さて、バッファロー・ビルズを紹介しましょう。近年は同地区にいるペイトリオッツのせいで、あまり目立たない存在になりつつあるように見えますが、そんなことないです!
なにせ!四年連続でスーパーボウルに出場しているのはビルズだけ!
レベニューシェアが厳しく導入されているNFLリーグの中でこの結果がだせたという非常に稀有なチームでもあるんです。逆に4年連続で負けちゃったってのも珍しいんですがね。
さて、そんなバッファロービルズ。まずは本拠地のバッファローという街から紹介しましょう。
- ビルズの本拠地、バッファロー市とは?
- チーム名「ビルズ」の由来は、アメリカのガンマン
- スーパーボウルに4年連続で出場した唯一のチーム
- 殺人罪で起訴された有名なOJシンプソン事件
- 実はこの人が、ビルズのファン
- そんなビルズの最近の戦績
- オフェンスチーム
- QBジョシュ・アレン(Josh Allen)#17
- 2nd QB ミッチェル・トルビンスキー
- RB ジェイムス・クック(James Cook)#4
- RB レイ・デイビス#
- RB ダミアン・ハリス(Damien Harris)#37
- RB タイ・ジョンソン(Ty Johnson)#26
- WR カリル・シャキール(Khalil Shakir)#10
- WR チェイス・クレイプール(Chase Claypool)#11
- WR キオン・コールマン(Keon Coleman)#0
- WR カーティス・サミュエル(Curtis Samuel)#1
- TE ダルトン・キンケイド(Dalton Kincaid)#86
- TEドーソン・ノックス(Dawson Knox)#88
- LT ディオン・ドーキンス(Dion Dawkins)#73
- LG デヴィッド・エドワーズ(David Edwards)#76
- C コナー・マクガバン(Connor McGovern)#66
- RG オサイラス・トーレンス(O'Cyrus Torrence)#64
- RT スペンサー・ブラウン(Spencer Brown)#79
- ディフェンスチーム
- DE グレッグ・ルソー(Greg Rousseau)#50
- DT ダクォン・ジョーンズ(DaQuan Jones)#90
- DT エド・オリバー(Ed Oliver)#91
- DE ボン・ミラー(Von Miller)#40
- LB マット・ミラノ(Matt Milano)#58(IR)
- LB テレル・ベルナルド(Terrel Bernard)#43
- LB ニコラス・モロー(Nicholas Morrow)#52
- CB ラスル・ダグラス(Rasul Douglas)#31
- SS テイラー・ラップ(Taylor Rapp)#20
- FS マイク・エドワーズ(Mike Edwards)#21
- CB クリスチャン・ベンフォード(Christian Benford)#47
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ビルズの本拠地、バッファロー市とは?
ニューヨーク州の二番目の都市バッファローです。最も大きなものは当然NY市ですが、2番目になるのが、北西端に位置するバッファロー市です。
セオドア・ルーズベルト(テディ・ベアのモデルになった人)が大統領に任命された建物ウィルコックス邸や、建築を志した人なら、一度は目にしたことがあるフランク・ロイド・ライトの代表作品マーティン・ハウスがあるのも、ここバッファロー。いろいろな意味で歴史がある街です。
何より最も有名なものは、カナダとの国境あたりに位置有名な「ナイアガラの滝」です。この世界三大瀑布をもっているのが、バッファローという街です。
チーム名「ビルズ」の由来は、アメリカのガンマン
ビル・コーディ(William Cody)という西部劇のガンマンが由来です。彼は若くして成功した人物。その痛快な生き様、奴隷制度を嫌った高潔さ、そして多くの事業を興したフロンティア精神に、アメリカではかなり尊敬されている人です。
現在ディズニーで、ミッキーマウスが主演で開催される西部劇「The Wild West Show」は彼、バッファロー・ビルことビル・コーディの物語です。っていうか、そもそもビル自身が脚本し監督し演出し、興行にしてきた作品で、当然自分がでてくる話です。これをウォルト・ディズニーがミッキーマウスとコラボさせ現代で転用しているんですね。そんな伝説の人がビルズのモチーフになっているのです。
ビル・コーディは実に優秀なガンマンで、南北戦争のときにはまだ若く、戦役に関われなかったそうです。しかし奴隷解放の運動に心酔していた彼は、北軍の兵士への食料として1年間で4,000頭ものアメリカバイソン(すなわちバッファロー)を仕留めて、献上してきたそうです。そのため、彼はバッファロー・ビルという二つ名をもらうことになったそうです。
