45歳のNFL最年長プレイヤーのブレイディ、2011年のトップ100リストのスタート期から、4度目のトップ1の座を取り戻しました。(前回2021年は7位でしたね。)2020年のとき14位でしたが、実はそれよりも下位ランクを取ったことはないという。ちょっと人外の成績です。
23年目のシーズンを迎えるブレイディ。昨年2021年は43回のタッチダウンとわずか6回のインターセプト。2020年シーズンでは、バッカニアーズを移籍1年目でスーパーボウル優勝に牽引し、自身は7つ目のリングを獲得するという大偉業を成し遂げたお方ですね。さて23年目のGOATはどんな仕事をしてくれるでしょうね。
大学時代
カリフォルニア州サンマテオで生まれ、幼いころから49ersを見て育ち、特にQBジョー・モンタナには強烈な憧れを抱いていたようです。
地元サンマテオにある、Junipero Serra 高校に進学し、本格的にフットボールを始めます。当時は野球もやっていて、1995年にはMLBから下位ですが指名を受けるほどでした。
しかし彼の脳裏にはモンタナが。1996年にミシガン大学に進学。彼は7番手のQBで全然試合に出れない日々でした。
彼がスターターになったのは3年と4年のときでした。しかしこの期間中に一度スターターから外されるなどしており、特別すごい選手だという印象はなかったです。
アスリートらしからぬ貧相な肉体。走っても遅く、強肩でもない。機動力と体格に劣り、全くプロレベルじゃないブレイディに、NFLのプロチームは誰も見向きしませんでした。
ミシガン大学に電話したのは唯一ペイトリオッツだけでした。当時のHCロイド・カーは「ブレイディを獲って、絶対に後悔はしないよ」と伝えていたそうです。カーHCの先見の明は素晴らしかったですね。
プロでのキャリア
彼については、あまりにも語ることが多すぎますので、過去記事も合わせて参考にしてもらえると文字入力の手間が省けて助かります。
2000年ドラフトでペイトリオッツから6巡199位で指名を受けます。当時から全く注目されなかった選手です。6巡目のQBなんか、とりあえずの選手、という扱いです。
当時はドリュー・ブレッドソーがQBを担当してて、ブレイディは4番目の選手でした。当時のQBコーチは「彼はすべてにおいて鈍い、反応が遅い」と✗マークだらけだったそうです。
2001年もブレッドソーの時代でした。チームは彼と大型延長契約を締結。ブレイディは3番手のバックアップに成長してました。この成長ぶりをQBコーチは高く評価していたそうです。そして2番手のバックアップQBが心臓麻痺で急死。ブレイディはスライドアップします。
そしてWeek2、スターQBのブレッドソーがハードタックルで胸部出血の重症。ブレイディは2年目でチームのQBを担当することになります。周囲の反応は「199位のやつに仕事なんかできっこねえわ」というもので、誰も彼に期待してませんでした。チャージャーズとの接戦を見事勝利し、QBとして活躍できること証明しました。
周囲のヤジを乗り越え、ブレイディはチームを11勝5敗で地区優勝を果たします。そしてCCでプレイオフではスティーラーズと対戦。今度はブレイディが怪我をし、ブレッドソーはバックアップに。そのゲームに勝利し「199位のなんとか君」はスーパーボウルに登場。
まさかまさか、史上最年少でのスーパーボウル優勝という大きな偉業を成し遂げます。これはNFL史上に残る番狂わせだったそうで、博打で大損食らった人がたくさんいたそうです。だからブレイディは今でも嫌われてるんでしょう。
そこからは、ブレイディがペイトリオッツ王朝を築き上げていきます。2003年、2004、2014、2016、2018の合計6つのリングをボストンに届けています。
2019年はさすがに陰りが見えて引退だと思われました。しかし彼は不屈の心と諦めの悪さと、聞き分けのなさで、2020年シーズンを前に、ペイトリオッツからタンパベイ・バッカニアーズに移籍します。
そして、NFL史上初の開催地がスーパーボウル出場、優勝という大ドラマを作りました。結果彼はNE時代から合計7つのスーパーボウルリングを獲得しました。
そんな彼のことを畏敬の念を込めて「GOAT」(Greatest of all time / 史上最高)と呼ばれます。とはいえ、時代も違うしポジションも違うので、一概に比較はできません。ただブレイディほど全身全霊をかけて努力する人はいない。周囲のアスリートほど、そういうそうです。
私生活
彼は最初の交際相手は、女優のブリジット・モイナハンです。彼女との間に男子が一人います。2004~2006年の3年間交際がありました。
その後、ビクトリア・シークレットのブラジル人モデル、ジゼル・ブンチェンと交際をスタートします。彼女との間には二人の子供を授かっています。
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彼がジョン・ジャック・モイナハン。ブレイディの長男ですね。彼が誕生した年に、ブレイディはジゼルと婚約しています。
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ジゼルとの間に生まれた二人目の息子はベンジャミン。愛称ベニーで知られるイケメン君です。長男のジャックとは正反対で、スポーツに全く興味がないそうです。
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3人目の子供となる娘さんは、ヴィヴィアンちゃん。母親のジゼルにそっくりらしく、二十歳のころのジゼルが馬に乗って表紙になったのと、同じポーズで、彼女はVOGUEの表紙を飾ったそうです。きっと未来はモデルさんでしょう。
ブンチェンとブレイディは世界は違えど大スターの超セレブ。嫁さんは45歳になる旦那に、そろそろアメフトやめて、家族と過ごしてほしいと心から訴えていました。
ブレイディは、靴下を右から履くか、左から履くか、どちらがスーパーボウルに近いかで判断する人間です。それくらいNFLに人生をかけている男です。なので彼の人生は9月〜2月は全く私生活がないのです。
いわゆる普通のアメリカ人が経験する感謝祭、家族や友人の結婚式、お葬式、学校入学祝いのケーキ、クリスマスでの時間など。すべてが無い。全部アメフトです。
それでも嫁さんは辛抱してました。夫は偉大な男だからです。しかし今年の契約延長をなんの相談もなく決めたことで、堪忍袋の緒が切れました。
ついに二人は破局することが報道されました。まだ正式に離婚というわけではないのですが、間違いなく、慰謝料請求は史上類を見ない多額のものになるでしょう。
NFLという華の舞台で大輪を咲かせる代わりに、皆が羨む美女と離縁し、一般的な幸せな日々を味わうことの少なかった彼の半生。さて彼の45歳以降はどのようなものでしょうか。非常に興味深いドラマですね。