さぁ、いよいよポストシーズンのラストゲーム。パッカーズvs49ersの決戦が先日の日曜日に開催されました。AFCのチャンピオンシップが先に開催され、NFCはそのすぐ次に開催されました。
これはもうなんというか、ある意味素晴らしいゲームだったのですが・・・・。
少し振り返ってみたいと思います。
日本でもっとNFLが浸透しますように。
パッカーズの特徴
パッカーズといえば、魔術師のようなパスを投げるQBアーロン・ロジャーズ。彼が攻撃の屋台骨になっています。去年はその光も今ひとつでしたが、今年は見事にパスが成功してきてます。彼のすごいところは、ここぞというところでしっかり成功させる勝負強さです。獲得ydsでいうところのチームのO#ランキングはリーグ18位と本当に真ん中なんですがね。ちなみにD#ランキングも18位です。
そしてD#チームは苛烈です。パッカーズはあまりトレードでチームをつくる傾向にないのですが、今回は違います。二人のエッジラッシャー、ザデリアス・スミス(#55)とプレストン・スミス(#91)がD#の要としてトレードされました。彼ら二人の活躍ぶりは大変なものでゲームを動かしています。パスラッシャーとしても優秀ですが、ランストッパーとしても大きく活躍してくれてます。
49ersはどうか?
さて、対する49ersはガロポロQBを軸としてO#が活躍しています。49ersは今年13勝3敗でレギュラーシーズンを終えてきた。そこにTEジョージ・キトルの活躍があり、RBテヴィン・コールマン、RBラヒーム・モスタートの活躍があり、WRディーボ・サミュエルの活躍ありと、全員が素晴らしい。
しかしそれにもまして、素晴らしいのは、インテリアライン5名です。彼らの仕事ぶりはリーグでも随一ではないかと思います。よく走る、よく動く。複雑なランプレイをしっかりと理解し練度が高い。49ersのO#ランキングは全体で4位ですが、ランプレイだけを切り取りば獲得yds数でリーグ2位。これはつまりオフェンスラインの力がすごいんだと思います。
そして注目するのは、D#チーム。49ersのD#はランキング2位。しかもパッシングD#ではリーグ1位です。パス攻撃を得意とするパッカーズにとっては非常に厄介な相手だと言えます。パスラッシャーの力強い存在があり、プレッシャーが実に強い。そのためQBは100%の能力を発揮できない。それに加えてセカンダリーが充実している。CBリチャード・シャーマンは業界屈指の実力者で、身体能力の高さ以上に勘の鋭さがありフィールドの半分を牛耳ってます。パッカーズとしては最大の敵と言えます。
さてそれではゲームを振り返ります。
結果は20-37で49ersの完全勝利!!!!
このゲームはパッカーズファンは見ていて辛いものだったと思います。というのも、ロジャーズの持ち味を完全に殺し、前半を0-27で終わらせたからです。49ersが優勢だとは思っていましたが、ここまでのワンサイドゲームを、しかもチャンピオンシップで見せられるとは思ってもいませんでした。
【前半のスコアリングドライブ】
【1Q】
タッチダウン/36ydsラン(0-7)
フィールドゴール/54yds(0-10)
【2Q】
タッチダウン/9ydsラン(0-17)
フィールドゴール/27yds(0-20)
タッチダウン/18yds(0-27)
なんと、3つのタッチダウンは全てRBラヒーム・モースタートのものでした。というよりも、49ersはこのゲームでパスプレイをほとんどしていません。なんとあのパス型QBガロポロが投げたのは、たったの8回だったのです。皆が恐れていたTEジョージ・キトルがパスターゲットになったのは、何と1回のみ!思い切った戦略でした。
49ersは徹底してランプレイを貫きました。これも素晴らしいオフェンスラインの成果です。まるで5人が一つの生命体かのように複雑に動き、彼ら五人は見事にパッカーズDLを圧倒しました。
前半3本、後半1本、タッチダウンをあげたRBラヒーム・モスタートは、なんとドラフト外選手・過去にチームを6回も渡り歩いた苦労人。彼のような選手がこの大舞台でヒーローになるなんて!本当これこそアメリカン・ドリームです。
もし来週も試合があれば、こんなにランプレイ連続はできなかったと思います。スーパーボウルまでは2週間猶予があります。だからオフェンスラインを使いまくる作戦が立てられたのだと思います。
対するパッカーズは苦しみました
やはり苦しんだのはパッカーズ。このチームはアーロン・ロジャーズの攻撃力を封じ込めば戦力がガタンと落ちます。RBアーロン・ジョーンズも1流ですし、WRデバンテ・アダムスも超1流です。しかし、全てに影響を与えているのは、やっぱりアーロン・ロジャーズなんですね。
49ersのDLはしっかりとロジャーズにプレッシャーをかけ続けていました。実際に、ロジャーズは3回サックされ2回インターセプト。これはサンフランシスコ・49ersのD#チームが強烈だった証拠です。(パッカーズOLが49ersに負け続けたとも言えますが)。対するガロポロはサックは1回のみでした。
いかなスーパーQB、アーロン・ロジャーズといえども、厳しい展開だったと思います。それにセンターのファンブルからのターンオーバーがあったりしました。やっぱりスクリメージラインを制するものは、ゲームを制するということですね。49ersのディフェンスはリーグ随一なことが改めて証明されました。
【パッカーズと49ersを比較】
パッカーズ | 49ers | |
1st ダウン | 21 | 19 |
ラン回数 | 16 | 42 |
獲得yds | 62yds | 285yds |
TD | 1 | 4 |
パス回数 | 39 | 8 |
獲得yds | 326yds | 77yds |
サック | 3 | 1 |
ファンブル | 3 | 0 |
ターンオーバー | 3 | 0 |
プレイタイム | 31分13秒 | 28分47秒 |
これを見ると分かりますが、パッカーズは完全にランプレイを封じ込められたといえます。62ydsしか進められなかった。パスプレイでなんとか後半盛り返した形ですが、ゲームコントローラーはすでに49ersに渡っていました。見事な試合ぶりだったと言えますね。
まとめ
さぁ、49ersが本当に強いということが立証され、いよいよ大舞台のスーパーボウルです!ガロポロからすると、控えQBとして何度も出場してはいるものの、自分がボールを投げるのは初めて。大変に感慨深いと思います。
対戦するのはハイパーオフェンスのチーフス!リーグ最強の爆発力をもつと言って過言でないでしょう。彼らのスプレッドO#にCBシャーマンがどれだけ食らいつけるか。いやいや、一人ひとりが最後まで走りきれるか。それが勝負ですね。
49ersのパスラッシャーも優秀ですが、マホームズのムーブは驚異です。彼を捉えるのは流石に骨が折れると思います。ヤマをはって当たればいいですが、外れるとビッグロストになります。どんな駆け引きがされるのか、今からが楽しみです。