ハリケーン「ドリアン」がフロリダ沖東部に吹き荒れています。2019年シーズンのスーパーボウルはマイアミ・ドルフィンズの本拠地、ハードロック・スタジアムで開催されます。どうか、大きな被害の無いように祈りたいですね。
さて、ドリアンの恐怖に負けないくらい、ドルフィンズのHCブライアン・フローレスが巻き起こす改革の嵐は強いようです。
周囲の反応を見ると
「見え見えのタンク狙い!」
「今年は捨てたのか!」
と辛辣なメッセージもあちこちからぶつけられてます。
しかし、当のフローレスは
「いや、勝負は捨てていない」
と真剣な眼差しをしています。
さて、ドルフィンズの改革がどれほど大きいものか。振り返ってみましょう。
ドルフィンズがリリースした人材一覧
#Dolphins 2019 calendar. Only 4 survivors. Parker, Drake, Jones and Harris. Gone: Wake, Phillips, Tankersley, Branch, McDonald, Alonso, Tannehill, Stills pic.twitter.com/dYN0qYkN87
— Chris Sciria (@csciria) September 2, 2019
こちらアメリカ人のクリスさんがツイートした内容です。ドルフィンズの2019年度カレンダーに掲載があった主要選手のうち、なんと8人がロースターからアウトしてます。
「残ったのは4人だけかよ!」と彼も驚いています。
ポスターにある、NTジョーダン・フィリップスは2018年の10月に解雇、CBタンカーセリーは11月に怪我の為IRリスト入りしています。
1人目QBライアン・タネヒル(2019, Mar)
フローレスが最初に仕掛けたのが、フランチャイズQBタネヒルのリリースでした。彼は2012年ドラフトの全体8位で指名され、以来ずっとイルカマンでした。
しかし、デビュー以来5年間、勝ち越したシーズンは一度もなく、2017年シーズンには故障して1年間休場しています。2018年も投げましたが、フルゲーム出場が叶わず、キャリアを振り返っても、いいところがあまりなかったQBです。
彼に三行半を突きつけた事に、賛辞を寄せた地元ファンもいたのでないでしょうか。
2人目 DEキャメロン・ウェイク(2019, Mar)
ドラフト外から大出世したDEです。ドルフィンズとの契約は2009年から10年間続いており、ある意味ではチームの顔として存在感の高かった選手。超ベテランなのに昨年も6サックをあげてて、すごい人でした。
しかし、フローレスからすると、契約額高いことと、ベテランすぎてチーム改革のブレーキになることが懸念されたんでしょう。3月に解雇されました。
3人目 OLBアンドレ・ブランチ(2019, Mar)
2012ドラフト2巡38位の選手。ドルフィンズでは3年間在籍でリリースされました。年間平均5サックほど上げてくれる結構大事な選手だったはずですがね。
4人目 S Tjマクドナルド(2019,Aug 25)
2013ドラフト3巡指名の選手。アンドレ・ブランチと同じく、2016年からマイアミにきて、3年間だけ在籍してリリースされました。ドルフィンズでは昨年86タックルしてて、いい仕事もしてた人でしたね。
5人目 WRケニー・スティルズ(2019,Aug 31)
2019年シーズン開幕直前トレード。前回の記事にも書きましたが、O#の重要選手でした。契約金額も最も高額の$34mで、パスのメインターゲット。LTタンシルとセットでテキサンズに譲る代わりに1巡指名権を獲得しました。
6人目 LTラレミー・タンシル(2019,Aug 31)
2016年ドラフトで1巡で獲得した選手。不動のLTだったはずが、トレード材料になるとは思いもよらず。スティルズとセットでテキサンズに贈られました。
7人目 LBキコ・アロンソ(2019,Sep 1)
こちらは9月1日にトレード。彼はキャリアの割にチームを転々としてきたジャーニーマンです。しかし、ようやくドルフィンズで腰を据えられた感があったのに、やっぱりセインツにトレード。代わりにセインツからは若手LBを物々交換(この場合は、人人交換か?)。
8人目 LSジョン・デニー(2019,Sep 2)
2019年の9月2日に解雇されました。デニーは現在のドルフィンズの最古参。なんと2005年からずっと契約してきたので、14年間在籍してきた事になります。プロボウルにも2回選出されており、チームにも長らく貢献してきた人材の放出は、やっぱり地元で話題に。
9人目 DTヴィンセント・テイラー(2019,Sep 3)
2018年の10月に怪我のためIRリスト入りしていた選手。現在はセインツに移籍が決定したようです。(自身のツイッターによると)。この人はあまり重要な選手ではなかったようですんで、まぁいいかって感じ。
ドルフィンズが獲得したもの
さて、これだけの人材放出を行いました。その他もろもろの行動の対価としてドルフィンズは以下の資産を獲得しています
– 2020 1st-round pick (MIA)
– 2020 1st-round pick (HOU)
– 2020 2nd-round pick (MIA)
– 2020 2nd-round pick (NO)
– 2020 3rd-round pick (MIA)
– 2020 3rd-round pick (Comp – Ja’Wuan James)
– 2020 4th-round pick (MIA or TEN)
– 2020 5th-round pick (MIA)
– 2020 5th-round pick (Comp – Cam Wake)
– 2020 6th-round pick (MIA)
– 2020 6th-round pick (DAL)
– 2020 7th-round pick (MIA)
– 2020 7th-round pick (KC)
(これに加えてテキサンズからは2021年の2巡指名権ももらってます。)
ってことで、ドルフィンズは来年のドラフトで強烈にチーム改革が期待できます。まぁあくまでもカレッジからの人材で、という限定になりますがね。
マイアミが狙う人材①QB狙い
ドルフィンズが欲しい人材に、プライオリティをつけるなら、QB→WR→OT→DEって感じでしょう。タネヒルをフランチャイズに据えてからイイことがあまりなかった。ここらでしっかりと期待の新人を迎えたい。
そうなると、全体1位が大きく予想されるのがアラバマ大学のQBタゴバイロアです。
しかし、1位指名権を取るには、レギューラーシーズンで最下位になる必要があります。周囲からはソレを狙ってるのでは?と首脳陣の下策を揶揄されてます。
マイアミが狙う人材②WR狙い
プライオリティの2位に予想するのが、同じくアラバマ大学のWRジェリー・ジューディ。QBタゴバイロアのメインターゲットです。しかし、QBを狙わずにWRを取りに行くって事は、QBはいらないって事です。
つまり、ドルフィンズが「俺たちのQBはジョシュ・ラーセンでいく。」と覚悟したときでしょう。彼の昨年の仕事ぶりを見ていると、正直その選択可能性は低いようにも思います。
まとめ
さて、ドルフィンズのこれからがどうなるのでしょうか。レギュラーシーズンの開幕戦はこの男。ライアン・フィッツパトリックが投げるようです。今年は呪いをかける相手もいませんが、また僕たちを驚かせてくれるのでしょうか。
開幕まであと4日!実に楽しみです!