王者ペイトリオッツ、という響きがこれほど似合うチームはありません。SB優勝5回、SB出場10回、地区優勝19回と、まさに「キングダム」を作り上げたチームです。2016年シーズンと、主要メンバーをそれほど変えてません。プレイをみても冷静沈着。一人ひとりがやるべき担いをしっかりと理解していて、仕事をこなします。洗練されていて、最後まで絶対に諦めない。理想的なチームですね。
さらにQBトム・ブレイディ率いるオフェンスチームはリーグ1位の実力をもっています。どんなときでもゲームの流れをひっくり返せる力をもっており、2本差、3本差の点差がついていようが、安心はできません。2016年のSB51は、まるで映画かのような鳥肌モノでした。
唯一弱点があるとしたら、ディフェンスチームでないでしょうか。時計を相手チームに握られオフェンスチームにバトンを渡すことが出来なければ、ペイトリオッツの強みは封じられます。さらに対戦相手となるイーグルスの得意技は2人のRBを使ったグラウンドアタック。RBジャイ・アジャイーはスピードで勝るし、RBブラントはかつてペイトリオッツでスターターをしていた選手。弱点も十分理解しているだろうし、相性は最悪と言えるのでないでしょうか。SB52!多いに盛り上がりそうです。
COACHES
HCビル・ベリチック
現在最強のコーチと名高いビル・ベリチック。コーチングツリーの中ではマイノリティにある彼だが、2000年に彼がHCに就いてから、弱小ペイトリオッツを見事生まれ変わらせた。彼と二人三脚でチームを作り上げたQBトム・ブレイディの力も然ることながら、「フットボールの勝利以外捨てる」と言うほど、他の娯楽を楽しむ時間を捨てたような求道者。
- どんな選手であれ平等に扱う
- 個人力でなく、組織の力と戦術で勝つ
- 選手には、能力よりも戦術を理解する知性を求める
をチーム作りのモットーとし、当時突出した能力をもつスター選手が一人も居なかったペイトリオッツをここまで育て上げた辣腕のヘッドコーチ。
- 「All three phace」 オフェンス・ディフェンス・スペシャル 全て大事
- 「Play 60 min」 最後の一分一秒まで絶対に諦めない
- 「Next man up」 一人が倒れたら、次の選手が役目を果たす
彼が次に大事にしているのがこの3点。今シーズンも別段楽なものではなかった。主要選手も次々怪我で出れなくなっていったが、チームを建て直してきたのだ。SB51ではこの三信条がしっかりと体現され、大きな奇跡を生み出した。SB52も素晴らしいゲームを期待する。
OCジョシュ・マクダニエルズ
41歳と若いOC。彼は2009ー2010年とデンバー・ブロンコスのHCをしていた経験がある。残念ながらデンバーでは大きな成果は残せず、ラムズに移籍し、そこでQBコーチをしていた。その翌年の2012年、ベリチックHCからオファーを受け、ペイトリオッツOCの要職につくことになった。以来、6年間変わらずパッツオフェンスのプレイコールを組み立てている。基本的にはショートパスを多用するスタイルだが、トリックプレイも使う。ベリチックの好みかも知れないが、FGよりもギャンブルを狙いに行く。
DCマット・パトリシア
彼もまたベリチックに比べ、1974年生まれの44歳と若い方のDC。2004年からNEペイトリオッツのコーチに就き、当初はオフェンス担当だった。2006年からはディフェンス担当になり2012年からDCに昇進。以来6年間務めている。このSBが終われば、デトロイト・ライオンズのHCになるという噂もある。
STCジョー・ジャッジ
コーチの中では最も若い36歳。大学でのコーチ業を続けた後、2012年からペイトリオッツにお世話になっている。
オフェンスチーム(スターターDepth Chart)
QBトム・ブレイディ#12
2000 / round 6 / 199th pick /ミシガン大
言わずと知れた現役最強QBのブレイディ。SB優勝5つは歴代記録。40歳を迎えた今でも、まだまだ衰えること知らず。SB51での大逆転劇でのブレイディは、NRGスタジアム全員だけでなく、全米を全世界をブレイディワールドに引き込んだ。恐ろしい集中力をもったQB、現役でありながらフットボールの殿堂にはいっても全くおかしくありません。詳しくはこちら。
Cデヴィッド・アンドリュー#60
2015 Undraft ジョージア大卒
