いよいよ僕が大好きなチームを紹介します!
嬉しい!!
本拠地シアトルにあるチームです。日本人ならイチロー選手がいったMLBのマリナーズを連想するでしょう!しかし、NFL民からすると、シアトルといえばシーホークス!なのです!
なんだかこのチームがかっこいい。見ちゃうんですね!!!
今回の紹介記事では、シアトルの所在地であるワシントン州、そしてフランチャイズシティのシアトル、そしてチームの紹介と情報を掘り下げていきます!
それでは、どうぞ〜〜!
NFLが日本でもっと浸透しますように。
- ワシントン州の情報
- ワシントン州の歴史
- シアトルの特徴
- シアトルの歴史
- シアトルのスポーツ
- これがシーホークスだ
- チーム誕生の歴史と戦績
- 現在のオーナーは「IT大富豪」ポール・アレンの妹
- 本拠地はセンチュリーリンク・フィールド
- ヘッドコーチはピート・キャロル
- O#チーム主要選手
- LT ジョージ・ファント(George Fant)#76
- LG レイクン・トムリンソン(Laken Tomlinson)#78
- C ニック・ハリス(Nick Harris)#52
- D#チーム主要選手
- LB トレイ・ドッドソン(Tyrel Dodson)#25
- LB ジェローム・ベイカー(Jerome Baker)#55
- SLB ユーチェンナ・ンソウ(Uchenna Nwosu)#10
- D# 2ndチーム
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ワシントン州の情報
ワシントン州はここにあります。西海岸の最北部、カナダの国境に接しており、南はオレゴン州、東にアイダホ州という位置です。
人口は630万人。実はこれ結構多くて、全米で13番目です。なかなかですよね。
別名、エバーグリーン州。これが州旗です。緑がおおくて、山・川・海・湖などの大自然と共存しているのがこの州の特徴です。州として登録されたのが1889年。アメリカでは42番目の州です。独立戦争の英雄、建国の父、初代大統領のジョージ・ワシントンから名前を拝借して、ワシントン州と名付けられました。
ワシントン州の拡大図です。いくつか町があるわけですが、川みたいに見えますが、これはピュージェット湾といいます。この湾内に主要都市シアトル、がすべて固まってるという感じです。最大都市がシアトルで、都市圏人口で350万人くらいです。
州都はオリンピアといいます。ここは人口が少なくて、4万人くらいしかいませんが、都市圏人口でいうと、25万人とまずまず。ここが州内政治の中心地です。
ワシントンの名産はサーモン・さくらんぼ・牡蠣です。古くインディアンが狩猟生活しているときから、ここはサーモン事業が成り立ってました。そして、チェリーですね。日本の佐藤錦と同じくらい甘くて美味しいさくらんぼがたくさんなってるらしいのです。
生牡蠣は10種類くらいあるそうです。アメリカ人は世界で最も牡蠣を食べる国民らしく、ワシントン州は牡蠣の養殖地として、かなりの量を生産しているそうです。オイスターのブランドは、オリンピア、クマモト、パシフィック、至極、屈指、バージニカ、トッテンバージニカと色々あるわけですが、なぜか日本語がやたら混じってます。これあとで解説します。
すばらしい自然の代表がレーニエ山(Mount Rainier)です。別名タコマ富士とも言われます。標高4392Mと富士山より700Mほど高く、富士山のように単独峰の美しさを誇ってます。ワシントンの色々な町から、この山を望むことができ、みんなの大事なアイデンテンティティになってます。
レーニエ山がこのマウントレーニアのもとです。一度は飲んだことあると思います!僕なんか、シールを集めて応募すると、なんか記念品が絶対もらえるキャンペーンしてくれてるんで、いつも買ってしまっています。さて余談はこれくらいにしましょう。
ワシントンは数々の世界的大企業が生まれた場所です。まずは世界中の誰もが使ったことあるマイクロソフト。ウィンドウズを開発して、EXCELで働き方をゴロリと変えた怪物企業です。今でもビル・ゲイツはワシントン州シアトルに住んでます。
