赤いマーク、これは有名です。シカゴ・カブスにそっくり。チーフスって、どういう意味かわかりますか?カンザスシティって、カンザスビーフ?そんなチーフスを今回紹介します。
NFLが日本でもっと浸透しますように。
- カンザスシティってこんな街
- カンザスシティの名産について
- カンザスシティは治安の悪さで有名
- カンザスシティのスポーツ
- そろそろアメフトの話に。
- HCアンディー・リード
- オフェンスチーム
- QBパトリック・マホームズ#15
- RB アイザイア・パチェコ(Isiah Pacheco)#10
- RB ジェリック・マキノン(Jerrick McKinnon)#1
- RB クライド・エドワード・イレアー(Clyde Edwards-Helaire)#25
- RB ラミカル・ペリン(La'Mical Perine)#22
- WR マルケス・バルケス・スキャントリング#11
- WR ジャスティン・ワトソン(Justin Watson)#84
- WR/KR メコール・ハードマン(Mecole Hardman)#17
- WR カダリアス・トニー(Kadarius Toney)#19
- TE トラビス・ケルシー(Travis Kelce)#87
- LT ドノバン・スミス(Donovan Smith)#79
- LG ジョー・サニー(Joe Thuney)#62
- C クリード・ハンフリー(Creed Humphrey)#52
- RG トレイ・スミス(Trey Smith)#65
- RT ジャワーン・テイラー(Jawaan Taylor)#74
- FB マイケル・バートン(Michael Burton)#46
- スペシャルチーム
- ディフェンスチーム
- DE ジョージ・カーラフティス(George Karlaftis)#56
- DT デリック・ナディ(Derrick Nnadi)#91
- DT クリス・ジョーンズ(Chris Jones)#95
- DE マイク・ダナ(Mike Danna)#51
- WLB ウィリー・ゲイ(Willie Gay)#50
- ILB ニック・ボルトン(Nick Bolton)#54
- LB ドルー・トランクイル(Drue Tranquill)#23
- CB ジャリウス・スニード(L'Jarius Sneed)#38
- ジャスティン・リード(Justin Reid)#20
- CB トレント・マクダフィ(Trent McDuffie)#21
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カンザスシティってこんな街
まず位置的情報、所在地はミズーリ州になります。トランプ大統領が「カンザス州のカンザスシティ」って言ってましたが、ちょっと正確ではないのです。でも完全に間違いというわけでもない。
カンザスシティは実は2つの州にまたがっています。地図の赤い線が州境で、左がカンザス州、右がミズーリ州です。カンザス側をKCK、ミズーリ側をKCMOというように呼びます。こうして2つのエリアに分かれてるもんで、間違えちゃうよねってことですね。
カンザスシティの都市圏人口は260万人。これら半分はミズーリ州の住民で半分はカンザス州の住民です。しかしどちらも、ダウンタウンに近接するインナーシティほど、貧困層が多く、現在カンザスシティではドーナツ化状態だそうです。
カンザスシティの名産について
カンサスシティの名物は噴水。街のいたるところに総数200超える噴水があります。世界で2番目に噴水の多い街として有名です。(世界一はローマです)
あとやはりBBQです。カンザスシティはステーキやバーベキューで有名。国内では、「Cowtown」や「The BBQ Capital of the world」(バーベキューの首都)などと言われています。一度行って匂いを嗅ぎたいですねぇ。
混乱しがちなんですが、西友とかコストコでよく見る「アンガス牛」ってのは、カンザスビーフでなくて、牛の種類です。日本でいうと、黒毛和種とかですかね。カンザスビーフは、神戸牛とか近江牛とか。そういう感じ。
カンザスシティは治安の悪さで有名
2020年の殺人事件は263件。人口辺りで比較すると、NYの4倍、ロサンゼルスの2倍治安が悪い。しかし、州都ミズーリはこれよりも悪いです。
カンザスシティ国際空港には、ボニーとクライド(銀行強盗や殺人などをしたアウトローカップル)が銃撃戦を繰り広げた酒場の跡地がある。「俺達に明日はない」という映画の原題となってますね。
そもそも昔から企業側が行政と票田による癒着政治(マシーンといいます)により私腹を肥やしてきたことや、裏社会でギャングが活発に暗躍してきた黒歴史がある街です。そういう過去はなかなか一掃できないようですね。カンザスシティというのはそういう街でもあります。
カンザスシティのスポーツ
MLBのカンザスシティ・ロイヤルズ。こちらは最近ですと2015年にワールドシリーズ優勝を果たしています。以前には7回も地区優勝してきた黄金時代をもってるチーム。ちょっとした名門ですね。ロイヤルズが誕生したのが1969年。チーフスが生まれた10年後くらいです。なんで赤くなくて青いんでしょうね?
