レギュラーシーズンが終わると、たちまち始まるのが、指導者であるヘッドコーチ(HC)の人事異動。まぁつまり、「お前は首だ!」ってやつね。
これ当然ながら、チームの戦績が悪かったので、そういう決定がくだされます。そして、それは今後のチーム作りに大きく影響しますよね。今年もその人事が決定されました。さてさて、2021年はどのようになるのでしょうか。
ではどうぞ。NFLが日本でもっと浸透しますように。
- イーグルスは、ダグ・ピーターソンを解雇
- ファルコンズ、HCダン・クイン解雇→ダラスのDCに。
- ライオンズ HCマット・パトリシアを解雇
- ジャガーズ、HCダグ・マローンを解雇
- ジャガーズ、GMデヴィッド・コールドウェル解雇
- JETSは、アダム・ゲイスを解雇
- テキサンズは、HCビル・オブライエンを解雇
- チャージャーズ、HCアンソニー・リンが解雇
- パンサーズGM、マーティ・ハーニーが解雇
- まとめ
イーグルスは、ダグ・ピーターソンを解雇
2016年からHCを担当しているピーターソンが、ついに解雇されてしまいました。うーん苦渋の決断でしょうか。
というのも就任2年目の2017年シーズン、スーパーボウルを優勝しているHCだからです。フィラデルフィアにとってみれば、唯一リングを獲ってくれた人なのです。
それでも、スーパーボウル翌年からは9勝7敗の平凡な結果に。また2019年も9勝7敗。買ったり負けたりの戦績に市民やファンは苛立ちをぶつけていました。
そして今年2020年ではなんと4勝11敗。2012年以来の最悪の戦績でした。これにはもう、さすがに。。。という感じでしたね。ピーターソンはもともとOCですので、その腕前はどこかで評価されてると思います。きっとどっかのチームが拾ってくれるでしょう。
イーグルスは、これから新しいHC探しに翻弄されることですが、さてさてどうなるでしょうか。
Love you coach pic.twitter.com/1TmhVI0ROz
— Zach Ertz (@ZERTZ_86) January 11, 2021
TEのザック・アーツは、彼への感謝を伝えるツイートしてます。
ファルコンズ、HCダン・クイン解雇→ダラスのDCに。
こちら以前の記事でも紹介しましたがダン・クインです。彼は評価が微妙だったわりに、結構長いことHCしていたような印象を受けます。
彼がHCになったのは2015年です。2年目にはスーパーボウルに出場し、ペイトリオッツをギリギリまで苦しめました。結果負けたわけですが、あれはもう途中まではファルコンズの勝利でしたよね。
しかし、その後。ファルコンズの成績が振るいません。2018年2019年と7勝9敗で負け越し。2020年は4勝12敗とイーグルスを同じ成績でした。勝てる勝負さえも、大逆転されるというゲーム内容で、ファンからも三行半を出された感じ。
ここはGMも解雇されてます。これでいよいよファルコンズは生まれ変わりの契機を迎えました。新生ファルコンズ。きっとQBマット・ライアンも引退に向けて動いてます。どうなるやら。
Dan Quinn agrees to terms as #DallasCowboys defensive coordinator
— Dallas Cowboys (@dallascowboys) January 12, 2021
Read more in Breaking News | @lgus → https://t.co/CwB2bQxjry pic.twitter.com/jg5hauQvuW
で、このダン・クインさんは、2021年からダラス・カウボーイズのDCにご就任されました。これはこれで強烈になりそうな予感。HCに比べて専門性を活かせるので、彼にとっても良いことなのかも。
ライオンズ HCマット・パトリシアを解雇
ペイトリオッツのDCとして、ベリチックを支えて、数々のリングを獲ってきたパトリシア。彼がライオンズにHCとして招待されたのは、2018年でした。
長く続くチームの窮地を救ってくれ!そんな市民とチームの負託を受けて、ベリチックDNAの後継者に期待が寄せられました。
しかし、6勝10敗(2018)、3勝12敗(2019)、5勝11敗(2020)と、ライオンズが勝ち越しのシーズンを迎えることはありませんでした。パトリシアを招聘してから、むしろチームは弱くなってます。
ライオンズの低迷はまだまだ続きそうです。
ジャガーズ、HCダグ・マローンを解雇
彼がHCになったのは2016年シーズンの途中からでした。もともとオフェンスラインの選手としてドラフト6巡で指名されてた元NFL選手です。
2015年からジャガーズのOLコーチを担当しており、2年目の2016年には暫定HCをして、2017年から4年間は正式なHCとしてチームを見てきました。
彼が正式にHCになった2017年。ジャガーズは18年振りの地区優勝を果たし、なんとカンファレンスチャンピオンシップまで進出しました。これにより、HCダグ・マローンの株価はぐんぐん上昇。
