2018年12月4日付けの朝刊。日経新聞のイチ面記事にNFLのスタジアム建設工事の計画が掲載されました。
スタジアムを中心に新しいまちを開発
「ロサンゼルス・スタジアム・アット・ハリウッドパーク」
日本だと田舎に建設する場合、田んぼの真中にポツンとスタジアムを建設して、あとは駐車場整備。他のロードサイド型の商業店舗、セブンイレブンだとか、ファミリーレストランだとかが道中のあいてる土地を物色して、出店する程度。
だけども最近のアメリカの開発は規模が違います。スタジアムはかなりの集客機能をもってます。それを軸として映画館・商業施設・ホテルや企業の誘致用に土地を整備。スポーツのメッカとしてでなく、文化・ファッションの発信拠点として、ゼロからまちを作り上げる大計画。実際に住まい用の住宅も2,500戸計画があり、敷地内全ての拠点に車なしでもアクセスしやすく設計され、地下鉄までもが張り巡らせれるスマートシティです。
かなりカッコイイ建築になります
こちらが外観パースですね。2022年の第56回スーパーボウルの会場にもなるんですが、その4年後の2026年にはロサンゼルス五輪の会場としても使用されることが決定しています。恐ろしい計画ですね。これくらいの規模の事業を公共事業費ゼロで、あくまでも一民間企業がやってしまうというのが、アメリカの驚異。
これらが内観パースになります。天井はガラス張りになってまして自然光をふんだんに取り入れることができる設計になっています。フィールド中央部分には巨大モニターがぐるりと円を作るように設置され、観客と選手との一体感がより生まれるように工夫されています。
設計はHKS.Inc。1939年に創業した設計集団で、1000人の設計士を社員に抱える大企業です。テキサス州ダラスに本拠を構え、国内27箇所に支店をもっています。彼がHKSのCEO、ダン・ノーブルさんです。
スタジアムはラムズ・チャージャーズの本拠地となる
もともとは別の街からやってきた2チーム
かつてラムズはセントルイス市にフランチャイズがありました。本拠地はエドワード・ジョーンズ・ドーム。1995年開業の人工芝のドームで、7万人を超える集客能力を持っっていました。
セントルイス市内の、既存ドームの近くに新しいスタジアム建設計画がありましたが、オーナーの以降によりフランチャイズ移転が2016年の年末に決行されました。
またチャージャーズはサンディエゴ市がフランチャイズ都市でした。ロサンゼルスから少し離れてますが、同じカリフォルニア州。本拠地はクアルコムスタジアムで、開業は1967年とかなり古かったです。MLBのオールスター、ワールドシリーズ、スーパーボウルなどが複数回開催される大変珍しい球場でした。チャージャーズもアクセスの不便さだったり、老朽化問題だったりでオーナーがフランチャイズの移転を決定しました。
現在は両チームともが仮住まい
2017年に両チームともロサンゼルスに移転が決定。ラムズはロサンゼルス・メモリアル・コロシアムへ。ここはUSCのホームであり、かつてロサンゼルス五輪のメイン会場として使われた場所です。全米全てのスタジアムでも10本指に入る大きさで、NFLでは最大規模です。まさにメモリアルな会場ですね。
チャージャーズはスタブハブ・センターへ。ここはサッカー専用スタジアムで、ロサンゼルス・ギャラクシーズの本拠地です。
場所はロサンゼルス・イングルウッド
ロサンゼルスの市内から少し離れたエリアになります。でもロサンゼルス空港からタクシーで10分。市内のダウンタウンから車で20分ほど。かなりアクセスの便利なエリアです。
もともとはイングルウッド競馬場
ハリウッドパーク競馬場とも言われ、スタジアムの建設計画に伴い閉鎖されました。隣接してるのがハリウッドパーク・カジノ。スタジアムが完成したら、このカジノは地元客のみならず観光客でかなり盛り上がるでしょう。ということは隣接にホテルが建設されていくはずです。競馬場よりもNFL!やっぱりNFLはすごい。
この計画の仕掛け人は大資本家
LAラムズのオーナー「スタン・クロエンケ」
彼はラムズのオーナー。アメリカ国内でも有数の資産をもっています。NFLだけでなくイングランド・プレミアリーグのアーセナルのオーナーでもあります。彼については、別記事のこちら「大資本家スタン・クロエンケ」や、「NFLオーナー列伝~スタン・コロエンケ~」でもまとめてありますので、こちらをご参照ください。