最後のディビジョナル・プレイオフ!
NFC北の覇者バイキングスが勝利しました!
それにしても大逆転だらけの試合展開でした。
ゲーム前の予想では、ダントツのオフェンス力をもつセインツが優勢でないかと、言われておりました。その要素として
- SBを制覇した経験のあるQBブリーズは、トム・ブレイディに負けず劣らずのパッサーです。
- マーク・イングラムⅡ、アルビン・カマラという2人のRBが作る、グラウンド・アタック。
- 空中戦ではマイケル・トーマスがプロボウルに選出されるほどのレシーバーに成長してました。
- ディフェンスチームには、DEキャメロン・ジョーダン、CBマショーン・ラティモアというスター選手がいました
かたや、バイキングスのQBケース・キーナムは3人目のバックアップQB。当然プレイオフは初体験でした。昨年ラムズでスターターQBを張ってましたが、成果はだせず馘首された選手です。ホームゲームとはいえ、彼の肩には過ぎた重圧でないかと思ってました。
それが予想をおおきく覆し、バイキングスが勝利を果たしました。勝負は時の運。という言葉にまとめる以外、納得のいかない形でゲームは閉じましたが、それくらいどちらに女神が微笑むか、エッジの上をあるくような展開でした。
すこしゲーム展開を振り返ってみます。
ゲーム前半戦は、バイキングスが逃げ切るのかという展開。1QにRBのジェリック・マキノンが左スイープから最初のタッチダウンを奪いました。
その後のセインツのシリーズ、ファーストダウン。テッドギンJrにロングパスを挑戦しました。狙いは良かったのですが、バイキングスのFSアンドリュー・センデホ#34は見事にコレをインターセプト。ゲームの流れを一気に奪い返しました。
2Qに突入し、キーナムは左サイドのWRアダム・シーレーンにミドルレンジのパス。相対するCBはファルコンズのフリオ・ジョーンズを見事に封じ込めた、ルーキーのマショーン・ラティモア。シーレーンはドラフト外の生え抜き選手で、こっちはドラフト1巡のスターという対決。経験値と意地で勝るシーレーンの黄色いグラブにしっかりボールが収まりました。本当にいいキャッチでした。
このシリーズをしっかりとタッチダウンに繋げます。エースRBラタビアス・マレーがキャメロン・ジョーダンの横を振り抜いて、中央を突破。セインツのディフェンスもガツンとぶつかりましたが、彼の左腕がヌイっと伸びて、ボールがエンドゾーンに。見事2本目を奪います。途中、FGを一本とってましたので、これで0−17という大量リード。
返す刀で攻めてきたセインツは、バイキングスのエンドゾーン、残り19ヤードまで迫ります。ブリーズをエンドゾーン目掛けてパスを投げましたが、DEエバーソン・グリフィンが伸ばした右手に当たり、OLBのアンソニー・バー#55が見事インターセプト。セインツはゲームの流れをなかなか掴めません。
次のシリーズで1stダウンが奪えなかったバイキングスは、セインツに攻守交代。ここぞとばかりにアルビン・カマラが攻め込みます。WRのマイケル・トーマスも素晴らしいキャッチを魅せてくれました。しかしタッチダウンを奪うことはできない。惜しくもFGトライとなりましたが、このチャンスもKルッツが外してしまいます。セインツ苦しい展開。
後半がスタート、セインツの反撃が始まりました。まずはエースレシーバー、WRマイケル・トーマスにタッチダウンパスが通りました。
そしてキーナムのパスをルーキーFSのウィリアムスが見事インターセプト。このボール位置でブリーズ登場は怖い展開。強いセインツが顔を出してきました。
ブリーズはチャンスをしっかりものにします。エンドゾーン中央の切り込んできたマイケル・トーマスにタッチダウンパスを成功させます。これで14−17と1点差に詰め寄りました。
バイキングスの次の攻撃をセインツは抑えます。しかし、スペシャルチームは49ydsのFGを見事成功させました。これが後のゲームを左右する大きな出来事でした。14−20、バイキングスリードで残り時間は10分です。
残り時間5分、バイキングスのパントをセインツリターンチームが見事ブロック。自陣40ydsで攻撃権が変わります。点差は6点差!ブリーズの出番です!
