NFLの話を普段から、周りの人にするようにしてるんですが、皆が決まってこう言います。
「ラグビーとどう違うの?」
もう聞き飽きたんじゃい!!
というわけで、今回の記事では「ラグビーとは全然ちがうんだ!」ということをわかってもらいます!
一番の違いは「チェンジ」のあるナシ
ラグビーは15人、アメフトは11人とか、いろいろありますけど後回し。
どちらも楕円形のボールをゴールラインまでもっていけば、点が入るわけです。これは一緒です。一番違うのは・・・・
「チェンジ」があるかないか!です
実はアメフトは野球に近いのです。野球のルールはわかりますよね?3回アウトになったら攻撃する回が終わってチェンジします。全部で9回、攻撃と守備に分かれてやりますね。あれがアメフトに近い。
野球は攻撃する権利(言い換えるとアウトになる権利)が3回あるということです。アメフトは4回アウトです。4回の攻撃する権利で10ヤード進めなければチェンジです。
で10ヤードラインを超えることが出来たら、4回の攻撃権はリセットされて、また4回攻撃できるんですね。そうやって10ydsをクリアしていって、最後ゴールラインを超えて得点する。という流れです。
アメフトでいうアウトはなにか?
野球は皆ご存知ですが、大きく分けると3つ。
①バッターが三振する
②フライをキャッチされる
③塁で刺される
ですね。野球の場合は3アウトになるまではずっと攻撃できます。
で、アメフトのアウトはこれ。
①ボール持ってる人がタックルされた時。
②パスが失敗した時。
③ボール持った人が外に出た時。
この3つです。アメフトの場合は「アウト」でなく「ダウン」といいます。4回ダウンがありますから、それぞれ1stダウン、2ndダウンと呼びます。
いつ「チェンジ」が発生するのか?
①4回の攻撃権を使っても10yds進めなかった時
②ボールをこぼして敵D#が拾った時
③投げたボールを敵D#がキャッチした時
④タッチダウンした時
の4つです。野球のチェンジはアメフトで「ターンオーバー」といいます。①は先程説明した通りです。②③ですが、これが起こると、攻撃権が残り3回残っていても、一発チェンジです。④はいい形ですね。これを目指してO#は頑張ります。
こういうことですね。O#の4回の攻撃権の中でD#チームは10yds進ませまいとタックルをしてくる。O#はそれを防ぐ壁を作ったり、走ると見せかけてパスをしたりと、いろいろ工夫してくる。D#はそれにまた反応していく。ということです。
パスはボールが奪われてしまえば、一発でターンオーバーになります。しかし、空中戦ですからゴールラインに大きく近づけます。ハイリスク、ハイリターンな作戦ということですね。O#はランとパスとをうまく混ぜながら、攻撃のコンビネーションを繰り出すわけです。まるでボクサーのように。
これでおよそアメフトのルールはわかると思いますが、もう少し詳しく、詳細な違いを紹介します。
ラグビーとアメフトの違い【詳細編】
ラグビー | アメフト | |
人数 | 15人 | 11人 |
時間 | 40分*2 | 15分*4 |
点数 | トライ5点 | タッチダウン6点 |
トライ後キック | 2点 | 1点 |
その他キック | 3点 | 3点 |
監督 | 不在 | 全て指図する |
防具 | なしor軽め | 頑丈 |
パス | 後ろOK | 前1回のみ |
タックル | ブロックなし | ブロックあり |
という感じです。人数・時間の違いも大きいですね。点数についてはよく似てます。アメフトもラグビーと同じで後ろパスは何回しても良いです。
実際にNFLでバックパスをつないでタッチダウンし大逆転したプレイがあります。マイアミ・ドルフィンズとNEペイトリオッツの試合です。2018年シーズンでのプレイで、「マイアミの奇跡(マイアミ・ミラクル)」と呼ばれています。一見の価値あり。ご覧ください。
しかし、攻撃権を奪われる危険をしてまで、後ろパスを繰り返すことは基本しません。あとボールについてはラグビーの方が先端が丸く全体的に少し大きくなります。
ラグビーは監督不在、アメフトは監督がプレイメーカー
ですが、僕が思う最も面白い違いは、ラグビーはゲーム中監督不在で行うということです。テニスもそうですが、イギリス発祥の競技は「当事者以外がゲームに介在してはならない」という原則があります。ゴルフはキャディがいますが、キャディ以外の誰もアドバイスしてはいけません。ですから、ラグビーはどのようにゲームを運ぶか、全てフィールドにいる選手が決定します。
しかし、アメリカ生まれのフットボールは違います。コーチがプレイを選択します。ヘッドコーチの決断を選手に無線で伝え、ゲームをスタートする。まさに戦で言う総大将の役割がアメフトのHCです。刀や槍を振るうことはせず、全体を俯瞰し作戦を決定するんですね。
そして選手は、「コーチの命令を絶対に守る」という鉄の掟に従います。自分では納得いかなくとも組織の決定に従い、自分に課された担当に100%の努力をする。この辺りがアメフトが「戦争ゲーム」と言われてる所以です。
まとめ
以上、なかなか冗長になりましたが、「アメフトとラグビーの違い」についてまとめてみました。ゲームが止まるアメフトか、止まらないラグビーか。選手以外も組織だって動くアメフトか、選手だけで動くラグビーか。そういう違いがあるわけです。どちらも素晴らしいスポーツですが、ラグビーは「ジャイアント・キリング」が最も起こらないスポーツとも言われ、ボロ負け、ボロ勝ちという展開がままあります。片やレベニューシェアという仕組みを徹底して守ってるNFLではチーム間でレベル差が少なくなっておりゲーム自体が面白いです。そういう意味ではアメフト、特にNFLは大変エキサイティングなスポーツだと僕は自信をもって思います。
どうかNFLが日本でもっと浸透しますように。最後まで読んでくれてありがとうございました。