NFC残るのワイルドカードは、シーホークスとイーグルス戦。シアトルは49ersと最終週まで地区優勝を争う戦いを展開してた強敵。最後のWeek17で49ersにギリギリの展開で負けてしまい、地区優勝を逃しました。勝ち負けでいうと11勝5敗です。
方やイーグルスは9勝7敗。こんなに勝利数少ないのに、地区優勝だなんて。という話もありましたが、やはりこれがNFLをエキサイティングなものにする妙技。だからこそ同じディビジョン同士の対決が本当に面白いんですよね。
さて、そんな経緯があるもんですから、シーホークスが、しっかりとゲームをコントロールし勝利するだろうと予想してました。しかししかし、蓋を開いてみると全くそんなことはなく、緊張感のある素晴らしい名勝負でした。
それではレビュしたいと思います。
日本でもっとNFLが浸透しますように。
- 第1Q早々にQBカーソン・ウェンツが退場する展開
- バックアップを務めたジョシュ・マカウンの浪花節
- 爆発するDKメットカーフを操るQBウィルソン
- 逆転できないイーグルス、しかし最高の盛り上がり
- 最後にマカウンの男泣き
- やっぱりすごかったのはラッセル・ウィルソン。
第1Q早々にQBカーソン・ウェンツが退場する展開
このゲームは良くも悪くも、シーホークスのOLBジャデベオン・クラウニーに注目が集まりました。両陣営ともにD#には好評のあるチームです。テキサンズからシーホークスに移籍してきたクラウニーは、高い身体能力でQBに襲いかかる猛虎。
またイーグルスのDTフレッチャー・コックスはマンツーマンだと負けなしの豪腕。スクリメージラインを簡単にこじ開けるグリズリーのようなパワー。そんな両者の戦いは、いかに二人をQBから遠ざけるかが、重要な課題だったように思います。
しかし、イーグルスにとって、本当に残念なことが起きます。ゲームが始まったばかりの第1Qの残り9分くらいのところ。スクランブル発進したQBカーソン・ウェンツにクラウニーが後ろからヒット。それがヘルメットにヒットし、脳震盪が発生。なんと、ウェンツは残り51分、フィールドに帰ってくることができませんでした。これでイーグルスは、圧倒的不利に陥ってしまいました。
バックアップを務めたジョシュ・マカウンの浪花節
困惑するイーグルスを一身に背負ったのが、40歳のバックアップQBジョシュ・マカウン。彼はNFL生活で、11チームを転々としたジャーニーマンというキャリアをもっていて、本当に大変な思いをしながら現役生活を続けてる選手。
そんな彼が40歳にして、生まれて初めてのプレーオフの舞台に上がりました。イーグルスO#チームもD#チームも、「ウェンツが抜けた穴を俺たちがなんとかしてやる!」と大いに奮い立ちました。そしてシーホークスO#をしっかり押さえつけ、FGで留めます。
バックアップQBのマカウンは、しっかりとイーグルスのメンバーをまとめ、名勝負を繰り広げました。しかし、エンドゾーンが遠い。得点圏域まで到達するも、タッチダウンが奪えません。
爆発するDKメットカーフを操るQBウィルソン
火のついたイーグルスD#は、シアトルのOLをとことん苦しめました。特に予想通りフレッチャー・コックスの突破力は群を抜いており、そこにブランドン・グラハム、ヴィニー・カリーなどがウィルソンに襲いかかってきます。
しかし、素晴らしいのがウィルソン。そんな猛獣飛び交うポケットから、上手く抜け出し、見事にレシーバーに弾丸のようなパスを投げます。その時に活躍したのが、新人WRのDKメットカーフ。2m近く100kgを超える大巨漢レシーバーは、直線40yds4.33という俊足の槍。ブロッカーとしてもまるでOLのようなパワーで相手を弾き飛ばします。
ウィルソンは、彼を本当にうまく使いました。というか、9回もターゲットにして7回キャッチしたメットカーフは、本当にうまくいきました。キャッチ力に不安が残る選手でしたが、この大事な場面での期待にしっかりと応えてくれました。そして見事なロングパスをキャッチし、そのままタッチダウンしたメットカーフ。これがゲームを決定づける必殺パンチになりました。
逆転できないイーグルス、しかし最高の盛り上がり
奮闘するQBマカウンは、シーホークスのクラウニーに苦しめ続けられました。彼がいなければ、またゲームはまるで違う様相を示していたでしょう。それでもマカウンは戦い続けました。その姿勢、その闘志、その献身に、リンカーン・ファイナンシャル・フィールドにいるイーグルスファンたちが呼応する。本当に感動する姿でした。
第4Q残り6分、イーグルスはFG3本しか奪えず、17-9という展開。残り4ydsでフォースダウンギャンブルに懸けたHC。見事にデザインされたプレイでしたが、マカウンのショートパスをRBサンダースがキャッチできず・・・。苦しい苦しい。これが通れば、、、、同点タッチダウンも十分考えられた。
最終的にスコアはこのまま動かず、ゲームセット。マカウンにとっても、イーグルスにとっても大変悔しいゲーム展開になりました。
最後にマカウンの男泣き
Josh McCown & Zach Ertz share a moment after @Eagles season ends. pic.twitter.com/d2zflRRLtU
— Dan Gelston (@APgelston) January 6, 2020
これ、ベンチに帰る途中で、咽び泣くマカウン。それを慰めるように寄り添うTEザック・アーツ。エースレシーバーのザック・アーツは、この試合肋骨骨折の状況で戦ってました。本当にみながファイターです。
McCown kept it real. 🙏💯 pic.twitter.com/F1Aju9HOhS
— The Checkdown (@thecheckdown) January 6, 2020
記者会見にたつマカウン。彼は人生最初のプレーオフが人生最後のプレーオフになったことを語る。家族の献身、犠牲、様々なものが到来し、目から涙が溢れています。なんとも感動的です。僕はもう、マカウンのことが大好きになってしまいました。どうか引退した後もNFLに関わってコーチとして活躍してほしいと願います。
やっぱりすごかったのはラッセル・ウィルソン。
負けたイーグルスばかり書いてるようになりましたが、勝者のシーホークスがなによりスゴイ。イーグルスは僕が予想したような楽な相手では決してなかった。それどころか、気を抜くとすぐに逆転される、相当な強敵だった。特にカーソン・ウェンツが抜けてからの火のつきようはすごかった。
しかし、そんなイーグルスにたいし、氷のような冷静さを保ち、広い視野で素早く判断・決断し、メットカーフたちを上手に使ったラッセル・ウィルソン。シーホークスのRBはほとんどランゲインできなかった。ランゲインはほぼQBのウィルソンのスクランブルだった。
それぐらい、自分ひとりでゲームメイクをした。そんな感じでした。やっぱりラッセル・ウィルソンはすごい。そんな印象を受けたワイルドカード。名勝負でした。
さて、シーホークスは今後ディビジョナルラウンドでパッカーズと激突。ウィスコンシンはウィルソンが大学生時代に1年間だけ生活していた街。ノスタルジックな気持ちと闘志を胸に、ランボーフィールドに降り立ちます。実に楽しみになってきました。