NFLのチームが設立される以前から、バッファロー市には「バイソンズ」というチーム名がありました。1947年にその名称変更の市民公募がありまして、バッファロー市の隣町、ロチェスターにも由来があった「バッファロー・ビル」の物語から、チーム名を拝借したと言われています。
スーパーボウルに4年連続で出場した唯一のチーム
QBジム・ケリーがいた時代のビルズは、それはそれは強かった。ノーハドルで短い時間で得点を重ねるオフェンススタイルは、当時ハイパー・オフェンスと呼ばれ1990年シーズンを席巻した。
最初のスーパーボウルに躍り出たビルズは第25回スーパーボウルでジャイアンツと対戦。HCビル・パーセルズ率いるジャイアンツは、ビルズと正反対の時計を使うランオフェンス。これに1点差で敗北を喫する。以後合計4年連続スーパーボウルに出場するわけですが、一度も勝利することが出来なかったという、大変稀有な歴史をもっています。
ちなみに当時、ジム・ケリーのバックアップQBをしてたのが、現在のコルツのHCをしてるフランク・ライク(Frank Reich)です。
なにせ、スーパーボウルを4年連続出場というのは、あとにも先にもこの時代のビルズしかいないと思います。あの強かったペイトリオッツでさえ、この記録に追いついていません。当時はジム・ケリーの姿をNFLがまとめてますので、よかったらYoutubeでご覧ください。
殺人罪で起訴された有名なOJシンプソン事件
この人覚えてる人いますかね?本当に昔ですが、1994年に殺人罪で起訴されて、裁判でドリームチームといえる米国最強の弁護団を結成し、疑惑だらけの無罪判決を勝ち取った事件。
この人NFLの大スターRBです。バッファロー・ビルズの選手だったんですね。彼がランニングバックをしていましたのは、1969-1977の約10年。その後サンフランシスコ49ersに移籍して現役を引退します。その後プロフットボールの殿堂入りしました。
彼が殺人容疑で起訴されたのは、1994年。離婚した自分の元妻(白人)、ニコール・ブラウンとその恋人ロナルド・ゴールドマンを殺害したとの容疑を掛けられました。しかし、それはさすがに、NFLの元スーパースター。金にものを言わせて無敵の弁護士軍団を用意して疑惑の無罪を勝ち取りました。
OJシンプソンが、警察の追っ手から逃げてロサンゼルスのフリーウェイを逃げる。警察が追いかける。このカーチェイスはヘリコプターから生中継されました。当日はNBAのファイナルの第5試合目。テレビ局はなんとバスケの試合の中継をやめて、シンプソンのカーチェイスを流したんですね。それくらいの事件でした。
このシンプソンさん。かなり有罪濃厚でした。しかし金に物言わせて、アメリカで最強の弁護士を全国から集めまくりました。まさにオールスター。その御蔭で彼は無実を勝ち取ります。当時はNFLスター選手のスキャンダルに加えて、結局金持ちが救済されるアメリカの司法制度のあり方についてや、黒人白人人種問題にも発展し、たくさん物議をかもしだした事件でした。
でも、結局。また年を過ぎて、彼は逮捕されてます。2007年に強盗と誘拐の罪で禁固17年。刑務所に服役中。出所してくるのは2024年ですね。でてきたら、おそらく暴露本でも書くんでしょうね。
実はこの人が、ビルズのファン
そう、第45代アメリカ合衆国大統領。クレイジーボーイことドナルド・トランプ氏。 この人が大統領やる前から、名うての商売人だったのは、周知の事実です。
ビルズのオーナーシップは設立当初から一人の人物が保有していました。その人が死んだため、所有権のオークションが2014年に行われました。このときに参加したのが、この写真の現オーナーペグラ夫妻です。
しかし、その他にもオークションに参加したのがいます。なんと、この二人です。
元大統領のトランプ氏と、アーティストのジョン・ボンジョビでした。オークションに参加するためトランプはドイツ銀行からの融資を取り付けるなど動いていましたが、ペグラ夫婦の応札した14億ドルには遥か及ばず。ボンジョビも敗北する結果になりました。
そんな経緯があるチームでもありますよってことです。こちらの記事もさんこうにどうぞ。
そんなビルズの最近の戦績
こちらWikipediaからの転載になりますが、この20年弱の間、このAFC東地区はペイトリオッツの圧勝です。こんな地区は他にはありませんね。ビルズは最近ようやく2位に食らいつくようになってきました。
しかし最近2年くらいにビルズは強くなってきました。2019年シーズンはもう何年ぶり!といいたくなる二桁勝利をあげ、地区優勝に最後の最後まで食らいつき、ワイルドカードながらプレーオフに進出しました。
そんな新生バッファロー・ビルズを次から紹介します。
オフェンスチーム
