ワシントン・レッドスキンズのQBだったカーク・カズンズがFAをするようです。というのも、カンザスシティ・チーフスのQBアレックス・スミスがレッドスキンズに移籍が決定したからです。
A・スミスは2017シーズンに地区優勝し、プレイオフに進出した名QB。アーロン・ロジャーズと同級生で、ドラフト全体1位指名の経歴の持ち主です。かたやカズンズは、RG3のバックアップとして確保されたQBでした。WASでは長いことスターターQBだったのですが、長期契約を結ぶことはなく、2017年シーズンでも1年契約。これはカズンズが望む金額が高かったせいもありますが、シーズンの結果も芳しくなく、本人の望む形でFA市場に動きます。
さて、カズンズがどこのチームに行くのか?実に気になる所です。一番QBを欲しがっているだろうチームはどこでしょう。
①NYJETS
ここのQBはジョシュ・マカウン。かつてCLEブラウンズでQBをしてた人物ですが、今シーズンもそれほど活躍することはなかったです。そうは言ってもそれほどパフォーマンスが低い選手では決してないのですが、やはり評判や能力値が高いことよりも「結果勝てるQB」が評価される厳しい現実。マカウンはそれほど勝ち星を挙げてないんですね。
彼のレコードは73戦して23勝50敗。30%の勝率です。2002年からNFLにいることもあり、もう年も重ねており無理が効かないお年頃。彼とカズンズを比較すると雲泥の差でしょうね。
②MINバイキングス
ここには、3人のQBがいます。第一QBはテディ・ブリッジウォーター。鳴り物入りでNFLにデビューした選手です。今年ドラフトで名前があがっているQBラマー・ジャクソンと同じルイビル大学出身で、2014年に1巡32位指名でミネソタからデビューしました。
2016年シーズンに膝の脱臼+ACL断裂という派手な怪我をして、バックアップQBのサム・ブラッドフォードにその座を一時譲りました。2017年にはかつてラムズのQBをしてたケース・キーナムが、3人目のバックアップQBとして、破竹の快進撃を見せ、NFCチャンピオンシップにまで上り詰め、スーパーボウルまであと一步まで上り詰めました。
そんな過去もあり、2018年シーズンは、そろそろ正QBブリッジウォーターが復活するか、まだ様子見でケース・キーナムを使うか。キーナムとカズンズを比較すると、さすがに「高すぎる買い物」になる気がします。
③CLEブラウンズ
ブラウンズは2017年逆パーフェクト、勝ち星無しという大変不名誉なシーズンを過ごしました。QBが育たないチームとして有名で、なんと15年間くらい毎年QBが変わっています。2017年ドラフトで全体1位指名権をもっていたので、何よりもQBデショーン・ワトソンを狙いにいくかと思ってましたが、怪物DEのマイルズ・ギャレットを獲得しました。2度目の指名権ではSを狙い、3度目にようやくQBカイザーを獲得。しかしこのカイザー、まったく期待に応えられない。勝ち星ゼロと完全にバストでした。ブラウンズのQB課題は継続しています。
ひょっとするとカズンズがブラウンズと契約する可能性も十分にありますが、ブラウンズは今年のドラフトでも全体1位指名権をもってます。2018年ドラフトはQBが豊富です。カズンズと比較するとサラリーキャップや、年齢などの面で、ルーキーを獲得したほうが良い気もします。
④DENブロンコス
トレバー・シーミアンや、パクストン・リンチ、ブロック・オズワイラーという駒をもっていますが、どれもフランチャイズQBとして実力不足。やっぱりペイトン・マニングの時代が印象に残りすぎていて、彼ら三人では二枚も三枚も箔が落ちる。
ここにならひょっとすると、カズンズはフィットするかも知れないですね。しかしパクストン・リンチは2mを超える巨大QB。試合にも2017シーズンは2回しかでてないし、彼のキャリアでもまだ出場5回と、実力のすべてをこれで測るのは忍びない。とはいえ1勝しかしてないからねー。彼の評価は難しいところ。GMはまだ新QBにまでメスは入れないのかも知れないです。
⑤ARIカーディナルス
ここにはカーソン・パーマーというQBがいましたが、昨シーズンの怪我でついに引退することを発表されました。ブルース・アリアンズと一緒に、プレイオフにも出場してきたガッツあるQBだったのですが、残念です。それにしても、パッとした引き際、見事でした。後ろ髪惹かれる思いは相当あったと想像します。
さて、エースQBが不在のカーディナルス。QB獲得は目下の課題となります。ここにも充分カズンズはフィットするでしょう。WRラリー・フィッツジェラルドも現役続投を発表しましたし、まだまだパサーが必要。RBにはデヴィッド・ジョンソンがいますし、QB補強で結構つよくなる気がします。
⑥JAXジャガーズ
圧倒的なディフェンス力で、AFCチャンピオンシップ出場まで果たしたジャガーズ。過去長い間「ドアマット」と揶揄されてきた弱小チームが生まれ変わる兆しを見せて来ました。DTカレー・キャンベル、AJボイエ、ジャレン・ラムジーの両CBが作るD#がとにかく素晴らしく、LSUから新規加入したRBレオナルド・フォーネットが課題だったオフェンス力を大きく補強してくれました。
しかし、ここもQBが課題。ブレイク・ボートルズはどちらかというと「ダメな方」のQBで肝心なときにパスミス、インターセプト、レッドゾーンに弱い、と「勝てないQB」です。彼が変わればジャクソンビルは大きく化けると思います。それくらいD#は強い。
しかし、曲がりなりにもチャンピオンシップまでチームを牽引してきたQBを更迭するでしょうか。客観的なスタッツだけで議論するならボートルズは2級かも知れないですが、今年のチーム実績が良かったために、彼にまでメスは届かないと思います。
さて、どうでしょうか。順当に考えると、なんとなくJETSがカズンズと交渉するのが濃厚な気がします。他にはWin-Winな関係が構築できることを期待しています。