オフシーズンに入りまして話題は次のチームづくりについてです。特に全米からも注目を浴びているのが、やはりダイナスティ(王朝)を作ったNEペイトリオッツの今後についてです。
今回は、G.O.A.T.(あらゆる時代の最高峰)と最大の評価を受けてきたトム・ブレイディを軸にペイトリオッツのこれからについて、記事にしました。
日本でもっとNFL が浸透しますように。
ブレイディが残ってもペイトリオッツ王朝は終わるのか?
19シーズンのペイトリオッツオフェンスは、終盤あまり出来が悪かった。ディフェンスチームはリーグ1位の実力で、見事にすべての攻撃を遮断し続けてきた。しかし、ディフェンスが作ったチャンスを、ブレイディは得点にまで活かすには、大変苦労してきた印象がある。
実際にスタッツで調べてみると、得点チャンス圏内と言われるレッドゾーン(敵陣20ydsゾーン)での、トム・ブレイディのパス成功率ランクはリーグ27位。またプレッシャーの無いクリーン・ポケット状態での成功率ランキングは32位と、タッチダウンが実に遠い存在に見えた。
2年前のブレイディは、2名以上のエッジラッシャーによるプレッシャーがある状態でのパス成功率は、リーグNO1だった。それから見ると驚くほどの落ち込みがある。それには彼の肩の状態の悪さもあり、43歳になるブレイディには、もうあの時ほどの輝きが期待できないのではという噂もあるようです。
トム・ブレイディは現在フリーエージェント選手になり、改めて新シーズンの契約先を探す状態になっている。もちろんペイトリオッツに残留するよう再契約する可能性もあるわけだが、NFL界隈では移籍先について、様々な噂が飛び交っている。
フィリップ・リバースをリリースしたチャージャーズや、アンドリュー・ラックを失ったコルツまでは、納得もできるが、フランチャイズ移転を行ったラスベガス・レイダースの噂が流れるのが信じがたい。LVレイダースはQBデレック・カーに史上最高額の契約を締結したのが、ついさっき前だ。なのに彼をすげ替えて、トム・ブレイディと契約なんて噂が流れるなど、なんとも驚きだ。だけどもタイムラインには色々と情報が流れてくる。
もし残留となっても、ペイトリオッツは苦戦するだろう
ペイトリオッツには、トム・ブレイディの後ろに控える二人のQBがいます。背番号4のジャレット・スティドハムは、2019年ドラフトで4巡で獲得したオーバーン大学出身の選手。2019年シーズンでは3試合だけ登録があり4回パスを投げましたが大した結果は出せませんでした。
もうひとりはコーディ・ケスラー#6です。彼は名門USC出身のQB で、2016年ドラフト3巡でブラウンズが獲得した選手。一時はスターターを任されてましたが、ジャガーズに移籍し、イーグルスとプラクティス契約。2019年にペイトリオッツに拾ってもらったという流れで、正直NFLの大舞台で勝ち上がっていくほどのスター性がありません。
名将ビル・ベリチックならば、経験の低い彼らがスターターだろうと、しっかりとチームビルディングをしてきます。しかし過日のような無敵ぶりをペイトリオッツが見せる可能性は低いでしょう。地区優勝するには、成長してきたビルズとJETSを倒さなくてはなりません。ダークホースのドルフィンズも化ける可能性もあり、ペイトリオッツはかなり厳しい戦いになるはずです。
とすると、ペイトリオッツは2021年に彼を狙うのか?
もし、ビル・ベリチックが2021年ドラフトでのQBを狙っているとするならば、本命は間違いなくクレムソン大学のトレバー・ローレンスです。しかし、彼がドラフト俎上にあがるならば、多分全体1位になるだろうと思います。
ペイトリオッツがローレンス獲得に動くとするなら、2020年シーズンは最下位を狙うか、有力選手と指名権をトレードするしかありません。トム・ブレイディに変わる素晴らしいQBを獲得することができれば、2022年あたりから、またペイトリオッツは圧倒的に強いチームになってくるでしょう。
まとめ
ブレイディと、ペイトリオッツのこれからの動きには大変注目しています。そもそもNFLにはサラリーキャップという制度のために、戦力均衡(レベニューシェア)が実現されています。そのお陰で毎年強いチームが変わり、ゲーム自体も白熱したものになっています。
その中で、ペイトリオッツだけが異次元の強さを見せ続けてきたのですが、これからどうなるのか。スターQBから次世代へという大きな課題は、まるで企業の事業承継に似ているようにも思います。経営陣がどのような選択をするのか。実に議論が集中するでしょう。楽しみです。