オフェンシブ・コーディネーターを担当するのが、ジョー・ブレイディ(Joe Brady)さん。2022年にQBコーチをしてきて2023年にOCに昇進しました。かつてパンサーズでもコーチングの経験があります。マイアミドルフィンズのチアリーダーをしてたお母さんをもってて、家族みんなフットボール。年齢は1989年生まれの34歳。選手たちとも歳が近くていいですね。
QBジョシュ・アレン(Josh Allen)#17
2018年 / 1巡 / 7位 / ワイオミング大学
いまやNFLの看板選手となったジョシュ・アレン。QBには冷静さを求められるのですが、彼は冷静さと同じくらいの熱さを感じるプレイが多いです。2mにも達するほどの巨大な体躯をもち、プレイが崩れたときは自分がキャリアとなってタックルを飛んでかわしていく。前へ前へと熱く進む姿に、フットボールファンは胸熱になります。
もちろんパスの精度も高く、強肩でロングボムもできる。過去の歴代NFLQBたちと比較しても、かなり印象の強い選手じゃなかろうかと思います。パッカーズの鉄人QBブレット・ファーブみたいな雰囲気だなと思います。
2nd QB ミッチェル・トルビンスキー
かつてベアーズからから全体2位指名を受けてきた名QBでした。しかしパス精度が悪くプロレベルでは大成しなかった選手。NFL入りしてからはあちらこちらのチームを渡り歩くジャーニーマンへ。ベアーズ→ビルズ→スティーラーズ→ときて、またビルズへ。
RB ジェイムス・クック(James Cook)#4
2022 / 2巡 / 63位 / ジョージア大学
RB レイ・デイビス#
2024/ R4/ 128th / ケンタッキー
今年のドラフトで指名されたRB。これから酷使されるはず。大学はケンタッキー。バッファローに近いよね。
RB ダミアン・ハリス(Damien Harris)#37
2019 / 3巡 / 87位 / アラバマ大学
ペイトリオッツから移籍。近眼で普段はメガネをしているRB。アラバマ時代はデリック・ヘンリーのバックアップとしてたので目立ったところが少なかったですが、ペイトリオッツ時代にしっかりプロの大活躍しています。
RB タイ・ジョンソン(Ty Johnson)#26
2019 / 6巡 / 186位 / メリーランド大学
WR カリル・シャキール(Khalil Shakir)#10
2022 / 5巡 / 148位 / ボイジ州立大学
今のところデプスチャートでは1stに位置してますが、2023年のスタッツでは、ターゲット65回でキャッチ49回。772yds獲得と、記録は平凡。
WR チェイス・クレイプール(Chase Claypool)#11
2019/ 3巡 / 93位 / ノートルダム大学
スティーラーズ→ベアーズ→ドルフィンズ→ときて、2024年からビルズの控えWRに。それでもスティーラーズ時代にはかなり活躍してきた選手ですので、ビルズでもう一花さかせる気がします。
WR キオン・コールマン(Keon Coleman)#0
2024/ R2 / 33th / FSU
ビルズが今年ゲットした新しい武器。2024年ドラフトはかなりオフェンスプレイヤーが豊富でしたが、コールマンもその一人。2巡とはいえ全体33位は、ほぼ1巡といって良い。ディグスが居なくなったので、きっと彼がレシービングリーダーになってくれるでしょう。
WR カーティス・サミュエル(Curtis Samuel)#1
2017/ R2 /40th /OSU
ベテランの選手ですね。パンサーズ→レッドスキンズときて、ビルズです。今年で8年目となる30歳ですね。
TE ダルトン・キンケイド(Dalton Kincaid)#86
2023 / 1巡 / 25位 / ユタ大学
アメリカのホームドラマにでてきそうな見た目の人。フィットネスジムでエアロビ教えてそう。これぞアメリカ。昨年2023年は73回レシーブとかなり良い成績。673ydsのゲインもTEとして良い。
TEドーソン・ノックス(Dawson Knox)#88
2019年 / 3巡 / 96位 / ミシシッピ大学
キンケイドのバックアップ的存在のノックス。2023年はキンケイドに押されて出場機会も13試合と少なく、22回レシーブにとどまる。6年目となるビルズ。さてさてどうなるか、彼のフットボール人生。
LT ディオン・ドーキンス(Dion Dawkins)#73
2017年 / 2巡 / 63位 / テンプル大学
8年目となるドーキンス。すっかりベテランの選手ですね。契約金額は$6000万でOLでのランキングではリーグ23位。もっとレベルアップしていくのも良いかなぁという印象もありますね。
LG デヴィッド・エドワーズ(David Edwards)#76
2019 / 5巡 / 169位 / ウィスコンシン大
かつてラムズでスーパーボウルを優勝した経験のあるラインマン。2023年からビルズへ移籍してきてます。移籍当時は1年だけの契約でしたけど、しっかり貢献が認められ、2024年の3月には2年契約を獲得。196cmとかなり大きな選手です。
