NFL超入門!~群雄割拠の32国志演義~

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退任記者会見をした鳥内監督の質疑応答が素晴らしかった!!

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 鳥内監督といえば、トレードマークの口ひげがカワイイんすが、KGファイターズの名将として有名な方です。また部の運営や指導については、「学生の彼ら自身の成長のため」という基本姿勢が一貫しております。ともすれば「大学の名誉のため」「自分の名誉のため」を考えてしまうものですが、その発想自体がまるで無い素晴らしい指導者です。

 そんな鳥内監督が大学選手権大会優勝祝賀会にて、来季一年で引退をする発言をしました。これは事前に伝えられていなかったサプライズスピーチだったようです。しかし、関係コーチは皆1年前ぐらいから、聞いていたそうですので、組織的には対したショックはなかったようです。

 朝日新聞社が運営している「4years.」さんに、関西学院大学アメリカンフットボール部ファイターズの鳥内HCの退任インタビューがまとめられていました。

4years.asahi.com

この中で鳥内監督が語っていたことが、実に素晴らしかったので、改めて印象に残った鳥内語録を元に記事にします。本来の指導者はかくあるべし。と痛感しました。

 

 

4回生をコーチレベルに育てる

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「指導には何が大切ですか?」
という質問があった。
これに対して監督は「当初は上から目線で1対全員という感じで接してきたが、それでなく個別面談型の指導に変えた」という。しかも4年生に対して。戦略や練習の意義を腹落ちするまで語ることで、4年が下級生を指導できる。一緒に汗を流し、笑いあい、悔しさを共有する仲間だからこそ、届く言葉がある。という効果があると思います。

また、仕事にもこれは言えます。社長自ら新入社員を教えることはできない。朝礼や会議でガンガンまくしたてても、それほど腹に応えない。大事なのはミドルマネジメント層の育成である。監督がやったのは競技指導でなくマネジメントです。

それから、マンツーマンでの話になると指導というよりも、「俺とおまえの約束」というレベルになる。これが本来の意味であるコミットメントである。「男同士かっこよくあろうや。」そういう基本の部分が相手の行動力を焚きつけるんでしょう。

自分のためにやってや

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「監督に勝利をプレゼントしよう!」という思いがある。これはもちろん大事なんだけど、それよりも鳥内さんは「自分のために練習せい」というこの考え方は、社会人に対しても同じで、会社の一員としての人格を優先するばかり無理がでる。本当は違うことやりたい、違うこと言いたい、本音で話したい。そういう自分を押し殺して企業人らしく振る舞うことがある。でもそれで良いのかと。

「会社の損になるからやらん」「揉めるから黙る」と言うのでなく、自分がやるべきだと思う行動を。心に嘘のない人生を歩もうじゃないかと、鳥内さんは学生たちに教えてるように思う。

あとのことは知らん

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「後任の監督はだれが?」という質問に対しての回答。これ凄く大事なことだと思う。日本では鎌倉時代に「院政」という悪習ができた。天皇陛下を裏で操るべく、天皇の上に上皇という制度ができたときの政治体制のことです。

建前上、代表権を譲っているが、実のところ権力(人事権)は違う人間が握っているということがある。この院政という仕組みは大きな失敗を未然に防げる風に見えるが、それよりもマネジメントを育成する上で、組織にダイナミズムを起こす上で、新しいビジネスを作る上で大きな弊害がある

人間も動物で年を重ねると勇気と体力が劣る。勇気と体力は経営する上で最も重要だ。新しい勉強をしたり会話の中で分析したりする熱意がなくなる。そうすると判断は過去の経験値、特に成功体験に頼る傾向が強くなる。これは言い換えると「エビデンス無き経営判断」である。

また権力を手に入れると手放すのは嫌なものです。企業合併がうまくいかない一番はトップがもってるこの意識でしょう。鳥内さんはこれらの「私欲」から「判断」を完全に分離させて行動できる、稀有な指導者だと言えます。

 

まとめ

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やはり鳥内監督をはじめ、関西学院大学ファイターズの気風は良い。アメリカンフットボールという競技の「合理性」「再現性」「組織」という性格が為せる技かもしれないが、ビジネスにも通じることがあり、実に学ぶところが多い。

中学・高校・大学のアメフト一貫教育を始めた米田満さんや、アメリカから指導方法を輸入した武田建、留学してまで学んだ伊角富三、広瀬慶次郎さんらに心より敬意を示したいと思います。(ちなみに僕は関西学院大学の出身ではアリませんよwww)