そしてアマゾンも、ワシントン州発祥の大企業です。こんなヘンテコチンな建物が、アマゾンの本社(HeadQuarter)なんですね。うーん、アマゾン使ったことないっ人いるのかな。いないんとちゃう?一度行ってみたいですね。本社見学ツアーとか多分ありそう。
そしてスターバックスもワシントン発祥。これがスタバの本社です。意外や意外、ちょっとダサいですよね。古い昔の市役所みたいで。時計の上にアイコンの人魚がチョコンと顔だしてる、なんか面白いデザインだなあ。
他にもこれだけの会社がワシントン州生まれ。ソフトバンクの孫社長が買収してたT Mobileは国内3位の通信会社、コストコは日本でも良くお世話になってます。ゲッティイメージはたまにブログで使う。ボーイングは現在本社はシカゴに引っ越してるけど、もともとワシントン州。ノードストロームはアメリカでいう伊勢丹みたいな百貨店です。
ワシントン州はテック系産業で元気なエリアです。若者へブームを起こしたSnap Inc.がシアトルに支社をもってたり、GoogleやFacebookと同じく、ソフトウェアの開発チームがここワシントン州で活動しています。
ワシントン州はかなりリベラルな気風があります。同性婚は州法で認められてて、2012年12月に州内で最初の同性婚がなされました。写真は、LGBTの合同結婚式みたいなやつ。アメリカはロッキー山脈(レッドカーテン)を境に、一気に保守からリベラルに変わるよね。こういう気風が様々なテック系企業が生まれる土壌なのかもしれないね。
教育面では、ワシントン大学が有名です。1861年創設で州で最も歴史があります。ここは英語で書くと「University of Washington」で、良くUW(ユーダブ)と呼ばれます。生徒数48,000人とかなりのマンモス校であるにも関わらず、US News & World Reportによる Best Global Universities 2019で世界10位にランキングされる超賢い大学。詳しくは検索してみて。
この大学出身で、最も有名な人は、ブルース・リーでしょう。漢字名「李小龍」はイギリス領香港生まれですが、ワシントン大学の哲学科に通ってます。大学を卒業後は、武道家として歩みましたが、ご縁でテレビにでることになり、アクションスターになりましたね。
もうひとつは、ワシントン州立大学。「Washington State University」の頭文字をとってWSU(ワズー)と呼ばれます。ややこしいのが、ワシントン大学も州立(公立)なんですよね。なんでこんな似た名前つけるのか。設立は1890年。生徒数は2万人。
マイクロソフトの共同創業者である、ポール・アレンさんは、ここの卒業生です。写真の左の人ね。シーホークスの2代目オーナーでもあり、シアトル、ワシントン州の発展に大きく貢献した偉人でした。2018年10月に65歳の若さでお亡くなりになりました。
両校、UW(ハスキーズ) WSU(クーガーズ)はどちらもフットボールの名門です。NCAAの一部リーグ、PAC-12カンファレンスに属するライバル校です。だから直接対決の天王山は、まるで早慶戦のように大盛りあがりするそうです。
おお、かなり長くなってしまった。次は州の歴史について調査します。
ワシントン州の歴史
この地域を初めて発見したのが、1778年,イギリス人探検家ジェームズ・クックです。この写真の人、通称キャプテン・クックですね。だけど彼は岬を発見しただけで、内陸を探検したり具体的な入植行為には至っていません。
実際に内陸部が調査し探検されたのは1792年。アメリカ人のロバート・グレイ船長がファーストステップです。年表に詳しい人にはわかると思いますが、ワシントン州が発見されたとき、既にアメリカは独立しています。
ロバート・グレイ船長が見つけた大きな川。彼は自分の船コロンビア号から、これをコロンビア川と名付けました。いまでいうオレゴン州とワシントン州の境目になってますね。
当時、原住民のインディアン部族は、鮭・オヒョウ(大きなカレイ)、鯨などで生活してました。日本でいう樺太アイヌみたいな感じだね。ここに住んでいた部族は、女性と男性の格差がなくて、みんなが平等だったそうです。こういうところが、今のシアトルの文化にも影響を残してます。
1847年、アメリカ開拓民とインディアンの戦争が起こります。文明発展を加速化させたいアメリカ人と、自然が破壊されることからインディアンは戦うことを選択します。カイユース戦争、ヤキマ戦争と呼ばれ、1858年まで12年つづきました。そしてアメリカが勝利し、インディアンは土地を追われます。
