3行でわかるように解説
①宝石商バヒッド・モラッジは、ブリーズ夫妻に宝石を売った。
②ブルーダイヤを含み合計金額15億円(1500万$)支払った。
③でも鑑定したら、4億円弱(375万$)でした。宝石商ふざけんな!
という話です。ブリーズは相手に9億円の訴訟をかけてるそうです。まぁ鑑定額から算出すると11億やられとるんですが、2億くらいは向こうの取り分で適正な売価は6億円くらいだったと計算してるんでしょう。
チャールズ・ジュエルの宝石商バヒッド・モラッジ
いやー、派手な感じしますね。写真の右から二人目の男です。彼からすれば「いやいや、鑑定額と売値は違うでしょ」というのが言い分でしょう。しかしま、それにしても、吹っかけたもんだ。
ブリーズ側から見れば「詐欺」とも言えるけど、客観的に見ると普通の「古物ビジネス」です(ただ額がでかい)。古物を扱う時には必ず付きまとう「目利き」の問題です。仕入れたものの価値は価格を付けた人、もしくは購入した人が決定するものですから、これは仕方ないリスクなのかも知れないです。
WIN-WIN?WIN-LOSE?
おそらくバヒッドはこんな気持だろうと思いますが、ひとりのお客さんをガッツリ凹まして、自分だけが大きく儲けるというのは、信頼を積み重ねる商人道とは違います。売った方も勝った方もWIN-WINの関係になれる取引こそが、美しい商売だと僕なんかは思います。バヒッドは10億円近くの金を稼いだわけですが、それと引き換えに信頼を失ったと思いますね。
しかし、「あいつはその辺の宝石屋とは違う。すごいの欲しかったら声をかけよう」と周りから見られることにもなったでしょう。倫理面では問題ありつつも、やり手ビジネスマンとして全米中に有名になりました。何かに傑出することが重要なアメリカ社会では、彼が取ったプランは長期的には悪いものでは無いのかも知れないです。
「右手に算盤、左手に論語」の日本スタイルか、
「右手に算盤、左手に法律」のアメリカンスタイルか。悩みますね。