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【NFLスーパーボウル】GOAT is the GOD。歴史に残るチーフスvsバッカニアーズ

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いよいよスーパーボウルが終わりました。素晴らしい対決だったいう方もいれば、稀に見る凡戦だったと酷評する人もいているようですね。今回の記事ではそんなスーパーボウル55、チーフスvsバッカニアーズ戦を振り返ってみたいと思います。

NFLが日本でもっと浸透しますように。

ではどうぞ。 

 

 

まず結果から。9−31でバッカニアーズの勝利でした。

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結果だけみると完全なるワンサイドゲームといって良いかと。爆発的攻撃力を誇ってきたカンザスシティ・チーフスのO#は、バッカニアーズD#に完全に封じ込められました。なんとあのマホームズが1本のタッチダウンも奪えずにすべてのドライブを終えたのです。

チーフスO#の振り返り

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まず攻撃した回数から読んでみます。これがチーフスの攻撃の記録と結果です。11回のドライブで、スナップは72回ですね。この72回の攻撃でなんと7回もファールをして罰退しています。レッドゾーンまで攻め込めたのは1度もなく、11回のドライブで3回だけFGで得点できました。そして11回のうち2回はインターセプトにより攻撃権を相手に与えています。

 

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サードダウンコンバージョン率を見てみましょう。チーフスが3rdダウンシチュエーションになったのは13回ありました。その中で3回だけ1st down獲得、成功率は23%。対するバッカニアーズは12回中4回1stdown,成功率33%と結構差がついた感じがします。

マホームズのスタッツで比較すると、パス回数が49回中26回成功でパス成功率は53%、TDは0回、インターセプトが2回。なんとQBレーティングでは52.3%と今シーズン最悪の結果に終わりました。

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こちらはブレイディ率いるバッカニアーズO#。ドライブ数は同じく11回。スナップ数は64回とチーフスに8回少ない。そのうちタッチダウンが4回、FG1回と素晴らしい結果です。特に第1Qで4分33秒つかって8回の攻撃、しっかりとTDに結びつけてるところ。敵の攻撃時間を奪いながらO#で得点する。これはダブルパンチで相手に効きます。ブレイディの試合巧者ぶりが見て伺えます。

O#不調の原因はなにか?

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色々と理由はあるでしょうが、やはりオフェンスラインが完全でなかったことに尽きるでしょう。AFCチャンピオンシップでのビルズ戦で、リーダーのLTエリック・フィッシャーがアキレス腱を切りました。これが今回の悲劇の始まりでしたね。

右のタックルだったミッチェル・シュワルツ(チーム2番手のOL)はシーズン途中で怪我で欠場。このおかげで本来ガード担当してた二人がタックルに回ることになりました。

レギュラーシーズンとは違い、CCからスーパーボウルまでは2週の猶予があります。しかし相手はリーグ最強といって良いDLです。たった2週間ではアジャストできず、また確かな力不足があったように思います。

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その部分をマホームズの足(ポケットムーブ)で補完しようという作戦です。しかし、これは当然バッカニアーズ側も読んでいます。なのでランプレイは少なくパスが増えるだろうという見込みで、LB陣はスピードをもった3人でゾーンカバー。スピードで負けるヒルに対しては、2人がかりで対応するという処置をとってきました。

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後ろがしっかりしているのでDLは伸び伸びやれます。パスラッシャーのジェイソン・ピエールポール、ダムコング・スー、ビタ・ビーらが、ガンガンとスクリメージラインを破壊し、マホームズの可動域を狭め、後ろに大きく逃げるシーンが多かったですね。マホームズの武器である機動力(ポケットムーブ)が裏目にでてしまったのかもしれない。

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それでもマホームズはターゲット目掛けてパスを投げてきました。この精度の高さと運動能力の高さは間違いなくNFL最高だったと思います。だけれども、あれほどプレシャーがかかった場面、いつもの成功率がでるはずもありません。TEケルシーにとっても、WRヒルにとっても、常にフリーにさせてもらえず、キャッチしにくい状況でのレシーブが続きました。

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ブレイディとマホームズを比較すると、ブレイディのパスは201yds、マホームズは270yds。記録だけみると圧倒しています。レシーブランクもケルシーが133ydsで1位。ヒルが73yds、グロンコウスキは67ydsで3位です。この記録ですが、チーフスはTDに結びつかず、バッカニアーズは3TDを奪った。これだけみても後々分析しがいのある面白い結果だったと思います。

チーフスD#は萎縮・緊張していたように見える。

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バッカニアーズが爆発的O#のチーフスを封じ込めた。とすると、プレッシャーがかかるのはD#チームです。チーフスD#はかなり緊張していたように思います。D#がドライブをとめてO#にボールを渡せないと、マホームズにボールが渡せないと、チーフスはジリジリと負け続ける。実際その展開になってしまいました。

