shepard)#87
2016年 / 2巡 / 40位 / オクラホマ大学
2番手となるレシーバー。キャリア5年目となるシーズンです。現在平均715ydsを記録してます。2019年に4年の延長契約(40億)したので、今季もし1,000ydsを超えられるなら、チームとしては大助かり。今後の活躍を渇望されてます。
LT アンドリュー・トーマス(Andrew Thomas)#78
2020年 / 1巡 / 4位 / ジョージア大学
今年のドラフトで1巡間違いなしの高評価を受けてきたジョージアのレフトタックル。とにかくパワーがスゴイ。リードブロッカーとしてランプレイに貢献してきたんですが、プロでパスプロではどうか。少しサイドへの敏捷性が遅いかも。バランスを崩すとビッグトラブルを起こす危険もある。タックルとして起用するのは今後への期待でしょう。
C ジョン・ミッシェル・シュミットJr #61
このドラフトで2巡でゲットしたセンター。ミネソタ・ゴールデンゴーファーでプレイしてきた優秀な選手ですね。プロでの活躍が期待されます
RT マット・ピート#74
ジャマイカの首都キングストン出身。心にラスタが流れてるレゲエマン。
Kグラハム・ガノー(Graham Gano) #9
2009年 / ドラフト外 /フロリダ州立大学
2017年シーズンにプロボウルに1回選ばれてる。当時のFG成功率は37回中34回成功で、96.7%成功とリーグリーダーにもなりました。パンサーズでは2012年から現在まで9年目のシーズンになります。もともとはレイブンズのレン修正契約で、その後、UFL(United Football League)のラスベガス・ロコモーティブに。そして09-11の3年間をNFLのレッドスキンズと契約。
P ジェイミー・ギラン #6
キリストさんみたいな風貌をしているパンター。過去ブラウンズで3シーズン、ジャイアンツは2022年から。スコットランド出身で、アダ名が「スコティッシュ・ハンマー」。彼のお父さんは英国空軍(Royal Air Force)のパイロット。
D#チーム主要選手
ディフェンス・コーディネーターは、ドン・マーティンデイル。60歳。フットボールコーチ歴36年、NFL歴19年の大ベテラン。チームのDCは2年目。過去10年はレイブンズ。うち4年をDCしてた。素晴らしい人物。
|
STARTER |
2ND |
LDE | A'Shawn Robinson | D.J. Davidson |
NT | Dexter Lawrence II | Rakeem Nunez-Roches |
RDE | Leonard Williams | - |
WLB | Kayvon Thibodeaux | Boogie Basham |
LILB | Bobby Okereke | Carter Coughlin |
RILB | Micah McFadden | Isaiah Simmons |
SLB | Azeez Ojulari | Jihad Ward |
LCB | Tre Hawkins III | Adoree' Jackson |
SS | Jason Pinnock | Dane Belton |
FS | Xavier McKinney | Gervarrius Owens |
RCB | Deonte Banks | Cor'Dale Flott |
こちらがD#チームのデプスチャートです。
DE デクスター・ローレンス(Dexter Lawrence)#97
2019年 / 1巡 / 17位 / クレムソン大学
少しベビーフェイスなお顔立ちのローレンス。名門クレムソンで全米制覇の経験をもっています。サックこそ2.5回と少ないですが、QBヒットは9回とかなりプレッシャーをかけています。新DCのもと、どういう変化ができるか期待が高まります。
DE レオナルド・ウィリアムズ(Leonard Williams)#99
2016年 / 1巡 / 6位 / USC
もともとはJETSでガンガンと活躍してきた人ですが、4年目のシーズン途中、2019年でジャイアンツに移籍。その後こっちで8試合出場しています。インサイドのDLとして成長してきた人ですがパスラッシュも器用です。
WLB ケイヴォン・ティボドー #5
2022年の超目玉選手。JPP以来の逸材エッジラッシャーとなる選手ですね。今年で2年目を迎えます。初年度はサック4回だけでしたが、パスD#が5回もあり、やっぱりスゴイ。
LB ベナルディック・マッキンリー(Benardrick McKinney)#50
2015 / 2巡 / 43位 / ミシシッピ州立大学
SLB アジーズ・オジュラリ #51
若手LB。2巡で全体50位なので、かなり上位です。
CB ディオンタ・バンクス#25
今年のドラフトで1巡指名した選手。メリーランド大学卒業。
CB トレ・ホーキンス三世 #37
今期デビューの新人コーナーバック。当たるかどうかな?
CB アドレー・ジャクソン(Adoree' Jackson)#25
2017 / 1巡 / 18位 / USC
そろそろベテランの域か?現状は2ndチーム。
FS ザビエル・マッキンニー(Xavier McKinney)#29
1巡指名か?と予想してた人です。黒と金のツートンに染めてるのがカッコイイ。ジョージア州生まれ
こちらの記事もオススメ