この戦争で最後まで武力衝突をやめるよう奔走したのがシアトル酋長です。彼の平和への情熱と類まれなるリーダーシップ。アメリカ人たちは彼に敬意を示し、後に町はシアトルと名付けられました。
そして1889年11月11日、ここは42番目の州として認可されます。アメリカ合衆国初代大統領、ジョージ・ワシントンの名前をもらい、ワシントン州と命名されます。サクラの木を折るエピソードと、州に良く生えてるサクラを重ねたのかもしれないですね。1900年以後は、製材業や漁業で儲けるようになります。
1929年に世界恐慌を切り抜けた公共事業が、グランド・クーリー・ダムの建設です。オレゴンとの間に流れるコロンビア川を使った超大スケールのダムで、この大事業で失業者対策が成功。1941年完成当時は全米最大のダムだったそうです。
1939年に第二次世界大戦が勃発。ワシントン州は軍需産業の中心地として再度発展します。ワシントン州に設立されたボーイング社がガンガンと重爆撃機を生産します。ここで作られたのがB-29です。グランドクーリーダムの電力を使い、ハンフォード原子力工場で開発が進み、ボーイングのB-29が広島に原子爆弾を運びました。
そして戦争が終わり、戦後は様々な産業が興り、ワシントン州は順調に成長していきます
さて、次からはシアトルの紹介に行きます。長いなぁーーー。大丈夫か、この記事。
シアトルの特徴
シアトルは州内最大の都市。シティ単独60万人、都市圏人口350万の大都会です。緯度は北海道よりも高く、南樺太と同じくらいです。だけども氷点下になることは少なく、温暖なエリアです。これは海が暖流で温かいからです。また台風もなく、雪も降らないと、マジ神エリアです。
大都会と海・山・川、豊かな自然が共存する。これがシアトルの素晴らしいところ。レーニエ山やオリンピア国立公園などがもつ大自然にすぐアクセスできる立地をもち、町では都会的な生活ができる。まじでいいとこ取りの最強ロケーションです。
シアトルは別名「エメラルドシティ」と言われます。これはオズの魔法使いからきてます。ドロシー一団が緑色に光る町を見つけるエピソードですね。シアトルの素晴らしい摩天楼を、オズの町になぞらえてるんですね。シーホークスのチームカラーで蛍光緑が使われるのも、このブランディングと影響してます。
観光名所はパイク・プレース・マーケット。1907年8月17日にできたアメリカの公設市場の先駆けとなった場所です。スターバックスの1号店があるのも、ここです。フィッシュマーケットや、1万ドル貯金される金の豚も人気ですね。
ブルース・リーのお墓があるのもシアトルの名物かも。レイク・ビュー墓地には息子のブランドン・リーのお墓と並んでたってます。今でもファンが絶えずお花が捧げられてますね。
スペース・ニードルはシアトルのシンボルとなってます。1962年シアトル万博の時、建設された展望台タワーです。マグニチュード9.1クラスの地震に耐えられるらしい、マジかよ!今まで3回飛び降り自殺があったらしいですよ。もう建設されて60年経過するからね。シアトルといえばという代名詞だよね。
この奇天烈な建物は、ポップカルチャー博物館。Museum of Pop Culture in Seattle Washington と呼びます。フランク・ゲーリーが設計した建物です。これもシアトルらしいというか、ちょっとおもしろいですよね。中にはジミヘンが使ったギターとか、そういうロックンロールなアーカイブとなってます。
シアトル公立図書館も奇天烈建築の代表格です。オランダ人建築家、レム・コールハースがデザインしたシアトル公立図書館は観るものを圧倒させるデザインをもっています。皮膚をつくる建築家と呼ばれてるのも納得です。
そしてかの有名なスターバックス・コーヒー発祥の地でもあります。聖地巡礼したいですね。マーケットにある1号店は今でも創業当時のロゴマークを使ってます。うーん、うんうん、さすが粋ですね。なんか、いい街ですよね。
さて、次、少しだけシアトルの歴史を紹介します。
シアトルの歴史