 

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対するバッカニアーズには追い風です。ミスをしないブレイディ、そしてスピードと高さ、技術でトップ級のWRマイク・エヴァンスとWRクリス・ゴドウィンのデュオ。そこにチート級のTEロブ・グロンコウスキ。彼らはD#チームの奮闘を受けていつも以上にガンガンと攻めてきました。

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チーフスD#はミスができないというプレッシャー。かたやバッカニアーズはTDとれなくても、D#チームが止めてくれるという安心感。それがチーフスにとって焦りや緊張という悪いほうに働いたように見えます。

 

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その結果として、チーフスは大量のファウルを重ねました。このファール回数がなんと11回(O#7回、D#4回)。今シーズンの19試合中でも突出した回数でした。ファールで失ったヤード数が120ydsです(バッカニアーズは4回で39yds)。これだけでもうタッチダウンがとれるくらいです。

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ここぞ!という場面でD#がファールして相手に1stダウンを与えてしまう。こういうファールはD#チームの不和をつくります。ミスした選手は「俺のせいだ・・・。チームの奴らが怒ってる・・・」と疑心暗鬼になり、本来のパフォーマンスが発揮できない。またチームを掌握するリーダーもイライラから冷静を欠いて、本来やるべきキャンプテンシーがだせず、顔つきが変わってきます。こうした心情の変化は組織全体にものすごい影響を与えます。チーフスD#はまるでブレイディに呪いにかけられたようでした。

ブレイディの凄さは個人技でない。

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NFLコムで報道された内容です。バッカニアーズのDCトッド・ボウルズがトム・ブレイディについて語ってたそうです。彼いわく

「ブレイディはフィールドの外での貢献がすごい。コーチやスタッフに声をかけてフットボールについてコミュニケーションを取る。荒くれ者と揶揄されるメンバーを飲み会に誘って話を聞く。ブレイディと触れ合ったすべてのメンバーが「もっと彼のためにやりたい、フットボールをしたい」と心が燃えてしまう。こうしたフィールド外でのリーダーシップ、マスターマインドの形成、つまりは彼の人間性の高さがバッカニアーズ全体を急激に変えていった。」

トッド・ボウルズは2019年からバッカニアーズにきてコーチしていますが、ブレイディが2020年から来てからのチームの変わりようは急激だったと語っていました。ブレイディがGOAT(史上最高の選手)と言われる所以はそういった部分です。

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今回のゲームでもスタッツではマホームズに負けています。しかしゲームは完全に圧倒したといえます。完勝だったと言って良いでしょう。それを実現したのはブレイディが積み上げてきた技術の高さと一枚岩となったチームワークの堅牢さだったということです。

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トム・ブレイディはフィールドの中ではプレイヤーとして、そしてフィールドの外ではコーチとして、チームが勝利に向かうように貢献してきた。これこそ彼が尊敬される所以だと思います。

今回のスーパーボウルを凡戦だったと酷評する人に言いたい。

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レギュラーシーズンを見てきた僕は、チーフスのマホームズの凄さを何度も見てきた。第4Qで20点も差がついているときも、「あのマホームズならまだ十分可能性がある」と目が離せなかった。ひとつのほころび、D#がインターセプトしてマホームズに渡せれば・・・。それくらいチーフスはすごいチームだったんです。だからこそ、それを封じ込めたバッカニアーズD#は見応えが抜群だった。デビン・ホワイト、ラボンテ・デーヴィッドらの集中力はそれはすごいものだったんでないかと。

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最後の1秒までとはさすがに言えないのだけど、今回のスーパーボウルもやはりすごいゲームだった。実力が伯仲するトップ同士での戦いでさえ、この点差がつく。NFLというプロリーグの面白さ、アメリカンフットボールってスポーツの奥深さが、しっかり凝縮されていたと感じたね。

まとめ

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マホームズは残念な結果になったけど、ブレイディと投げあったQBとしてこれからのNFLを牽引していってほしい。ぜひともブレイディのように人間性を磨き、スポーツ界から全国に良い影響を与えてほしいと思う。

ロジャー・グッデルがいう「NFL選手はすべての国民にとっての模範となってほしい」というメッセージには僕も共感する。テレビでスタジアムでゲームに釘付けになるほど、彼らが試合に望む姿に、彼らが戦う姿に、彼らが出会う苦難に、自分を重ねているのだ。

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2020年シーズンは終わった。しかし,これからまた新たなドラマが始まるかと思うと、ウキウキとしてしまう。やっぱりNFLは最高だと改めて感じた第55回スーパーボウルでした。

 ブレイディありがとう。マホームズありがとう。NFLの人たちありがとう。今年も感動しました。