「疑惑のシンプソン事件」の方で日本では有名なO.J.シンプソン。大変優秀なフットボーラーです。正式な名前は
Orenthal オレンタール
James ジェームス
Simpson シンプソン
これを略して「O.J.」というのですが、アメリカでOJっていうと「オレンジジュース」のことなので、彼のニックネームは「ジュース」でした。
1947年にサンフランシスコで誕生。現在は71歳になる方です。ハイズマン賞を受賞し、1969年に全体1位指名でデビュー。プロボウルに6回選ばれ、引退後に殿堂入りを果たしました。
年間2,003ydsのランを記録した唯一のRB
シンプソンがプレイしていた時代は、年間14試合しかありませんでした。それまでのＮＦＬレコードはジム・ブラウンの1,863yds。これを抜いた唯一の選手です。
現在、シングルシーズンのラッシングyds記録は、エリック・ディッカーソンの2,105ydsで、一見シンプソンの記録が抜かれているように見えますが、試合数が多いため、同条件で比較すると、シンプソンの14試合で2,003ydsは未だ破られてないと見るべきです。
O.J.シンプソンの年表
1947年 サンフランシスコ市生まれ
1965年 USC（南カリフォルニア大）進学
1967年 全米学生チャンピオンに
1968年 ハイズマン賞受賞
1969年 全体1位指名でビルズへ
1973年 NFL//MVP受賞
1973年 バートベル賞・AP通信MVP受賞
1978年 サンフランシスコ・49ers移籍
1979年 引退
1985年 プロフットボール殿堂入り
1994年 OJシンプソン事件
引退後は殿堂入りし、俳優業へ
シンプソン引退の6年後、カレの輝かしい功績を讃えられ、見事1985年にプロフットボールの殿堂入りを果たします。素晴らしいことでした。
シンプソンは引退後、セカンドライフを俳優業やテレビプロデューサーといった、華々しい道を選択しています。数々の映画やテレビドラマに出演し、若い人たちは「え？この人ってNFL選手だったの？」と驚かれてる。
日本でいうと板東英二みたいな感じ
1994年 疑惑のシンプソン裁判からの転落
彼と言えば、フットボーラーとしてよりも、「O.J.シンプソン事件」の方が有名です。若い男性と浮気していた妻を殺害した容疑で検察から起訴されますが、大金を積んだ最強弁護士軍団を雇って、疑惑の無罪を勝ち取ったという事件です。
状況証拠はかなりシンプソンに不利なものが揃っていました。シンプソンの有罪は濃厚。大逆転のきっかけは、サイズの合わない革の手袋でした。
これが決定的な物的証拠となり、シンプソンは陪審員全員から無罪を勝ち取りました。しかし、色々辻褄が合わないこともあり、無罪であったが市民意識には疑惑の念が残りました。
かつてのスーパースターは、「やはり殺人したんだろう」と全米から白い目で見られるようになり、転落の人生を送る事になります。裁判が終わった12年後の2007年にシンプソンは強盗事件を起こし、33年の禁固刑を言い渡されます。こちらは完全に有罪判決となりました。
10年間の服役を経て、かつて所属していたバッファロー・ビルズが、久々のプレイオフに出場した2017年に、一日だけ仮釈放を受けます。
「多くを欲する者、その欲望によって、自らを滅す。」
そのような戒めを彼からみるような気がします。
