だいたいアメフトの放送時間って3時間くらい。スーパーボウルとかになると、前段部分と後半部分と、そしてハーフタイムショーなどでかなり時間がありますので、全部で4時間くらいになりますが、これはちょっと特別。
普通のゲームだと3時間くらいかなと思います。
さて、その3時間のうち、実際にインプレー、つまり実際に選手が動いている時間はどれくらいのなのか。
1試合あたりのプレイ数調査
RUN | PASS | PUNT | FG | 合計 | |
年間プレイ数 | 14,119 | 16,526 | 2,307 | 1,000 | 33,952 |
1試合あたり | 55.15 | 64.55 | 9.01 | 3.91 | 132.63 |
Record and Fact Bookの資料をもとに調べると、1試合あたりのプレイ数はおよそ130〜140。ランプレイよりも、パスプレイのほうが比率が上。45:55という割合でしょうかね。
1試合あたりのプレイ時間はなんと、わずか13分!
これは名著「NFLの(非)常識」を書かれた後藤完夫さんの本の中で書かれていた数字です。4Q☓15分=60分のプレイタイムのうち、実際に選手がパフォーマンスしている時間は、わずか13分だそうです。
え!それだけ!?
ってびっくりしましたが、逆をいうと、たった13分の時間に140近くものプレイが積み込まれている。体を鍛えに鍛えた男たちが、ギリギリまで力を引っ張り、瞬間にエネルギーを大爆発させる!それが140回も繰り返される!そう思えば、なんともエキサイティングです。
それに140のプレイを決定づけるのは、作戦参謀(軍師)とも言えるHC。だからプレイしてない47分間こそが勝負を左右する大事な時間だとも言えます。
だからこそ、MLBに比べてNFLはHCをカメラで抜く時間や回数が非常に多いそうです。そこにこそ、ゲームの緊張感があるわけですね。
では、放送時間3時間のうち、残りの2時間47分は何をしているのでしょうか。
放送時間の割合
放送時間 | 3h(180分) |
プレイ時間 | 13分 |
リプレイ時間 | 20分 |
立ってる時間 | 80分 |
その他時間 | 30分 |
CM時間 | 35分 |
と、ちょっと間違ってたらごめんなさい。グラフとはかなり違います。こういう割合になるそうです。CMは1試合あたり70広告が平均だそうで、アメリカのCMは30秒が基本。ですのでCM時間は35分間ということになります。
こうなると、CMの時間が多いな!という印象です。特にキックオフ前に2分CM,キックオフ後に2分CMという感じになると、5分の中でキックオフのプレイ観てるの1分だけという本末転倒な状況。
そこでNFLはCM時間を減らそう作戦に出たそうです。しかしCM収入はリーグとしても喉から手が出る大事な収入源。なかなかこの部分の改革は茨の道です。
スマホ時代の価値観に合わせたゲームメイクが期待されてる
平成・令和の時代になるとスマホが普通のデバイス。テレビでCMを挟みながらスポーツ観戦をするというスタイルはもう古いのかも知れない。
それに若い世代は、短い動画に慣れてしまっていて30分とか長い作品をみる我慢強さに弱いようにも思います。映画「君の名は」ではYou Tubeになれた世代にも緊張感と集中力をもって観てもらえるように、放映時間を1時間30分にまとめていると聞きました。
そういうカルチャーの変化から考えても、アメリカン・フットボールの構造は大きく課題を抱えていると言わざるを得ない。事実、アメリカでも若い世代はアメフトよりもサッカーのほうが人気が高いと言われてます。
ひょっとするとアメリカン・フットボールは、新しい進化をしないといけない転換期にあるのかも知れないですね。