さて、スーパーボウルは劇的な幕引きとなりました。チーフスファンの皆様、本当におめでとうございました。そしてNFLの組織の皆様に心から感謝をします。感動と興奮、そして学びをありがとうございました。
さて、3月に入りまして、そろそろドラフトの話題に持ちきりです。ドラフト・デイは4月29日です。これから2ヶ月はそんな記事をまとめていこうかなと思ってます。
今回は「注目の新人QB」と題しまして、選手を紹介したいと思います。それではどうぞ。
- 2位 / アラバマ大学 ブライス・ヤング / 3年
- 4位 / オハイオ州立大学 C.J.ストラウド / 3年
- 8位 / ケンタッキー大学 ウィル・リービス / 4年
- 19位 / フロリダ大学 アンソニー・リチャードソン / 2年
- 119位 / テネシー大学 ヘンドン・フッカー / 4年
- QBを欲しがっているチームは?
2位 / アラバマ大学 ブライス・ヤング / 3年
身長183cm , 体重88kg
3,328yds, 277.3Y/g, 32TD ,5Int, 163.2pt
彼が今年の大目玉選手です。ペンシルバニア州のフィラデルフィア生まれ。高校時代からスカウトにかかり、西海岸のカリフォルニアサンマテオにある高校に進学していました。高校時代のは合計13,520ydsパス、152TD。高校生の時から「全米最高の選手」だと評価されています。大学は名門のアラバマへ進学しました。
昨年2年生のころと比較すると3試合出場が少ないので、パッシングヤードは減っているものの10勝2敗と素晴らしい結果。特にシュガーボウルではカンサス州立大学を45−20で圧倒するゲームもあり、ヤングの力強さを物語っています。
パスだけでなく、185ydsのラン記録を残してます。モバイル型QBとしての活躍もできるのは、今のNFLにとって重宝されます。イーグルスのQBジェイレン・ハーツみたいな印象です。
2021年シーズンでは、大学最優秀選手賞であるハイズマン賞を獲得しています。ファイナリストには、現ライオンズのエイダン・ハッチンソンや、スティーラーズのQBピケット、同期ドラフトのライバル、OSUのストラウドがいます。
過去をさかのぼっても、アラバマのQBでハイズマン賞を獲ったのは彼しかいません。(マック・ジョーンズや、タゴバイロア、AJマキャロンらはファイナリストです)。
4位 / オハイオ州立大学 C.J.ストラウド / 3年
身長192cm , 体重99kg
3,688yds , 283.7Y/g , 41TD , 6Int , 177.7Pt
パスが非常に正確で美しい、それに強肩でディープへのパスもお見事です。サイズもデカくてプロレベル。ビッグ10カンファレンスで、オフェンシブ・プレイヤー・オブザイヤーに2回輝いている実績の持ち主。
ブライス・ヤングと比較しても全く遜色ない。お互い同じレベルのトップ選手だと思います。しかし、ストラウンドの方がサイズ面でアドバンテージがあり、伸び代があるんじゃないかなと思います。
肩の強さだけで勝負しているのでなく、頭を使いながらプレイしています。マンカバレッジの弱いところに投げて通す。という感じです。
名門出身だからか、オフェンスラインがいつも強い。ですのでプレッシャーを受けたときは正確性が落ちる。NFLの世界ではひと味ちがう成長が必要になります。
でもパスの正確性と、走れるQBとのミックス。マック・ジョーンズとジャスティン・フィールズを足して二で割る感じの選手でしょうか。
8位 / ケンタッキー大学 ウィル・リービス / 4年
身長192cm , 体重105kg
2,406yds , 218.7Y/g , 19TD , 10Int , 151.9Pt
高校時代はコネチカット州のNo.2まで評価されたQBです。野球も経験しているQBですので、キャリアとしたらマホームズみたいな感じ。
大学はペンシルバニア州立大学に進学。しかしQBポジションをゲットすることができず、2020年シーズンにケンタッキー大学に移籍して、そこで活躍するようになりました。
(写真はペンステート時代のものです)
基本的に、ものすごい運動能力が高い選手。パスも正確だし腕の力もある。球速もあるし、遠くにも投げれる。また走ってもいける。体もTEばりにでかいので、カレッジクラスだとRBみたいにガンガン前に攻めれる。
一方、自分の力を過信するあまりに、無闇に危ないところにパスを投げるところもあります。パフォーマンスに一貫性がないところが、若者らしくいい。NFLで成長・成功するには、まずは忍耐力が必要でしょう。基礎固めを教えてくれるコーチと出会えれば、偉大な成果を残す可能性があります。
19位 / フロリダ大学 アンソニー・リチャードソン / 2年
身長195cm,体重105kg
2,549yds , 212.4Y/g , 17TD , 9Int , 131.0Pt
今回のドラフトコンバインで、40ydsを4.44sというポジショントップの成績を出しました。初速の速い脚をもっていて、ハイジャンプでも怪物ぶりを発揮しました。ひょっとすると、QBで一番最初に名前を呼ばれるかも知れません。
QBとしての能力は他と比較すると落ちるかも知れないですが、パスプロが壊れたときの、アドリブがいい。脚を使ってプレイする運動能力が優れていて、まさしくデュアル・スレットQBとして大きく評価できそうです。
フィジカルお化けみたいな選手で、手首をクイっと振っただけで、ボールを50yds飛ばしたり、ボールキャリアとしてガンガン運んでくれるところもあります。ラマー・ジャクソンのように育てても良いし、マルチプレイヤーのテイサム・ヒルのように育てても良い。どちらにせよ伸び代は大きい選手だと思います。
プロとしての大きな改善点はパスの制度でしょう。良くも悪くもまだまだ荒削りな選手なので、ランパス両方の二刀流の選手として育てるか、特徴を削りまくってQBにするか、もしくはWRやTEにするかです。(レジェンドQBを彼の指導役につけるという噂もありますね。)
Anthony Richardson just set a combine record for quarterbacks with a 40.5” vertical with this… pic.twitter.com/68muNURNwq
— StaceyDales (@StaceyDales) 2023年3月4日
119位 / テネシー大学 ヘンドン・フッカー / 4年
身長195cm , 体重99kg
3,135yds , 285.0Y/g , 27TD , 2Int , 175.5Pt
サイズも完璧なプロ規格。インタセプトが2回だけというのがいい。パッシングも3,000ydsを超えていて、パスゲームであってもゲームを大きく壊さない人です。
バージニア工科大学から転校してきて、ボランティアーズの手綱を握るようになり、チームを成長させてきました。パッサーとしても優秀ですし、頑丈な体格をもっていることも利点。
パスの制度が高いだけでなく、判断の正確さが際出すクレバーな選手として評価されています。また脚で動けるのでモバイルQBの要素もあります。
でも、2022年の後半にACLを断裂しているので、彼の評価が複雑になっています。ケガに弱いのか?そうするとモバイルQBとして酷使しづらい。とすると伸び代に期待したいが、かなり完成されてるように見える。ということで、きっと能力の高いバックアップQBとしてドラフトされるかな。
QBを欲しがっているチームは?
1.パンサーズ(9位)
2.コマンダーズ(16位)
3.テキサンズ(2位)
4.セインツ(10位)
5.ファルコンズ(8位)
6.バッカニアーズ(19位)
7.レイダース(7位)
8.シーホークス(20位)
9.コルツ(4位)
というあたりです。テキサンズは必ずQBを指名するでしょう。順当にいけばブライス・ヤングか、CJストラウドでしょう。次はコルツですがパンサーズあたりがトレードアップする可能性もあります。どうなるか楽しみですね。