今回はアメフトのグレイトコーチといえば、必ずでてくる偉大な人のひとり。ポップ・ワーナーさんをご紹介します。
ポップ・ワーナーは1871年に生まれ、1954年に83歳でお亡くなりになりました。そんな彼の生涯、アメリカンフットボールにどのような貢献をされた方なのか。勉強してみました。
日本でもっとNFLが浸透しますように。
- ①無名の田舎学校を全米1位にした人
- ②数々のフォーメーションを編み出した人
- ③スリー・ポイント・スタンスを作った人
- ④プレイに暗号を使った人
- ⑤ショルダーパッド・タイパッドを作った人
- ③現在も名前が残る「ポップ・ワーナー・リーグ」
- まとめ
①無名の田舎学校を全米1位にした人
コーネル大学を卒業したポップ・ワーナーは、その後コーチとしての道を歩みます。まず最初にジョージア大学で職につき、その後アイオワ大、そして出身校であるコーネル大学に戻り、無名のカーライル・インディアン工業学校に就きます。1907~1914の間、ワーナーはHCについています。
当時1907年、そのチームにはジム・ソープが1年生として進学してきました。前述した通りですが、彼は今でもアメリカ人に「偉大なアスリートは誰?」ランキングを作らせると、ベーブ・ルース、マイケル・ジョーダン、ジム・ソープの3人があがるほど、偉大なアスリートです。
(↑タックルダミーで練習するジム・ソープとポップ・ワーナー)
ポップ・ワーナーはその当時まで無名だったジム・ソープの才能を見つけ磨き上げ、田舎街の無名学校、カーライル・インディアン工業学校を全米1位にまで育成しました。これだけでも十分すごいですね。
②数々のフォーメーションを編み出した人
カーライル工業学校を全米1位にした手腕、名門校からのたくさんのオファーをうけるようになりました。ピッツバーグ大学で指導し、その後スタンフォード大学を指導していきます。
その中で彼が発明したのが、ダブル・ウィング・フォーメーションや、シングル・ウィング・フォーメーション(ワイルドキャット)、リバースプレイ、ブーツレッグ、スクリーンパスなども彼の功績だとされてます。ニュート・ロックニーは、彼のオフェンスプレイを研究しまくり、ノートルダム無双時代を作り上げます。
(しかし当時はまだアメフト黎明期ですから、どこの誰が最初と決めるのは実に難しい話。あくまでも「口伝や評判によると・・・」、という程度にご理解いただきたいと思います。)
③スリー・ポイント・スタンスを作った人
「どうしたらもっと速く動けるだろうか?」悩んでいたポップ・ワーナーは、陸上競技のクラウチングスタートの姿勢をみて、「これだ!」と閃きました。1899年のコロンビア大学戦、インディアン工業学校の彼らは3ポイントスタンスを使って圧倒的な爆発力を実現し42-0で圧勝しました。
今では普通のことのように思うスタンスですが、それまでは手は膝の上に、まるで野球の内野手のような姿勢をとっていたそうです。これはすぐに他の学校でも広まり、今でもフットボールの基本ポジションになってます。
ちなみに2010年に、相次ぐ怪我問題で、コミッショナーのロジャー・グッデルは「3ポイントスタンスの禁止」について議論したそうです。コミッショナーも大変だなぁ。
④プレイに暗号を使った人
プレイブックには、「Blue 41」とか、ナンバーがついています。選手である彼らは、その暗号を常に覚えていかないといけません。これを初めてやったのがポップワーナーさんだと言われています。
⑤ショルダーパッド・タイパッドを作った人
これが現存する最初のショルダーパッドと言われてます。これを発明したのがポップ・ワーナーさんですね。これに合わせてタイパッド(太ももと膝)も同時に開発しています。
1924年にはこのような形で設計図も残っています。こういう防具が発明され、進化することによりフットボールの安全性が担保されるようになっていきます。それと同時にプレイが過激化もしていきます。徐々にアメリカン・フットボールがエキサイティングなものへと変化していくわけですね。
③現在も名前が残る「ポップ・ワーナー・リーグ」
ポップ・ワーナーさんは、大変な子供好きで有名でした。休みになると、公園や川沿いにいき、小学生くらいの子供たちを集めてフットボールを教えていたそうです。
現在、アメリカで最大の小学校フットボールリーグがあります。その名前がポップ・ワーナー・リーグといいます。子供大好きだった彼の生き方を皆が大事にしていこうと決めたのでしょう。これ、とってもいい話です。
まとめ
以前、記事にしたエイモス・アロンゾ・スタッグさんは生涯で314勝をあげました。ポップ・ワーナーはというと313勝。たったの1つしか変わらない。それくらいワーナーの指導力・統率力は素晴らしかったんですね。
彼はジム・ソープが死んだ1953年の翌年に他界します。今は一緒にフットボールを謳歌した友と天国でNFLでも観てるんでしょうね。
以上、ポップ・ワーナーさんの紹介でした。日本でもっとNFLが浸透しますように。