今年のFA市場はダウ平均株価のように大荒れだ。まさかまさかの展開に目を塞ぎたくなるファンも多いのだろうが、僕としては、リーグ全体がドラスティックに変化されていく様子を、キラキラした目でみてみる。
大物選手が動く、というだけでなく、いままでチームの代表だったような選手までもが移籍しており、まるでかつて応援していたチームが一変してしまったかのようだ。
今回の記事では、そんな中でもQBだけに限定して、移籍の様子をまとめておく。
日本でもっとNFLが浸透しますように。
- トム・ブレイディがバッカニアーズへ(TB→TB)
- ジェイミス・ウィンストン→FAへ
- マーカス・マリオタがレイダースへ
- フィリップ・リバースがコルツへ
- テディ・ブリッジウォーターがパンサーズへ
- キャム・ニュートンはFAへ
- カイル・アレンはレッドスキンズへ
- ニック・フォールズがベアーズへ
- まとめ
トム・ブレイディがバッカニアーズへ(TB→TB)
すべての時代の最高峰(G.O.A.T.)とほまれの高い生きる伝説。スーパーボウル9回出場し6回制覇し、3回MVPをとっている。年齢は43歳で、普通ならとっくのとうに引退しているんだけど彼は例外。まるでイチロー選手のようです。
NEペイトリオッツの大黒柱として20年間プレイ。彼がペイトリオッツ以外のジャージを着るなんて予想外すぎました。しかもバッカニアーズとは。
どうもブレイディは45歳までの長期契約を望んでいたらしい。しかし、HCビル・ベリチックは彼の能力の低下を感じていて、単年度契約しか用意できないと返答したそうです。最後の最後は個人のプライドと評価のせめぎあいでした。
新チームのHCブルース・アリアンズは2015年シーズンでカーディナルズをプレーオフに牽引した実力者。トム・ブレイディが加入することでチームの空気は一変するでしょう。
ジェイミス・ウィンストン→FAへ
彼は全体1位指名でバッカニアーズが獲得したフランチャイズQBでした。プロ入り後もパッサーとしての能力も高かったのですが、結局プレーオフに進出することはできず、2位と4位を繰り返しました。やはり勝てるQBがよいQB。ウィンストンは、バッカニアーズを去り、新チームを探すことになるでしょう。
マーカス・マリオタがレイダースへ
タイタンズで全体2位指名を受けたハイズマン賞受賞者。奇しくもFAになったジェイミス・ウィンストンと同じ年度デビュー組です。タイタンズでも活躍してくれていて、正直結構好きな選手だったんですが、ドルフィンズからやってきたライアン・タネヒルがシーズンを勝利しプレーオフをもぎ取りました。さらにプレーオフでも、優勝候補のペイトリオッツとレイブンズを撃破する大進撃。
これでスターターQBはタネヒルに決まり、マリオタは引っ越しを余儀なくされました。新天地はフランチャイズの移転が決まったレイダース。新しくラスベガスで暮らすことになるのですが、新生活が心配です。
基本的にスターターはQBデレック・カーですが、入れ替わる可能性は十分になります。マリオタのことが好きなので、頑張ってほしい。
フィリップ・リバースがコルツへ
彼はチャージャーズの看板選手でした。16年間も同じチームでプレイできることは大変稀有なことです。おおよその選手はどこかに移籍してしまうか、引退してしまいます。ブレイディは20年ですが、彼もまた鉄人の一人です。なにせ連続出場記録では歴代2位、現在も続行中です。(1位のブレット・ファーブの297試合連続出場まではあと70試合ほどありますが・・・)
個人的にはチャージャーズのまま引退してほしかったですが、QB探しに翻弄しているコルツにはベストフィットになるかも知れないです。リバースの能力値は十分すぎるほど高く、現役最後にプレーオフ、カンファレンスチャンピオン、スーパーボウルと夢を見せて欲しいと思います。
テディ・ブリッジウォーターがパンサーズへ
ブリッジウォーターは膝の故障でスターターがもぎ取れなかった選手です。全体32位でバイキングスが獲得し、素晴らしい選手だったのですが、怪我で苦しみました。