ドラフト外選手だけど、2015年からペイトリオッツのセンターを陣取って長い。ベリチックの元で働くOLコーチの指導が素晴らしいのか。アンドリューにそもそも高い素質があるのかわからんが、いいセンターである。51回SB優勝経験。
LTネイト・ソルダー#77
2011draft / round 1 / 17pick /コロラド大
ペイトリオッツで数少ない1巡指名選手。インテリアラインの中で大事な人物。ブレイディの左側をまもって早7年。2回のスーパーボウル優勝を経験している。
LGジョー・サニー#62
2016 / round 3 / 78 pick /ノースカロライナ州立大
昨シーズンにドラフトでペイトリオッツに入団。早速ゲームに出場、16試合フル参加でスーパーボウルリング獲得。そんなに優秀な選手だという評価でなかったけど、ペイトリオッツはOLコーチが素晴らしい。やっぱり指導力って大事だなと思います。
ちなみにサニーは、FCバルセロナのファン。メッシからジャージもらったりしてる。
RTキャメロン・フレミング#71
2014 / round 4 / 140pick /スタンフォード大
強面の顔に似合わず、名門スタンフォード大学出身。彼も指名順は下位のほうだけど、いい仕事ぶり。スタンフォード大のときは、All-Pac-12(PAC12カンファレンスのオールスター)の2ndチームに選ばれてます。
デビューした2014年にSB49で、2016年にSB51のスーパーボウルを優勝してます。やっぱりペイトリオッツは経験値が高い。
RGシャック・メイソン#69
2015 / round4 /131pick /ジョージア大
ジョージア大のときに大学オールスター(All-ACC)のスターターに選ばれてる選手。185cm、141kgという巨艦。SB51の優勝経験あり。手強そう。
TEロブ・グロンコウスキ#87
2010 / round2 / 42 pick /アリゾナ大
リーグ1位のTE。チームのエースレシーバー。リーグランキング10位の実力の持ち主。当たり負けしないフィジカルに加え、超長身の体躯でプレイする姿はさながら進撃の巨人のよう。レッドゾーンでのプレイはまるでバスケットボール。しかし怪我が多いこともあり、昨シーズンはほぼ出場できていない。スーパーボウルという大舞台で、アドレナリンがあがりすぎて、無理なプレイをして怪我をしてしまうと、パッツオフェンスはガクンと落ち込む危険もある。
WRブランディン・クックス#14
2014 /round1 /20 pick /オレゴン州立大
2017年にニューオーリンズ・セインツからトレードした選手。オフェンスチームの中で数少ない1巡指名選手。パッツではTEのグロンコウスキに次いで1,082ydsの記録。その差はたったの2yds。事実上エースレシーバーと見ていい。SBは実は初体験。素晴らしいプレイを期待します。
WRクリス・ホーガン#15
2011 Undraft モンマウス大
2011年にドラフト外選手として、49ersの練習生としてキャリアをスタート。その後NYジャイアンツ、MIAドルフィンズの練習生を経て、バッファロー・ビルズと契約し、ようやくプロデビューした努力の人。ペイトリオッツへは2016年に移籍してきた。彼も、SB52の出場経験がある。ジュリアン・エデルマンの代理として今シーズン大きく活躍してきており、WRとしての自信も十分。期待大です。
WRダニー・アメンドーラ#80
2008 Undraft テキサス工科大
彼も又ドラフト外選手として下積みをしてきた選手。2008年にダラス・カウボーイズの練習生としてキャリアをスタートし、フィラデルフィア・イーグルスの練習生を経て、2009年にLAラムズと契約(かつてはセントルイス・ラムズ)。2013年にペイトリオッツと契約を交わし、SB52に出場し優勝。2017年シーズンのAFCカンファレンス・チャンピオンシップでMVPを獲得と評価鰻登り。スターターとして出てくるか、まだ分かりませんが、他のレシーバーと比較しても遜色ない人です。あと、本当に余談だけど、めっちゃイケメン。
RBディオン・ルイス#33
2011 / round5 /149 pick / ピッツバーグ大
チームのリーディングラッシャー。今シーズンも896ydsを走り6TD。次席のRBマイク・ギリスリーの記録が383yds。イーグルス、ブラウンズ、コルツと移籍をしてきて、2015年にペイトリオッツに移籍。SB51ではもうひとりのRBジェームズ・ホワイトとともに大活躍。優勝経験があり、このSB52でも力強くプレイするでしょう。彼のチームの中でのアダ名は「Jitterbug」ジルバを踊る人、ジャズ好きな人という意味。
