圧倒的馬力を誇るDT。頭一つ飛び抜けている選手として有名で、QBが最も気をつけなければいけない相手です。5年連続でトップ100リストに登場、7年連続オールプロ受賞、プロボウル全シーズン選出、最優秀D#選手賞を5回受賞、またスーパーボウルリング獲得と、頭に乗せる王冠はすべて手にしてきた選手。
2021年には84タックル、19ロスタックル、12.5サック、64QBプレッシャー、4つのファンブルフォースと、素晴らしい成績をあげてます。しかもコレ、ダブルチームついてですからね。圧倒的だというのがよくわかります。
大学時代
ペンシルベニア州のピッツバーグ出身。1991年3月生まれの31歳。いわゆる労働者階級に生まれて、幼いころは怠け者で、「その怠け根性叩き直せ!」と無理やりにスポーツクラブに通わせられたのが、怪物誕生の第一話。
地元のPenn Hills高校に進学し、ロン・グラハムHC(Ron Graham)の元でフットボールをスタート。当時はDEとOGとして活躍して、スカウトからは三ツ星評価。全米で37番目に優秀なDTとして評価され、アクロン大学、トレド大学、ラトガース大学などから奨学金のオファーを受けました。
しかし、彼が選んだのは奨学金よりも、地元ピッツバーグにいることでした。彼はピッツバーグ大学(こちらも当然名門クラブです)を選び進学。
1年生のころから13試合全てに試合に出場し、2年になるころには完全にスターターとして活躍。3年生になるころには、NCAAの中で最も強烈な選手として名を馳せることになりました。当然、全会一致でオール・アメリカンに選出。あとはドラフトを残すのみ。
NFLコンバインでは、DTとして最速の4.68秒を記録。この記録はタンク・ジョンソン / 2004年(Tank Johnson)から破られていませんでしたが、ドナルドはこれも破壊したようです。
プロでのキャリア
怪物ドナルドは2014年ドラフトで、1巡13位でラムズから指名されます。当時のドラフトでドナルドよりも上位に選出されたD#選手は、ジャドベオン・クローニーや、カリル・マック、アンソニー・バーなど。下位には、CJモズリーや、ライアン・シェイジア(脊椎損傷により引退)など。
https://www.youtube.com/watch?v=TTymQEuD--w
ドラフト時の詳しい様子はyoutubeからジャンプして御覧ください。
しかしラムズが一人目に指名したのは、ドナルドではなく、オーバーン大学のOTグレッグ・ロビンソン(全体2位)でした。こちらレッドスキンズから指名権をトレードして獲得した選手。彼はチームには3年しか居られず、2019年にはプロから弾かれ引退しています。なんとも不思議なものです。
初年度からドナルドは導火線に火を付けます。ルーキーながら47回のタックル、9回のサックをあげ、プロボウルに選出。NFLの最優秀D#選手に選ばれます。
2年目には16試合全てに先発出場。昨年を上回る11回のサックを上げて、オールプロの1stに選出されます。またトップ100で14位に選ばれてます。スゴイことです。
3年目もトップ100で15位に。3年連続プロボウル、2年連続のオールプロに選ばれるも、審判に対する過剰な要求が原因で、アンスポーツマンライクファウルを取られ罰金の沙汰をもらうなど、反省が必要な年でした。
Aaron Donald ejected, goes Nuts in embarrassing Rams loss to 49ers - YouTube
2016年の2週目ですね。49ersに完封状態だったゲームです。
4年目は、契約延長のことでチームと揉めました。そのため、トレーニングキャンプにも参加せず、プレシーズンも出場していません。しかしラムズはドナルドの実力を十分に評価していますので、なんとか保持するべきと考えてます。5年契約オプションを締結し、契約延長は翌年に持ち込みます。そして2017年シーズンもトップ100で7位にランクインします
さて5年目、2018年8月31日。ドナルドは6年契約を締結。中身は$135MM≒151億(当時レート112円)で、年俸換算すると25億円ほどです。
後にカリル・マックがベアーズと結ぶ契約に次ぐ契約額でした。当時のD#最高額は、カリル・マックの$141MM / 6年です。
契約以上の働きをドナルドはしてくれます。このシーズンは、自身初のスーパーボウルチャレンジ。NFCチャンピオンシップでも勝利し、スーパーボウルではペイトリオッツと対戦。しかし、トム・ブレイディに完敗します。ドナルドはOLに封じ込められました。
しかし、2021年。新QBを擁したラムズはドナルドとともに2度目のスーパーボウルに挑みます。対するは新人QBジョー・バロウのベンガルズ。下馬評通りにラムズは勝利するわけですが、その中身はやはりドナルドの活躍が素晴らしかった。
サックは2本、QBヒットは3本、タックルは4本、ロスタックル2本、と驚異的な成績でした。やはりボン・ミラーの存在も大きく、ベンガルズOLは二人の怪物に戦力を分散させられてしまったようですね。それにしてもドナルドは驚異的でした。
スーパーボウル勝利の後のパレードの姿です。最高の達成感に包まれたなんとも素晴らしい笑顔です。この達成感のまま、怪物ドナルドは引退する。そういう話がありました。
しかし2022年の6月7日、3年間の延長契約を締結。内容は$135MMで過去の平均年俸を上回り、NFLの最高額となり、QB以外で平均年俸$45MMを超えた最初の選手となりました。
それにしても彼を現役に踏みとどまらせたのは、一体なんだったのでしょうか。
私生活
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アーロン・ドナルドの奥様、エリカさま。Erica Donaldさんはルイジアナ州立大学卒業の美女。ドナルドは最初のデートから、なんと4ヶ月で彼女にプロポーズをしたそうです。もうメロメロだったのでしょう。
アーロン・ドナルドには以前の恋人ジェイリン・ブレイキー(Jaelynn Blakey)との間に、二人の子供がいます。長女のJaeda さんと、長男のJrです。彼女は地元ピッツバーグ時代の恋人のようです。しかし彼らは結婚には至りませんでした。
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エリカは二人の継母。ドナルドとの間にはAaric君という男の子が2021年9月に誕生しています。全恋人と比較してはなんですが、都会的でゴージャスな女性です。