バックアップQBとして移籍を繰り返し、ようやくスターターQBとして活躍できそうです。しかし、まだどうなるかは不明です。今度のドラフトで素晴らしいQBを獲得できれば注目はそちらに集まります。ブリッジウォーターがセインツで活躍できたのも、セインツ全体の能力が大きい。彼自信の評価をどうみるかが重要です。でもま契約金額が3年$63Mです。これはスターターQBとしてのボリュームとみて良いと思います。
同時に、パンサーズがいるのは厳しい地区です。バッカニアーズにはトム・ブレイディ、セインツにはドリュー・ブリーズ、ファルコンズにはマット・ライアン。皆がレジェンド級のプレイヤーで、3人ともスーパーボウル出場してます。ここで勝利していくのは、相当の腕前でないと苦労するでしょう。
キャム・ニュートンはFAへ
2011年全体1位指名で2015年シーズンを勝ち抜き第50回の記念スーパーボウルに出場したイケイケのQB。全体を盛り上げるムードメーカーでありながら、不平不満を我慢せず口にも態度にも出す未熟さもあり、あらゆる意味で風雲児でした。
肩の故障を引きずっており、昨シーズンもフルゲーム出場できませんでした。共にスーパーボウルを戦ったHCロン・リベラもレッドスキンズに移籍し、ニュートンは扱いづらい存在になっていたのでしょうか。本人はFAになることを望んでいなかったそうで。ツイッターなどの発言をみると「チームがそう追い込んだ」ともとれます。
新天地はイトリオッツか?という噂もあり、キャム・ニュートンが新しいジャージを着る姿が楽しみです。
カイル・アレンはレッドスキンズへ
キャム・ニュートンが不在の間、バックアップQBを努めた人です。2018年ドラフト外入団でしたが、バックアップとして十分な能力かと思いました。テディ・ブリッジウォーターを獲得したことで、アレンは残るかと思いましたが、出ていくことになりました
これはXFLからP.J.ウォーカー(Philip Walker)を獲得したからでしょう。彼もコルツでドラフト外で3年プレイした人物です。彼がバックアップQBとしてセットされるでしょう。ブリッジウォーターとウォーカー。さて3人目は誰になるのでしょうか。新人でしょうか。
ニック・フォールズがベアーズへ
彼はフィラデルフィア・イーグルスでスーパーボウルを優勝した人物です。バックアップQBながら見事なプレイぶりを発揮して、市場価値を最大化しました。ジャガーズと契約したのは、4年$88Mとかなりの巨額です。
しかし、移籍したジャガーズではスターターとして出場した4試合すべてに敗北。しかも怪我を負ってシーズンエンド。大枚をはたいたジャガーズフロント陣はガッカリしたことでしょう。残り3年間の契約が残っていますが、ベアーズがそれを引き継ぐ形で移籍が決定しました。それにしても、スーパーボウルMVPのQBをたった4試合だけで判断するというのは軽々に思います。というのも、ジャガーズはQBがいないんです。どうするんだろう????
胸中穏やかでないのは、いままでスターターを担当してたミッチ・トルビスキーです。彼はベアーズから全体2位指名でデビューしている選手ですが、期待ほど応えられてないと思います。2017年ドラフトはQBパトリック・マホームズが登場した年です。トルビスキーは彼よりも上位で指名されてるんですが、スター性でもQB能力でも完全に引けを取ってます。
スーパーボウルWinnerのニック・フォールズを高額で召し抱えることになったベアーズ。(しかも三年は契約が残ってます)。ということは、トルビスキーの将来残留の可能性はかなり低くなったと見えます。このオフシーズンで左肩の手術をしてたり、体調面でも万全とは言えない状況です。スターターQBの座も危ういように思います。
まとめ
QBだけでもこんなに動いています。その他、名物選手たちの移籍もまだまだ活発に行われています。僕のブログにあるチーム紹介のページも随時更新していかないといけません。これは大変。でも楽しい。
さて、新シーズンの開幕が楽しみ。これほどオフシーズンが盛り上がるスポーツは他にはないでしょう。
甲斐の虎、武田信玄はいいました。「戦に勝利するは準備段階で決している」。まさにオフシーズンは武田信玄のいう準備なのです。
これこそ、NFL。超面白い。