よく使われる言葉です。プロスポーツの品位や秩序を維持するために全権を委任されて
いる最高責任者。いわゆる協会のトップを指しますね。日本の警察組織では、コミッショナーといえば警視庁長官を言います。それくらいトップクラスの職務です。ちょっと詳しく説明してみましょう。
what's Commissioner?
NFLのコミッショナーは、NFL全体をマネジメントする権利を持ってます。
チーム数の決定、エキスパンションや再編、またスタジアム建設を始め、テレビ放映権交渉、NFL選手協会との団体労使協定交渉なども行います。
NetflixとかAmazonプライム、YouTubeなどメディア所有権は現在大変複雑化したものを始め、NFL全体のマーケティングにセールス、NFLヨーロッパなどの国際戦略、イベントの運営、経営企画などのリーグ全体のビジネスを成長させるのがコミッショナーの仕事です。
他にも、行動規範をつくり、それに背いた選手の罰則規定を設けたり、ルールを改正したり、審判部門の構造改革や、インスタント・リプレイを導入したり、ゲーム自体の運営にも関わってきます。
歴代コミッショナー
名前 | 在任時期 | ||
---|---|---|---|
初代 | ジム・ソープ | 1920年-1921年 | |
第2代 | ジョセフ・カー | 1921年-1939年 | |
第3代 | カール・ストーク | 1939年-1941年 | |
第4代 | エルマー・レイデン | 1941年-1946年 | |
第5代 | バート・ベル | 1946年-1959年 | |
代理 | オースティン・ガンセル | 1959年-1960年 | |
第6代 | ピート・ロゼール | 1960年-1989年 | |
第7代 | ポール・タグリアブー | 1989年-2006年 | |
第8代 | ロジャー・グッデル | 2006年- |
初代コミッショナーは、ジム・ソープさん。彼については、上記記事を読んでみて。とにかくスゴイアスリートだったらしい。もともとはインディアンだったみたい。
超やり手ロジャー・グッデル
親父はチャールズ・グッデル上院議員。ベトナム戦争を積極的にすすめるニクソン大統領に、徹底して対立した反骨の士でした。父親は息子に、「自分が正しいと思ったことをやりなさい」と教えたそうだ。
高校時代は、スーパーアスリートとして有名でした。アメフト、野球、バスケの3つのクラブを掛け持ちして、その全部でキャプテンをしてました。当然、その高校での年間最優秀アスリートに選ばれてまして、大学には、アメフトの奨学生として進学します。ワシントン&ジェファーソンカレッジという大学ではDBをしてましたが、膝をしこたま故障したらしく、現役続行不可能。彼は、スパッとアスリートの道を諦めて、NFLで働くことを決意しました。大学の時に最優秀経済学賞(Walter payton awards)を受賞するなど、箔をつけてきました。
NFLに入社し鰻登り出世
当時のコミッショナーだったピート・ロゼールに40枚もの手紙作戦で、NFLでアシスタントとして働きます。ピートも熱心な彼の働きぶりに注目して、NYにあるNFLPR部門に彼を配属します。後にメキシコゲーム、ロンドンゲームなどの海外ゲームの企画を立案し、実現にこぎつけてきたのも、ロジャー・グッデルの大きな仕事です。
次のコミッショナーになったタグアリブーは、グッデルを上級副社長(COO)に大抜擢されます。相当やり手なビジネスマンなんでしょう。そして、2006年に脳震盪問題で揺れてたNFLはコミッショナーをグッデルにバトンパス。ということで、現在にいたるまで、グッデルは最高責任者としてNFLの活性化と秩序維持に尽力しています。
つい先日、2023年までコミッショナーの延長契約を締結したとのことで、その年収は日本円にして45億円。なんとトップ選手の年俸のほぼ2倍でした。彼の高給振りに苦言が色々ありますが、きっと同しようもない話でしょう。徐々に選手の年俸も増えていくでしょうし、サラリーキャップの上限も増えていくでしょう。NFL自体が活性化していけば、の話ですが。
他の協会のコミッショナー
アントニオ・グテーレス事務総長 国連
アダム・シルバー NBA
ロブ・マンフレッド MLB
ゲイリー・ベットマン NHL
加藤良三 日本プロ野球
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