C コナー・マクガバン(Connor McGovern)#66
2019/ R3 / 90th / ペンステート
カウボーイズでガードをしてきた選手。2023年からはビルズに移籍。2024は2年目のシーズンとなり、センタ-にポジションチェンジする可能性あり。
RG オサイラス・トーレンス(O'Cyrus Torrence)#64
2023 / 2巡 / 59位 / フロリダ大学
ルイジアナ大学で活躍してきた選手。当時のヘッドコーチがフロリダ大学へ動くことになり、それに併せて自分もフロリダへ転校。そしてSECのオールスターに選ばれ、堂々のドラフト入り。身長196cm、体重157kg。40ydsは5.31sと俊敏性もあります。
RT スペンサー・ブラウン(Spencer Brown)#79
2021 / 3巡 / 93位 / ノーサンアイオワ
身長203cmと、ラインの中でも最高の体格。体重も当然141kgとかなり大型。しかも40ydsは4.94sと、5秒を切る脚力。1年目、2年目とフルゲーム出場できず怪我が多かったですが、2023年にはようやく全ゲーム先発出場。非常に成長してきている選手です。
ディフェンスチーム
2023年のビルズにDCはいません。HCのショーン・マクダーモットが兼任しています。
DE グレッグ・ルソー(Greg Rousseau)#50
2021 / 1巡 / 30位 / マイアミ大学
サック5本、ファンブルフォース1本とまずまずの働き。この3年で10本を超えるサックを作ったことはない。1巡の選手だけど、そこまでの活躍はないかも。
DT ダクォン・ジョーンズ(DaQuan Jones)#90
2014/ 4巡/ 112位/ペンステート大
タイタンズ歴はおう6年目となるベテラン選手。2017年がキャリアハイで3.5回のQBサックをしている。もう少し成績が伸びてほしいという気持ち。
DT エド・オリバー(Ed Oliver)#91
2019年 / 1巡 / 9位 / ヒューストン大学
ビルズD#のスター選手。キャリア5年目となる昨年はキャリアハイの9.5サックを記録。
DE ボン・ミラー(Von Miller)#40
2011年 / 1巡 / 2位 / テキサスA&M
いまNFLの中で、ナンバー・ワン級のOLB、DEですね。かつてはブロンコス時代とラムズ時代に2回スーパーボウル優勝に貢献しています。キャリア13年のうち8回プロボウルに選ばれ、オールプロには3回(2nd含めると7回)選ばれてます。
ファッションリーダーでもあり、メガネ姿も含めて、ボン・ミラーはとにかくかっこいい選手。
LB マット・ミラノ(Matt Milano)#58(IR)
2017 / 5巡 / 163位 / ボストン大学
ビルズの生え抜き選手ですね。少しずつ実力をつけ始め、昨シーズンでは1巡のエドモンドと引けを取らない101タックル、9パスD#をあげてます。まだまだ若いですから、どんどん活躍しそうです。
LB テレル・ベルナルド(Terrel Bernard)#43
2022 / 3巡 / 89位 / ベイラー大学
LB ニコラス・モロー(Nicholas Morrow)#52
2017/ Undraft / グリーンベル
8年目となるシーズン。ビルズで4チーム目。本当に過酷なプロ生活を過ごしてきていますね。レイダースでの4年を終えたら、ベアーズ、イーグルスと1年のみ。ビルズでは長く活躍できるでしょうか。
CB ラスル・ダグラス(Rasul Douglas)#31
2017/ R3 / 99th / ウェストバージニア
イーグルスでデビューしてから、ついに6チーム目。ビルズではまだ短期契約にとどまるものの、サック1本、インター4本の活躍を見せてくれてる。リーズナブルな選手かと思う。
SS テイラー・ラップ(Taylor Rapp)#20
2019 / R2 / 61th / ワシントン
ラムズからデビューしたアジア人風のDB。4年間のラムズ生活の中で、スーパーボウル優勝を経験している。ビルズには2023年に移籍し、今年で2年目のキャリア。タックル50本、インター1本、ファンブルリカバー1本、パスD#2本となかなかの成績。
FS マイク・エドワーズ(Mike Edwards)#21
2019 / 3巡 / 99位 / ケンタッキー大学
チーフスで1年の契約を終えて2024年からビルズへ。契約金額が1年280万ドルなので、これまた安い。もう少しビッグな選手が入るとよかろう。
CB クリスチャン・ベンフォード(Christian Benford)#47
2022 /R6 / 185th / ヴィラノヴァ大学
まだ2年が経過したばかりのルーキー。2023年はパスD#10本、タックル54本と、まずまず良さそうな成績を残しています。