しかし、その後の2018年から今年の3年間がひどかった。5勝、6勝、1勝と3年連続で地区最下位。勝てる兆しも見えず、QB探しもうまく行かずで、本当にイマイチでしたね。
ジャガーズ、GMデヴィッド・コールドウェル解雇
さて、3年間の低迷をしたジャガーズは、HCだけでなくGMも解雇しました。
HCとGMを簡単に説明すると、どの選手を取るか決めるのがGMで、その選手で強いチームを作るのがHC。こういう役割分担です。詳しくは過去記事「GMって何?」を参照くだされば幸いです。
さてデヴィッド・コールドウェル(David Caldwell)は2013年からジャガーズのGMとしてチームを作ってきました。現在46歳のベテランエグゼクティブ。
とってきた選手はさほど悪くない。けど2014年にQBブレイク・ボートルズをとったのがいまいちでしたね。あれからチームの軸が弱いです。その他、ダンテ・ファウラーや、ジャレン・ラムジー、レオナルド・フォーネットなど、素晴らしいタレントをゲットしてきてますが、全員トレードでチームに残ってません。どういうこっちゃ。
JETSは、アダム・ゲイスを解雇
アダム・ゲイス・・・・・。うーん変な人。JETSに強いHCが来てほしいですね。ゲイスが来たのは2019年からです。
それまではトッド・ボウルズがHCをしていて、毎年地区最下位を記録してました。この時代はJETSファンにとって暗黒時代です。
その暗闇を引き裂いてくれと願い、2019年にアダム・ゲイスが登場しました。彼はドルフィンズでHCをしていた人でした。しかし、結果は初年度7勝9敗で3位。
そして2020年。なんと2勝14敗でリーグ31位。これならシーズン最後まで最下位ねらって、全体1位指名権獲得したら良かったのに、ムダに勝ってしまいましたね。(言い方悪くてすみません)
さぁ、ゲイス。今後はどこにいくのでしょう。そしてJETSは誰を迎えるのでしょう。
テキサンズは、HCビル・オブライエンを解雇
既出ですがね。確か10月くらいだったかな。彼は昔気質な性質があり、自由奔放に生きるWRディアンドレ・ホプキンスと性格的に相性が悪かったようです。
途中GMも兼任しましたが、オブライエンとのミスマッチで、結局ホプキンスはカーディナルズにトレード。代わりにRBジョンソンを手に入れましたが、チームの攻撃力はガタ落ちでした。
過去2年連続、プレーオフに出場してきたテキサンズですが、今年は4勝12敗。QBデショーン・ワトソンは4,823ydsも投げて、シーズンリーダーでしたが、チームは全然勝てませんでした。
チャージャーズ、HCアンソニー・リンが解雇
2017年からHCに着任したアンソニー・リンが5年目を迎えられず、解雇されました。僕はこの人事は良くないなーと思ってます。
こちらリンHCが発表したメッセージ(声明)です。今年は7勝9敗でしたね。その前は5勝11敗でした。でも2018年は12勝4敗とかなり結果だせてたように思います。
チャージャーズは、プレーオフを十分狙えるチームでした。各ポジションにタレントが揃っていて、なんというか過不足が無いという感じ。それなのに、勝ち越せなかったというので、指導力不足だという評価なのでしょうか。僕はちょっと結論が早いなぁと印象受けました。
だって、チャージャーズは新人QBジャスティン・ハーバードでシーズンを戦ったのです。カレッジから上がりたての彼を軸にして、諸々の改革を経ながらでも、それでも7勝をあげたというのは、大きく評価されるべきかと思います。
このリンの放出、もう1年待って欲しかったなぁ。チャージャーズにあまり良い結果をださないのじゃないかなと思います。
パンサーズGM、マーティ・ハーニーが解雇
彼は2002年から2012年、そして2017年から2020年の合計15年間、パンサーズのGMとして在籍してきました。言い換えるとならば、生まれ変わりたいチームにとっては、邪魔なオールドスタイルなんです。
パンサーズは、2018年に創業オーナーから、新オーナーのデヴィッド・テッパーに変わりました。また2020年には、カレッジ出身のHCマット・ルールを招聘しました。オーナーの意向と新HCの狙いとに、古いGMが合わなかった。そう見られる人事です。
そうなると、パンサーズの今後は結構楽しみです。新しいGMが誰になるのか。まだ結果もわかりませんが、スターターQBもまだしっかりと決まってない状態。今後のチームづくりにおいて、新GMの到来は大きな注目案件になりそうです。
まとめ
当然ですが、結果を出しているチームではこのような人事は行われません。まだこれから動きがありそうなのが、AFCではブロンコスでしょうか。NFCではバイキングスあたりも危うい感じがありますね。
ですがテコ入れしてくれと叫ばれてるのが、シカゴ・ベアーズ。HCマット・ナギーも評価が低いHCだと言われます。ベアーズはプレーオフでたので、どうかなぁというのもありますが、あのゲーム展開はかなり不安が残りました。どうでるかなぁ。
ああ、ゲームも面白ければ、人事異動も面白い。NFLってこんなに面白いのに、なんで日本でこんなに浸透しないんでしょうね。不思議不思議。