ペイトリオッツが常連だったAFCを勝ち抜いてきたのは、ハイパーオフェンスのKCチーフス。原動力となるのは、言うまでもなくQBパトリック・マホームズですが、彼らをしっかり指導してきたコーチの存在がいます。
今回はスーパーボウルに挑戦するカンザスシティ・チーフスのコーチ陣を紹介します。
日本でもっとNFLが浸透しますように。
- HCアンディ・リード(61歳)
- アンディ・リードのコーチ道
- 勝利数では歴代7位の実力者
- 関係者はスーパーボウル優勝してるけど、自分はしたことない
- スラムダンクの安西先生のモデル?と噂になった人物です。
- OCエリック・ビエニーミー(50歳)
- DCスティーブ・スパニュオーロ(60歳)
- まとめ
HCアンディ・リード(61歳)
チーフス全てのコーチ陣のトップに君臨するヘッドコーチは、名伯楽のアンディ・リードです。コーチングツリーでいうところでは、ビル・ウォルシュの孫弟子に当たる人物です。コーチングは基本に忠実で奇をてらう技はあまり使う傾向にないです。いわゆる王道タイプと見えますね。
アンディ・リードのコーチ道
アンディ・リードは、ブリガムヤング大学でオフェンスタックルをしていた人物です。チームメイトに、QBジム・マクマホン(1巡5位指名、1996年引退)、Sトム・ホルモー(1989年引退)がいました。リードはドラフトには掛からず、母校BYUのコーチとしての道を歩みました。
BYU→SanFrancisco State→Northern Arizona→UTEP(テキサス大学エルパソ校)→Missouriとカレッジフットボールで10年のキャリアを積んで、32歳からNFLにデビューしました。
マイク・ホルムグレンHCのもと、GBパッカーズを牽引しスーパーボウル31優勝。1999年から14年間イーグルスのHCとして活躍。5回のNFCカンファレンス出場、第39回スーパーボウル出場と輝かしい成績です。チーフスには2013年から登場。今年で7年目のシーズンです。
勝利数では歴代7位の実力者
イーグルスで14年、チーフスで7年、合計21年をヘッドコーチとして戦い、レギュラーシーズン207勝、ポストシーズンで14勝、合計の221勝をあげています。NFLの歴代HCの中で7番目の記録になります。しかし、コーチ歴をみると、皆25年以上の実績です。アンディ・リードは今年で21年目。あと4年あれば、トム・ランドリーに並ぶ可能性も十分あります。
というように、アンディ・リードは歴代HCの中で比較しても、恐ろしく優秀な部類の指導者だと言えます。ちなみにプレイオフで勝利した回数だけで比較すると歴代4位。イーグルス時代が強かったからね。
関係者はスーパーボウル優勝してるけど、自分はしたことない
正しくは、パッカーズのアシスタントコーチをしてた時代に一度優勝してます。ただHCとしてではなく。担当してたのはTEとOLです。1996年シーズンを勝ち上がり、ペイトリオッツを破り第31回スーパーボウル優勝。その後にイーグルスのHCデビュー。アンディ・リードは当時42歳でした。
かれの弟子にあたる、ダグ・ピーターソン、ジョン・ハーボーなどはスーパーボウル優勝してますが、彼自身はHCとして優勝したこと無いんですよね。コーチングキャリアも37年(HCとしては21年)になります。そう考えると、チーフスを応援したくなってしまいます。
スラムダンクの安西先生のモデル?と噂になった人物です。
「あきらめたら、そこで試合終了だよ」
「ラスト2分が勝負、いけますか?」
「お前のためにチームがあるんじゃねぇ。チームのためにお前がいるんだ」
「断固たる決意が必要なんだ」
などなど、名言至言に溢れた名作、スラムダンクの安西先生。アンディ・リードは彼にそっくりなので「NFLの安西先生」と言われてます。
スラムダンクはアンディ・リードをモデルにしたと噂されてますが、ちょっと時間軸的に矛盾がありますので、ただの噂話のようです。
しかし、「ホワイトヘアードデビル」と言われた怖い時代の安西先生と、アンディ・リードはまさに瓜二つです。。ご本人がそれを知ったら、どういうリアクションをするのでしょうね。
それにしても、怒ってるときは本当に怖そう。もう60歳だというのに、NFLのコーチたちは皆、血気盛んですね。ピートキャロルもビル・ベリチックも。
OCエリック・ビエニーミー(50歳)
もともとNFLでRBとしてプレーしていたコーチです。しかもドラフト2巡の全体39位。チャージャーズ、ベンガルズ、イーグルスと合計9年間プレーしていた人で、HCのアンディ・リードとは、イーグルス時代に1年間だけ共に過ごした経験があります。
引退してからは直ちにカレッジのコーチにになり5年間の経験を積んで、NFLにコーチとして返り咲き。チーフスにきたのは2013年。つまりリードがHCになったときに引き抜かれたんですね。マット・ナギーがOCをしていたのですが、ベアーズのHCとして引き抜かれたので、2018年に彼が新OCとして昇格。
そしたらたちまち、QBマホームズを軸にすんごいO#を展開する化け物チームになっていまいました。ただのRBあがりだったビエニーミーはコーチとしても優秀なんじゃないか!?と皆が評価を改めていることでしょう。
DCスティーブ・スパニュオーロ(60歳)
OCビエニーミーとは対象的に、こちらはバリバリのコーチ道を歩んできた人。HCのアンディ・リードとはイーグルス時代に、1999-2006年の9年間を共に過ごしています。当時スパニュオーロはDBコーチ、LBコーチを担当してました。
2009年から3年間ラムズのHCとして活躍していました。しかし当時のラムズは3年で10勝38敗で、スパニュオーロはほとんど勝ってません。結果あっさりクビになってます。それ以来、ヘッドコーチのオファーはないようです。チーフスに来たのは2019年からで、実は大変な新参者なんですね。
それまでのDCはリードが連れてきたボブ・スットンが2013年からずっと担当してきてました。だけども過去3年間の成績は実に悪かった。2018年シーズンなんてD#ランキング、リーグ31位。マホームズがいくら点を獲ってくれても、D#チームが足を引っ張っていました。そのため、GMとオーナーと話し合って、スットンを解雇する決断をくだしました。HCのアンディ・リードからすると、「泣いて馬謖を斬る」という心持ちだったんじゃないでしょうか。
さて、新しくDCについたスパニュオーロは、D#チームを建て直しリーグ17位、パスD#に至ってはリーグ5位の強さにまで鍛え上げました。これにより、チーフスのO#チームは以前よりも楽にゲームマネジメントできるようになりました。これも、テキサンズからSSタイラン・マシューをトレードで獲得できたからですね。
まとめ
さてさて、チーフスは49ersと比較すると、どうも平均年齢が高めです。経験値が多いがゆえにビビるのか。それとも勝負師になのか。今期のシーズンを振り返ると、危なっかしい橋を渡ってきたことも十分ありました。
49ersのHCカイル・シャナハンはチームをしっかり構築するマネジメントにも長けた人物ですが、彼の本質は博打打ちなように思います。彼のその部分をアンディ・リードの堅実生で立ち向かうのか、それとも共に博打をうつのか。どのようなゲームメイクがなされるのか、楽しみでなりません。