そろそろアメフトの話に。
さて本題。そんなカンザスシティに所在地を構えるチーフスの本拠地は「アローヘッド・スタジアム」。ゲームの日は周りでBBQするもんで、NFLで一番いい匂いがするスタジアムとして有名。またクラウドノイズ(声援)が一番激しいスタジアムとして有名です。チーフスとアローヘッド・スタジアムで対戦した選手はさぞ辟易するんでしょうね。
チーフスのチームの歴史と戦績
このチームはNFLに対抗する形で設立されたAFLの筆頭チームです。1960年に創設された当初はダラス・テキサンズでした。(この話は別記事にまとめたありますので、御覧ください。)
1963年にチームはダラスから、カンザスシティに移籍しています。そのときに名前を公募して「酋長」の意味をもつ「Chiefs」にしたそうです。
チーム設立後のチーフスは飛ぶ鳥を落とす勢いの強さを誇っていました。AFCとNFCが合併して新生NFLが誕生した年の第1回スーパーボウルに出場。この年はパッカーズのQBバート・ベルが見事MVP。チーフスは敗北。
チーフスの勢い止まらず、その4年後には、QBジョー・カップ率いるミネソタ・バイキングスを撃破し、第4回スーパーボウルを優勝しています。もうAFCの雄!といえばチーフス!だったんですね。
しかしその後は、優勝争いから遠ざかる時期が続いていました。チーム創設以来、地区優勝9回、プレーオフには19回でているにも関わらず、以後スーパーボウルに出場できたのはありませんでした。
そんなチーフスが大化けする時代が来ました。QBパトリック・マホームズをドラフトで獲得した2018年です。彼が加入してからチームは恐ろしい攻撃力をもつ目覚ましい変化を遂げました。
昨シーズン2019年のスーパーボウルでは、見事3度目の優勝を果たし、NFLの新時代を切り開くチームへと変貌を遂げました。記念すべき第一回目のスーパーボウルに出場したチーフスが、記念すべきNFL100周年のスーパーボウルを優勝するとは。なんともドラマチックな展開です。
さて次からは、チーフスを取り巻く監督や選手について紹介します。
HCアンディー・リード
どうですか。あの人そっくりでしょう。NFLの安西先生こと、アンディ・リード。彼はTEを多用するプレイを好む。1958年生まれの59歳。ロサンゼルス市生まれ。
所属 | 担当 | |
---|---|---|
1992年 | グリーンベイ・パッカーズ | オフェンス・アシスタント |
1995年 | グリーンベイ・パッカーズ | オフェンスライン・コーチ |
1997年 | グリーンベイ・パッカーズ | QBコーチ、HCアシスタント |
1999年 | フィラデルフィア・イーグルス | ヘッドコーチ |
2013年 | カンザスシティ・チーフス | ヘッドコーチ |
彼はTEやQBを育てることに定評があります。コーチの歴史上、指折りの勝利回数を誇るまさに大将軍。アンディ・リードについては、スーパーボウル出場の前に詳しく調べました。
詳しくはこちらの記事をご参考ください。
オフェンスチーム
チーフスの魅力は多彩な攻撃力!様々なオプションを実行する多種多彩なオフェンスチームの主要選手を紹介したいと思います。
OCはエリック・ビエニーミーさん。チーフスの多彩な攻撃を作る軍師はこの人です。HCアンディー・リードとの関係も蜜月のごとく素晴らしく、他のチームからの引き抜きもかなり多いようです。
QBパトリック・マホームズ#15
2017年 / 1巡 / 15位 / テキサス工科大学
ドラフト指名権をトレードアップしてまで、当時のGMが獲得したかった選手。それがパトリック・マホームズ。かつてチーフスのQBはアレックス・スミス(現レッドスキンズ)がしてましたが、現在は彼に代替わりをしてます。
マホームズは恐ろしい強肩の持ち主で「爆撃機」というあだ名をもっています。クイックスローで弾丸のようなパスをガンガン通してきます。またポケットからロールアウトしながらアンバランスな体制からでも正確なパスを投げる事ができます。GBのアーロン・ロジャーズのようなQBだと言えます。2020年代を代表する選手になること間違いないです。
RB アイザイア・パチェコ(Isiah Pacheco)#10
2022 / 7巡251位 / ラトガース大学
2年目の若手RBです。デビューの2022年に、スーパーボウルで大活躍して一気にNFLに名を広めた選手ですね。名前の「パチェコ」が絶妙によい響きで、何度も口にしたくなる。素晴らしいカットバックの持ち主で、稲妻のように敵陣を切り裂くランは、見るものを惹きつけます。