このチャンスでブリーズは、RBのアルビン・カマラを、フランカーの位置にセット。レシーバーとして走らせて、エンドゾーンにパス成功。相手LBにスピードで勝るカマラのスーパーキャッチでした。セインツは残り時間1分53秒で逆転に成功します。
バイキングスも諦めません。キーナムもWRアダム・シーレーンにパスを成功させます。マンツーマンでついてるCBマショーン・ラティモアは、ここぞというシーンでは勝てませんでした。
この後、53ydsという長い距離をキッカーが見事に仕留めます。また逆転に成功しました。
反撃に開始するセインツ。ファーストダウンが取れず、残り時間45秒で4thダウンギャンブル。ずっとマイケル・トーマスに投げてたのに、このタイミングで初ターゲットになった、ウィリー・スニードが敵陣38ydsでナイスキャッチ。FGレンジに入りゲームを決定づけるプレイでした。
これをルッツが見事しとめます。24−23。残り時間は30秒を切っています。バイキングス万事休すか。
とはいえ、パス一本でまだ逆転可能です。残り時間10秒。正真正銘のラストプレイが始まりました。インテリアラインを5人、RBをブロッカーにセットして、残りの全てをレシーバーに使います。
セインツはタッチダウンを奪われなければ、ファーストダウンを取られても時計が進んで勝利が確定しますので、DBの全員がディープゾーンを守っています。
ショーン・ペイトンHCからは直前のタイムアウトで、「絶対にパスディフェンスするな。キャッチさせて、フィールド内でダウンさせろ」という指令があったはずです。
キーナムはロングパスを投げます!ターゲットは一番遠いところにセットしていたエースレシーバーのWRステフォン・ディグス!
セインツのDBは先ほどインターセプトに成功していたルーキーFSのウィリアムスです。ペイトンHCの指図通り、「レシーバーを外に出さないよう」に、サイドライン側をケアしているのが分かります。
しかし、これをなんと!ミスタックル!
ディグスですら、着地する前にタックルされる予想をしていただろうに、目の前がクリアに開けていました。
プレイしている彼ですら、目の前の事実が信じられないほどの出来事だったでしょう。こんなことあるでしょうか。4Qで4回の逆転劇があるゲームなんて、見たことないです。サヨナラTD。DIGGSに女神が微笑みました。
チームメイトもディグスに駆け寄ります。タッチダウンセレブレーションなんて、誰一人やろうとしてません。素晴らしい光景でしたね。
最後の最後でゲームを決めたのは、ディグスだったかも知れません。しかし、24−23と一点差というゲーム展開を作ったのは、ディフェンスチームだし、オフェンスチームだし、そしてスペシャルチームがFGをしっかり決めてきたからです。もし仮に、FGが一本外れていれば、1つ前のセインツに攻撃権が渡った時点でゲームは決定していました。どれひとつ欠けても勝てなかったのです。
本当に素晴らしいゲームでした。2017シーズンで最高のゲームだったと僕は思います。
さて、次はイーグルス戦です。相手も強敵。僕はどっちを応援していいかわからなくなっちゃいましたwww。二人共チームのバックアップQBです。
実は二人共、元はラムズのQBでした。(右ニック・フォールズ、左ケース・キーナム)僕はキーナムに感情を移入してしましますね。これはAmazonの「All or Nothing2」を観たせいでしょう。カレッジ時代には数々の足跡を残した男ですが、NFLでは鳴かず飛ばずの人生でした。どうか栄光を彼に捧げたいと願います。
さらにもしバイキングスが勝利すれば、NFL初の開催地SB出場となります。ミネアポリスは異常なほど湧くでしょう。それも観てみたい!
ナイスゲーム!ブリーズ!ナイスゲーム!キーナム!見事でした!