RBジェームズ・ホワイト#28
2014 /round4 /130pick /ウィスコンシン大
ペイトリオッツの2番目?のRB。彼は走るというよりもパスプレイでの出番が多い。特にショートパス。レシーブ記録でいうと今シーズンはWRクリス・ホーガンとほぼ同じで429yds。彼がでている場面でフランカーにセット、そしてモーションしてきたらかなり怪しいです。ジェットスイープするか、それともフェイクでランブロック。いろんな場面で活躍する選手です。
ディフェンスチーム(スターターDepth Chart)
LDEエリック・リー#55
2016 Undraft / サウス・フロリダ大
2016年にヒューストン・テキサンズの練習生としてキャリアスタート。その後2017年7月5日にバッファロー・ビルズと練習生契約するが、10月3日に放出が決定。彼を拾ってくれたのがペイトリオッツでした。11月21日NEとプロとして契約を交わします。Week12、ドルフィンズ戦で、4タックル1サックでデビュー戦を飾りました。次のバッファロー・ビルズ戦でも活躍。たった6試合しか出てませんが、19タックル、4つのQBサック、1インターセプトと素晴らしい結果を出してます。少し前まではまさか自分がSBに出場するなんて思ってなかったでしょう。アメリカンドリーム掴んで欲しいです。
DTローレンス・ガイ#93
2011 / round 7 /233 pick / アリゾナ州立大
GBパッカーズからデビューしましたが、その後チームを転々とします。コルツ、チャージャーズ、レイブンズとそれぞれ2年しか契約できない人でした。ペイトリオッツには2017年に契約。今季34タックル1サック。
DTマルコム・ブラウン#90
2015 / round1 /32pick / テキサス大
ディフェンスチームの中で数少ない1巡指名選手。188cm145kgという巨漢ながら40yds5秒という俊足。彼がペイトリオッツのディフェンスの要になります。昨シーズンの2016年、SB51に出場し優勝経験があり、次のSB52でも大切な存在になるでしょう。
RDEトレイ・フラワーズ#98
2015 / round4 /101pick /アーカンサス大
彼もまたSB51の優勝経験者。2015年にはまだ試合出場経験がなかったですけど、2016年からフル出場。2017年も同じくスターターとしてQBサック6回、タックル45回、ファンブルフォース2回と大活躍。今度のスーパーボウルも重要な人物です。彼とマッチアップするイーグルスのRTレーン・ジョンソン。どっちが勝つか見物ですね。
LBカイル・バン・ノイ#53
2014 / round 2 /40pick /BYU
DETライオンズからデビュー。色々伝えたい人ですけど、ひとつだけ言うと、むちゃくちゃ奥さんが綺麗・・・。2014年に指名を受けて4年5億円くらいでライオンズと契約します。しかし3年目の2016年10月、ペイトリオッツは2017年ドラフト7巡指名権と彼をトレードします。移籍後2試合はインアクティブ登録でしたが、49ers戦にデビューし1サック3タックル。12月のWeek14ではキャリア初のインターセプトをラムズ戦で残します。そして彼はペイトリオッツの一員としてSB51に出場し、優勝に貢献しました。
LBエランドン・ロバーツ#52
2016 / round6 / 214pick /ヒューストン大
今シーズン2サック、44タックル。2016年にドラフトを受けてますが、デビュー戦は遅く10月16日、Week7くらいでした。SB51にも出場し2タックルをしています。4人兄弟の下から二人目で、お兄ちゃんは刑事事件を取り扱う仕事をしてて、姉と妹も地元ヒューストンの大学を卒業してます。従兄弟の2人はアイオワ大、オクラホマ州立大で同じくフットボール部に在籍してるそうです。
RCBステフォン・ギルモア#24
2012 / round1 /10pick /サウスカロライナ大
バッファロー・ビルズからデビューしたドラフト1巡指名のスター選手。ペイトリオッツに移籍した2017年、13試合に出場しています。2回のインターセプト、9回のパスディフェンス、47回のタックルと、DB陣の中では2番手につける記録です。当然スーパーボウルは初出場。高い集中力を発揮していいプレイを期待してます。