RB ジェリック・マキノン(Jerrick McKinnon)#1
2014 / 3巡 96位 / 南ジョージア大学
バイキングス、49ersから移籍した選手。2019年シーズンにはチーフスとスーパーボウルで対戦して逆転負けを経験してる。そんな選手が今度またスーパーボウルに登場。面白い因果。
RB クライド・エドワード・イレアー(Clyde Edwards-Helaire)#25
2020年/ 1巡 / 32位 / LSU
2023のスーパーボウルには怪我で出場できませんが。名門ルイジアナ州立大学でRBを務め、無敗の全米制覇に貢献した名選手です。2020年ドラフトでチーフスが第一指名しました。大変長い名前なんですが、エドワードは母方の姓、イレアーは父方の姓。離婚した両親の二人の苗字を背負ってる選手です。
↓彼について詳しくは、こちら2020年ドラフトを参照ください↓
RB ラミカル・ペリン(La'Mical Perine)#22
2020 / 4巡 / 120位 / フロリダ大学
オレンジボウルのMVPとしてドラフトにエントリー。ガッツリぶつかってきて、セカンドエフォートが強烈なガッツがある選手。技術ももちろん高いけど、体を張った泥臭い感じのプレイがアメフトっぽい。
WR マルケス・バルケス・スキャントリング#11
2018 / 5巡 174位 / 南フロリダ大学
元はパッカーズから氏名された選手。2021年までアーロン・ロジャーズのレシーバーとして活躍してて、5年目になる2022年シーズンに移籍。平均で500yds未満の記録しか出してない選手なので、メインパスターゲットという感じじゃない。
WR ジャスティン・ワトソン(Justin Watson)#84
2018年 / 5巡 / 144位 / ペンステート
バッカニアーズから指名されてデビューした選手。トム・ブレイディがいた時代にスーパーボウル優勝の大舞台も経験していて、腕前は保証済み。2022年シーズンからチーフスにきてる。年間で500yds未満の記録しかない。
WR/KR メコール・ハードマン(Mecole Hardman)#17
2019年/ 2巡/ 56位/ジョージア大学
スピードをもったレシーバーであり、リターナー。40ydsを4.33sで走る快足はチーム随一かも。スーパーボウルには怪我のためクエッショナブルですが、出場のチャンスがありそうです。
WR カダリアス・トニー(Kadarius Toney)#19
2021 / 1巡 / 20位 / フロリダ大学
1巡のスターレシーバー。元はジャイアンツに2021年と2022年いました。チーフスが10月27日に3巡+6巡と引き換えにトレード。1巡というほどの評価じゃなかった選手です。スーパーボウル初体験。張り切って欲しい。アラバマ州生まれで高校時代はQBも経験してます。
TE トラビス・ケルシー(Travis Kelce)#87
2013年 / 3巡 /63位 / シンシナティ大学
チーフスのエースレシーバー。またNFL最強TE。193cmで110kgを超える体格。パワー、高さ、キャッチング力、アフターキャッチは、チーフスの多彩なO#の起点ともなっています。
記録4年連続で1,000yds超、NFL史上彼だけです。それなのに、タイトエンドって金もらえないポジションですね。後々彼らの待遇が変わることを期待してます。
LT ドノバン・スミス(Donovan Smith)#79
2015 / 2巡 / 34位 / ペンステート
タンパベイ・バッカニアーズから指名されてデビューした選手。ブレイディ時代にスーパーボウル優勝を経験しているし、プロ歴も9年目。安定して頼れる、なかなかのベテラン。
LG ジョー・サニー(Joe Thuney)#62
2016 / 3巡 / 78位 / NCステート
長年ペイトリオッツのセンターだった選手。オハイオ州の生まれ。一番スーパーボウル経験は3回、優勝2回で、もっとも経験豊富。
C クリード・ハンフリー(Creed Humphrey)#52
2021 / 2巡 / 63位 / オクラホマ大学
デビューしたのがweek1のブラウンズ戦からと、離陸の早かった選手ですね。オールルーキーに選ばれてます。スーパーボウル優勝にもしっかり貢献し、OLユニットの中心的人物です。
RG トレイ・スミス(Trey Smith)#65
2021 / 6巡 / 226位 / テネシー大学
大学時はBLM運動に熱心に参加。今年は2年目。もちろんスーパーボウルは初体験。楽しみだろうな。
