12月16日阪神甲子園球場にて、平成最後となる第73回甲子園ボウルが開催されました。関西一位の大学と関東一位の大学がぶつかる最強大学チーム決定戦。この舞台に向け毎年すべての大学がしのぎを削っておられます。
今回は、関西学院大学が早稲田大学に勝利し、見事2年生QBの奥野選手がMVPに選ばれました。実は彼あの日大悪質タックル事件の被害を受けた当人。今回の記事ではそんな奥野選手を掘り下げてみたいと思います。
奥野構世 関西学院大学QB
身長170cmとQBにしては低身長。高校生のチームならばこの身長でも遜色なかろうが、大学となると皆身長も高いので、大きく不利。しかし、彼はこの低身長ながらレギューラQBであって、かつMVPを獲得したのです。これはスゴイことだよね。
QB経験は12年!フットボール・ジーニアス
出身高校は関学の付属高校。全国高校アメリカンフットボール選手権の優勝決定戦であるクリスマスボウルにも出場。しかも1年・2年でも出場しているほどのフットボール・ジーニアス。
彼が初めてフットボールに出会ったのは、小学1年生のとき。「池田ワイルドボワーズ」というタッチフットチーム。初めてアメフトのボールを投げさせてもらった。その時、楽しさに目覚めた。実はこのチームは、チェスナットリーグ(少年フットボールチーム)で全国優勝している強豪チームです!
池田市立北豊島中学校ではバスケ部に入部するが、土日はタッチフットをするという毎日。高校に進学したら当然待ちに待ったアメフト。9年間もタッチフットでQBをしていた彼ですから、1年生から当然QBを任されクリスマスボウルでもプレイしています。
大学進学後もフットボールを。
6歳から初めたフットボール。彼は低身長ではあったが、ものすごいフットボールインテリジェンスを脳内に蓄積してきた。D#の読み方や攻撃の戦略、そしてQBがもつべきアジリティを磨き、その努力の姿で周りを引っ張るリーダーシップを身につけてきた。
名門関学ファイターズでもその才能は発揮され、1年生から試合にでることになる。そして彼は2年のときに、あの日大悪質タックルの被害者として全国のニュースに出てしまうことになる。本来であれば、アスリートとして彼の才能が大々的に取り上げられるべきであるが、あの事件においては、残念ながらフォーカスされなかった。
そんな彼がついに復帰し甲子園ボウル優勝!大学日本一へ!
西日本と東日本が対決する甲子園ボウル。タックル事件の後は、半身不随になる危険性もあったと報道されたが、大変幸運なことに大事に至らず済んだ。3~4ヶ月の治療・養生を経て練習に復帰。そして2018年12月16日、大学日本一を決定する甲子園ボウルにスターターQBとして出場。見事チームを勝利に導いた。素晴らしい人です。