2020年度のウォルター・ペイトン賞にノミネートされた選手たちが発表されましたね。現在は32名がノミネートされてます。スーパーボウルが開催される2021年2月7日に、今年の受賞者が発表されます。
さて今回のブログでは、この賞の候補者についてご紹介いたします。
NFLが日本でもっと浸透しますように。
マン・オブ・ザ・イヤーとは?
フィールドの外で傑出したコミュニティサービス、つまり慈善活動などにおいて、卓越した功績を残された人のことをいいます。
アメリカでは余裕のあるものは、ボランティア活動などの慈善活動に熱心です。ビジネスで成功した人物、例えばビル・ゲイツなども財団を築いたり教育分野や研究分野に多額の寄付をしています。
NFLの選手においても同様です。影響力の強い人物の一挙手、一投足により、アメリカ全体に素晴らしい変化が起こることを、彼らは知っています。よく言うバタフライ・エフェクトです。NFLにより人生が変わった彼らは、地域の活動にも熱心なのです。
その功績が顕著なものを、1年間で1人選び報奨されます。選ばれた選手たちはジャージに特別なバッジをつけることが許されます。
ウォルター・ペイトンとは誰か?
賞の名前になってる「ウォルター・ペイトン」さんは、ベアーズのRBだった人です。彼の選手としてのキャリアについては、過去記事「NFL名選手たち ウォルター・ペイトン」をご参照ください。
彼は病気のため40代でお亡くなりになってます。プレイヤーとしても素晴らしかったですが、熱心な慈善活動でも有名でした。フィールドでも、またフィールドの外でも活躍する彼に、スポーツ会だけでなく各方面から尊敬が集まりました。彼の生前の功績を讃えて、このアワードに名前がつけられるようになってます。
今年ノミネートされてる人物を抜粋して紹介
チーフスのTEトラビス・ケルシーです。写真中央奥に立っている黒いニット帽の男がケルシーですね。
彼は地域(カンザスシティ)の子供たち向けに活動をしています。5歳までに家庭内暴力などを受けた少年少女たちが多く、トラウマを抱えたままでいます。その原因となったのがやはり貧困が起因するそうです。地域の子供達がまっすぐ素直な青年に成長するため、ケルシーは財団を立ち上げ、数々の活動を続けてきました。
チャージャーズのDEアイザック・ロッシェル。彼もまたマン・オブ・ザ・イヤーの有力候補として名前があがっています。コロナ・ウイルスで資金的に苦しんでいるところに、寄付金を募ったり。または食事を届けたりなど。また彼が作った服「ローカル・ヒューマン(Local Human)」を購入すると、その利益が地元の里親センターの寄付に回るなど、地域のセーフティネットシステムに貢献してます。
デンバー・ブロンコスのセーフティ。ジャスティン・シモンズ。彼はBLM運動よりも以前から、コロラド、また出身地であるフロリダにて、人種差別を演題に立ち続けてきました。また、BLM運動のさなかにあっては、チームと地域の先頭にたち、加熱する群衆をまとめあげ、理性的なパレードを実施しました。
また2020年6月には青少年育成、飢餓救済、教育、その他の慈善活動をターゲットとしたジャスティンシモンズ財団の設立を発表。この財団を通じて、彼は若者の健全な指導、ユーススポーツのメリットの促進、ユース教育のサポートに取り組んでいます。
ブラウンズのDEマイルズ・ギャレット。彼もノミネートされています。彼が実施したのは、アフリカに水を届ける「ウォーターボーイズプログラム」です。東アフリカできれいな水がなく、死んでいく人たちがいる。生活に困窮している現状を何とか打破しようと、彼は活動しました。
セインツのLBデマリオ・デイビス。彼は、「デボウテッド・ドリーマーズ・ファウンデーション」という財団を運営し、少年少女たちが次代のリーダーへと成長し、成功するために活動をしています。またBLM運動においては、アトランタ、ワシントンDC、バッファロー、ミネアポリス、ロサンゼルスと、アメリカ全土をぐるりと回り、国民が社会正義についてどう感じているか、リスニングツアーを実施しました。
他にもこれだけの人物がノミネートされてます。
合計で32人います。各自がどんな活動をされてるかは、NFL公式サイト「Man of the Year」にて詳しくご紹介されてます。よかったらどうぞ。
おまけ過去受賞した現役選手を紹介
ドリュー・ブリーズ。2006年度の受賞です。ラダニアン・トムリンソンと同時受賞でした。サンディエゴ・チャージャーズ時代に、慈善財団をたちあげ、セインツに移籍してからは、ハリケーン・カトリーナの復興支援事業を活発化させました。
現在レイダースのTEジェイソン・ウィッテンは2012年に受賞されてます。かつてトニー・ロモたちと強いダラス・カウボーイズの象徴でした。
トーマス・デイビスは2014年に受賞されてますね。現在37歳。カロライナ・パンサーズのLBとして、リーグにその名を轟かせました。現在はワシントン・フットボールチームで最後の1年を過ごし、2020年で引退を宣言されました。
ラリー・フィッツジェラルド。イーライ・マニングと共に2016年に受賞。紳士的な振る舞いに加え、妻を愛する理想的な夫、父、地域活動にも献身的で、まさに全アメリカ人の模範となる人です。
J.J.ワットは、2017年に受賞。ヒューストンを襲ったハリケーンの被害。彼はまちの復興のために寄付を集める基金をつくり、全米に呼びかけました。ワットの訴求力は各方面に届き、地域を元気づける何よりの力になったそうです。
DEカレー・キャンベルは2019年の受賞者。こうみえて、まだ34歳。NFL選手としてはかなりのベテランだけど、社会的にはまだ若いよね。
まとめ
こうしてフィールド外活動にも、国民の目を向けてあげるというのが、NFLのすばらしいところですね。スポーツ選手の一面だけでなく、人間的な一面にもフォーカスすると、国全体的に支え合い、励まし合う良い雰囲気がつくれます。
NFL選手は国民の模範とならなきゃいけない。コミッショナーがいつも言う厳しい言葉ですが、その言葉の裏には、ノブレス・オブリージュの精神が込められていますね。その理想を日常に取り入れ実行されてるアメリカは、素晴らしいと思います。