RT ジャワーン・テイラー(Jawaan Taylor)#74
2019 / 2巡 / 35位 / フロリダ大学
ジャガーズでデビューした選手ですね。FAになりチーフスと契約。
FB マイケル・バートン(Michael Burton)#46
2015 / 5巡 / 168位 / ラトガース大学
ライオンズで2年、ベアーズで2年、セインツ、レッドスキンズを経て2021年からチーフスへ。アメリカ大陸いったりきたりだな。でも、その苦労の甲斐があってスーパーボウルへ登場。フットボール選手冥利に尽きる。
スペシャルチーム
Kハリソン・バトカー(Harrison Butker)#7
2017年 / 7巡 / 233位 / ジョージア工科大
フィールドゴールの成功率が2019年シーズンで1位。ただし蹴った回数も1位。チーフスO#はじわじわ攻める方ではないので、プレースキッカーの出番も比較的多い。D#チームが強い相手だと、バトカーの得点力はめちゃくちゃ重要なんですね。
Pトミー・タウンセンド(Tommy Townsend)#5
2020年 / ドラフト外 / フロリダ大学
デビューしたてのルーキー選手。パンターとしてなかなか優秀。2020シーズンは、50パントして2,257yds戻して、平均45.1ydsです。スーパーボウルでも活躍期待。
ディフェンスチーム
チーフスの魅力は多彩なオフェンス。しかし、ディフェンスチームもすごい。なんとリーグ7位の防御力をもっているんです。オフェンスは客を呼び、ディフェンスは勝利を呼ぶ。その名の通り、チーフスD#は見事スーパーボウル優勝に貢献しました。
DCはスティーブ・スパニョーロ(Steve Spagnuolo)さん。ラムズで3年HCをして、その後はセインツ、レイブンズ、ジャイアンツのDCをしてきました。2019年からチーフスD#を指揮してます。
DE ジョージ・カーラフティス(George Karlaftis)#56
2022 / 1巡 / 30位 / パデュー大学
チーフスがこのドラフトで2番に指名した選手。間違いなく大物に育ってきてます。QBサックは6本でまずまず。イーグルスOLにどのように立ち向かうか楽しみ。
DT デリック・ナディ(Derrick Nnadi)#91
2018 / 3巡 / 75位 / フロリダ州立大学
ナディは、QBマホームズの1年後輩になる2018年組です。ノーズタックルらしい140kgを超える体格で、チーフスD#チームの中では最も脚が遅いですね。基本的にはやはりランストッパーとして機能します。
DT クリス・ジョーンズ(Chris Jones)#95
2016/ 2巡 / 37位 / ミシシッピ州立大学
身長197cm、体重141kgのタックル。体重も立派ですが、40ydsでも5.03sの脚をもっていて、かなりクイックネスもある選手です。
DE マイク・ダナ(Mike Danna)#51
2020 / 5巡 / 177位 / ミシガン大学
WLB ウィリー・ゲイ(Willie Gay)#50
2020 / 2巡 / 63位 / ミシシッピ州立大学
ルーキー年に1サック、タックル39本を記録。これから伸びてきそうな予感・・・。
ILB ニック・ボルトン(Nick Bolton)#54
2021 / 2巡 / 58位 / ミズーリ大学
昨年デビューの新人ラインバッカー。今年は108タックル(solo)でリーグ2位。ボールに執着心強くいい選手。大学時代はSECのオールスターにも選ばれてます。
LB ドルー・トランクイル(Drue Tranquill)#23
2019 / 4巡 / 130位 / ノートルダム大学
CB ジャリウス・スニード(L'Jarius Sneed)#38
2020 / 4巡 / 138位 / ルイジアナ工科大学
難読スペルの選手の一人。
ジャスティン・リード(Justin Reid)#20
2018 / 3巡 / スタンフォード大学
2021年までテキサンズでプレイして、チーフスには2022年から移籍。今期はパスD#が7回QBヒット4回と、かなり活躍してる。あのQBキャパニックと一緒にニーダウンしてた、エリック・リードの弟。ポジションも同じくセーフティ。こっちのほうがイケメン。
CB トレント・マクダフィ(Trent McDuffie)#21
2022 / 1巡 / 21位 / ワシントン大学
今期新人の選手。先日のベンガルズ戦でも6タックル、1サックを上げる活躍。スーパーボウルは初体験だけど、大きな仕事をしてくれそうな予感。きっとAJブラウンとマッチアップ。