ピッツバーグ・スティーラーズといえば、NFLでも名門の部類にはいる強豪チームです。鉄鋼の街、経済の三角地帯にあるフィラデルフィアのピッツバーグに所在。現在のHCマイク・トムリンになってから、常に高いレベルでチーム力を発揮してきました。
その大黒柱となってきたのが、ビッグ・ベンことQBベン・ロスリスバーガーです。彼がスターターをするようになって、もう早18年目。わがまま多めで大将肌の癖が強い人物ですが、パスの精度、ラッシュを交わす度胸、フットボールの技術の高さで比肩するものがいない選手でした。
しかし、そんな彼もピークを過ぎて影を落としつつあり、スターターの座を誰かに禅譲するような状況にあります。今回はそんなお話を。
NFLが日本でもっと浸透しますように。ではどうぞ。
今年のロスリスバーガーの成績
さて、まずは今年のロスリスバーガーの成績を振り返ってみましょう。スティーラーズはWeek4が終わって、なんと1勝3敗。スタッツがどうこう言う以前に、全然勝てていません。たしかにOLが大きく変更になってしまったりして、環境の変化は悪化傾向にあります。
パッシングydsでも全体17位。パス成功率でいうと64%でデレック・カーと引けを取らないんですが、ゲームを大きく変えるプレイがない。またQBの成績を総合的に評価するQBレーティングのポイント78.9という最悪の記録がでています。
かつてAFC北地区の上昇チームであったスティーラーズは、現在最下位に転落。ライバルチームたちは3勝1敗という状況を、ファンたちはこのような画像で揶揄しています。懐かしいですね、忍者タートルズ。
次のスティーラーズのQBは誰か。
まず候補として上がっている人をつらつらと書いてみたいと思います。
第一候補は、ガードナー・ミンシューです。かつてジャガーズのQBとしてシーズンを投げてきた経験があります。見た目の破天荒さに対比して、QBぶりは意外と保守的で、実に教科書どおりなプレイです。ボールハンドリングもガッチリしており、基本に忠実なソツのないプレイヤーという印象です。
ヒゲを残して、目立つようなポイントをあえて残してあるところや、チームの中でも明るく振る舞い、組織活性化に尽力しようとする献身的な性格などからも、彼はグッドリーダーな人格があるように思います。
第二候補は、キャム・ニュートンです。かつてパンサーズのエースQBとしてスーパーボウルにチームを牽引してきた実力派ですね。ドラフト1位指名であることからも、彼の素質は5つ星です。パッシングは少々荒っぽいところもありますが、全体的に素晴らしい。また脚が速く敏捷性もあり背も高く頑丈。当たり負けしないフィジカルを持ち合わせている一級品のアスリートです。
しかし彼の欠点は怪我です。パンサーズを追われ、ペイトリオッツに移籍したものの、手術の後のパフォーマンスはかつてから落ち込んでいます。ボストンの水に合わなかったのか、ベリチックと相性が悪かったのか、わかりませんが移籍は失敗に終わっています。
第三候補、これが最有力になりそう。メイソン・ルドルフです。現在スティーラーズのバックアップQBです。ロスリスバーガーが怪我で出場できんかった2019年シーズンでは、16ゲーム中8ゲームをスターターとして登板。個人成績だけでいうと5勝3敗で勝ち越し。勝率は62.5%となかなかという成績です。
2019年シーズン、ブラウンズのエースラッシャー、DEマイルズ・ギャレットと大乱闘を起こした経験もあり、彼の負けん気は全米が知るところ。顔つきはアイビーリーグのお坊ちゃんという印象ですが、鉄の街に相応しい鉄血の持ち主です。この乱闘時にオフェンスラインのチームメイト達が率先して過剰に乱闘に加わってきたことからもわかるように、チームの中でも人望が厚いように感じます。
まとめ
さていかがでしょうか。一人のQBがこれほど長期間もチームのスターターをしてきたのは、非常に稀なことです。まずスティーラーズだけで振り返っても、ロスリスバーガー政権は最長記録です。
この長老から新しいQBへとシフトチェンジするのは、チームの中も色々とストレスが発生するでしょう。しかしこのダイナミズムこそNFLの醍醐味です。新体制になるのはいつでしょうか。日本の衆議院選挙よりも早いかも知れないですね。