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ベアーズが新スタジアム計画を発表!完成は2028年の夏!

NFLの最古参、シカゴ・ベアーズがついにスタジアムの建て替えを発表した。今回の記事では、その計画の概要を英語を翻訳しながら、また日本での事例も交えて比較しながら説明します。

 

NFLが日本でもっと浸透しますように。ではどうぞ!

 

新スタの事業概要

stadium.chicagobears.com

詳しいところは、公式サイトで見てもらうのが一番早いのですが、ダイジェストだけ抜粋。

【ベアーズの新スタの公共開発の方針】

  1. 新ソルジャー・フィールドは、固定屋根の全天候型タイプ
  2. バーンハム・パーク計画の一貫で、巨大公園の中につくる。
  3. ミシガン湖畔のレイクフロントの開発。
  4. 公園の広さは14エーカー(約6ha)
  5. この100年で生まれた地元の数々のイベントの集約地として活かす
  6. ベアーズは新スタ費用の70%以上を負担、残りは公共事業として税金投下

というもの。スタジアムだけを新しくする、というわけではなく、あくまでも公共空間の再構築、その一環、というかメインコンテンツとして、この新スタ計画があります。

 

ベアーズ新スタジアムの事業規模について

  1. 総工事費は32.25億ドル。
  2. 着工は2025年夏
  3. グランドオープンは2028年夏。

だそうです。この工事費は、スタジアム単独です。周辺の公的整備もいれると、43億ドル。スタジアムの費用の70%以上をベアーズが負担して20.25億ドルをチームから拠出するそうです。なかなか剛毅な話ですね。スタジアムに関していうと、12億ドルが税金支出かと思いきや、ホテル宿泊税などを充当するとのこと。つまり住民負担ゼロで実施するということですね。これもまた日本とは一味違う仕掛け方。

 

この事業が起こす経済的利益

まず、スーパーボウルのホストシティになる可能性がでてきた。固定屋根であることで冬のシカゴであっても、ボウルゲームが可能になります。もちろん、いままでの慣例どおりスーパーボウルは温暖な南部でやることが多いでしょうが、ジョージ・ハラスが作ってきたフットボールの歴史を踏まえると、シカゴ開催もまるで夢ではありません。

 

最近のスーパーボウルは、2023年アリゾナ・グレンデールで13億ドル、ロサンゼルスで5億ドル、フロリダ・タンパで6億ドルの経済効果を生み出したと言われています。あらゆるセレブレティが集まることで、観光コンテンツが活性化、インフレしていくこともあります。また祭りを通して地域を発信するシティープロモーションが活性化。これにより観光経済への長期的な影響力も大いにあります。

 

また大学のバスケットボールの決勝戦ファイナル・フォー(ヒューストンで3億ドル)、WWEの超ビッグイベントのレッスル・マニア、他スポーツに限らず、有名なエンターテイメントショーのホストをできることにある。公園があり、レイクフロントがあり、ビールがあり、レストランがあり、ホテルがある。そして翌日は美術館やシカゴを歩きショッピングを楽しむ。それらの一連の光景はシカゴ地域の様々な分野に経済的利益をつくってくれる。

 

この案件は3つのフェーズに分かれている。第一フェーズで交通機関、道路計画刷新など、ついで第二フェーズで新スタジアム建設や周辺投資、第三フェーズでは新しい公園計画や、運動場の計画、バスターミナルの計画など、数々の工事が連続して集中します。完全に事業が完成したら、この周辺だけでも毎日4200人の常用雇用が創出。工事中だけでも4万3000人の労働者が働くことになり、工事期間中の済効果だけでも80億ドルを超えると示唆されています。

 

この事業が成功したら、イリノ州、シカゴ市は税収が現在から比較して1.6倍になるそうです。バランスがよくわかりませんが、おそらく相当なものがありますね。