LCBマルコム・バトラー#21
2014 / Undraft / ウェスト・アラバマ大
第49回のスーパーボウルでゲームを決定づけるインターセプトをした選手として有名になった人です。2015年にもプロボウルに選ばれており、彼のパフォーマンスの高さは折り紙付きです。2016年にもSB51にスターターとして出場しており、経験値では大きなものがあります。次のスーパーボウルも活躍してくるんでないでしょうか。DBとしてステフォン・ギルモアと同じくらいの記録をもってます。
Sパトリック・チャン#23
2009 / round2 /34pick / オレゴン大
大学生のときに2回オールスター選手に選ばれている人。2009年にペイトリオッツと契約してますが、5年目の2013年になんとフィラデルフィアイーグルスと1年間だけ移籍しています。2014年からペイトリオッツに戻ってきて、SB49、SB51で優勝。重要なDBですね。
Sデヴィン・マコーティ#32
2010 / round 1 /27 pick /ラトガー大
プロボウルに2回、オールプロの2ndチームに3回選出されている名セーフティです。ペイトリオッツにいる少ない1巡指名選手ですね。セーフティー業界で最も高い給料をもらってる選手としても有名ですね。また一卵性双生児の兄弟が同じくセーフティとしてブラウンズで活躍しています。
Sデュロン・ハモン#30
2013 / round 3 /91 pick /ラトガー大
おなじセーフティのマコーティと同じラトガー大学。今シーズン4インターセプトと広い守備範囲と抜群のキャッチングセンスの持ち主。マコーティと違いどちらかというとSSのポジションにつくことが多い。QBブリッツにいくことはあまりないと予想する。RBのジェイ・アジャイーをしっかり止められるか、もしハモンが抜かれてしまえば大きくダメージを受けると思います。
スペシャルチーム
Kステフォン・ゴストウスキー#3
2006 / round 4 / 118pick /メンフィス大
プレースキッカーとして、おそらくリーグで1番の成功率をもっている選手です。彼の右足でペイトリオッツは随分助けられたと思います。ペイトリオッツ暦もブレイディに次いで長い名選手ですね。ゴストウスキーはスーパーボウルの経験がこれで5回目。対するイーグルスのキッカーは初体験のルーキーです。キッカー対決になった場合、ゴストウスキーに一日の長ありでしょう。スペシャルチームのプレイにも注目ですね。
ゴストウスキーについてはこちらも御覧ください。
P /H ライアン・アレン#6
2013 / Undraft /ルイジアナ工科大
1990年生まれの28歳。大学時代は72ydsのパントを蹴った記録がある。プロ入り後は、65ydsの最長記録をもっていて、オフェンスチームのピンチを救う重要な人物だと思います。特にペイトリオッツはディフェンスチームがちょっと弱いので、アレンのパントで敵陣に上手く押し込むことができれば、ゲームを優位に運べるでしょう。
PRダニー・アメンドーラ#80/パトリック・チャン#23
アメンドーラは40ヤード走4.58s、パトリック・チャンは40ヤード走4.49s。どちらもペイトリオッツが誇る俊足です。
KR/Gマシュー・スレイター#18
2008 / round 5 / 153pick / UCLA
2008年からペイトリオッツに在籍。5巡指名とは思えないほどのパフォーマンスの持ち主。7回もプロボウルに選ばれており、4回オールプロに選ばれてる名選手です。かつてはWRとして活躍していましたが、今はリターナーやガンナーとして活躍しています。
ガンナーというのは、相手がパントリターンする際に、真っ先に飛び込んでタックルしにいく役割の選手のことです。ですからパンターのライアンが敵陣深く放り込み、スレイターがリターナーに襲いかかる。この2人が機能するとディフェンスチームは大助かり。ライアン同様重要な選手です。
LSジョー・カードナ#49
2015 / round5 / 166pick / 海軍士官学校
失敗できないポジションですよね。2016年にSB出場してますから、大丈夫でしょう。ただなんだか、妙にイラッとする顔してますね。
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