シアトルが誕生したのは1853年。当時は森林資源から材木を伐採製材して、ゴールドラッシュで賑わうサンフランシスコに運んで儲けてました。当時、こういう仕事をしてたのは、荒っぽい独身男性たちばかり。港湾都市でありながら、ここには酒場と売春宿がたくさんあったそうです。
製材業や港湾で働く独身男性を楽しませる、いわゆる売春宿。当時の7代目市長ヘンリー・イエスラー(Henry Yesler)の時代にシアトルは没落していきます。売春が主要産業となり、無法な町として悪名高くなっていきます。
カナダのクロンダイク・ゴールドラッシュでシアトルは成長します。別名アラスカ・ゴールドラッシュと呼ばれたこの事業は、1896年から採掘がスタートし、アラスカの玄関口であった港湾都市シアトルに好景気を呼び込みました。
このゴールドラッシュは、シアトルに多くの移民を呼び込みました。外国移民でもっとも多かったのが、なんと日本人です。1896年に日本郵船株式会社が、横浜-シアトル間の運行を開始。当時のシアトルは、ロサンゼルスに次ぐ日本人移民で湧いていたそうです。
これが明治29年8月3日に発行された新聞です。米国航路開始、日本米国の定期航海、毎月1回おこなう。ワシントン州のシアトル港と横浜、そしてホノルル港へ寄稿する。第一便は三池丸が神戸を出、8月5日に横浜港からシアトルへ出発する。と書かれてます。
1903年には、講道館創設者の嘉納治五郎先生が、シアトル道場を開設。日本人はまるで入植民のように、シアトルにコミュニティをどんどん形成していきます。
日本人の性格とか文化性を、シアトルの人たちは受け入れてくれたようで、日本人コミュニティである日本町は、1930年には1万人に達するほどの規模となりました。当時マイノリティでは最も最大派閥だったのが、日本人だったというのは今では不思議でなりません。
日本人町の大通りに店を構えていた三輪堂の写真です。キングサーモンや図書を扱っていた商店だったようです。移民の日本人と現地のシアトル人とがともに働いている姿が残っています。仏教寺院や神社などが建設され、日本人が経営するホテルが6つもあったそうです。
この時代に生まれた子どもたちが日系二世です。彼ら彼女たちは、後に反アジア人思想が強いアメリカ人たちから、人種差別を受けることになったそうです。日本の考え方を捨て、アメリカの理想に同化しようとするも、やはり人種の壁はなかなか超えられず、厳しい時を過ごしたそうです。
1941年に大日本帝国軍が真珠湾を攻撃。日本とアメリカで戦争が起こります。日本軍はアメリカに奇襲攻撃をかけ、ハワイの基地は大打撃をうけます。こうしてアメリカに住む日本人移民たちは、輪をかけて差別を受けるようになります。1万人近くいた日本人町も一ヶ月と経たず、全てが解体されるという変化がありました。(この辺の歴史はデンバー・ブロコンスの紹介記事でも記述しています。)
戦後順調に成長してきたシアトルですが、1970年にボーイングショックがおこります。ジャンボジェットで有名な、ボーイング747の開発で、会社は2000億円の資金を借りていました。しかし同時に開発してたのが、フランスのコンコルドと競ってた超音速飛行SST。これが大失敗。大規模なレイオフを実施して、町には失業者が溢れました。
ボーイング社の雇用は15万人とも言われており、依存率が半端なかった。シアトルは圧倒的な不況になり、ボーイングショック、ボーイングバストなどと言われます。その後景気が戻り、ボーイング747の成果がでて、また街は元気を取り戻すようになります。
1990年からは、マイクロソフトやテック企業が街を牽引します。Windows3.1が1990年にローンチされ、1995年には、Windows95が発売。シアトルはMS社の成長のおかげで安定した経営が維持できるように成長しました。
さて、いよいよ、スポーツの話題に移ります。
シアトルのスポーツ
MLBはシアトル・マリナーズ。1977年創設と歴史も浅い、若いチームかと思います。イチローがいたチームとして有名ですね。他にも、マック鈴木、大魔神佐々木、城島、岩隈久志、川崎宗則、菊池雄星などスターが所属してました。MLB30チームのうち、唯一ワールドシリーズに出たこと無いです。
NHLでは、シアトル・クラーケンが2021年からスタートします。海の街シアトル、スカンジナビア系移民が多い街にぴったりなネーミングですね。
MLSはシアトル・サウンダース。2007年創設。シーホークスと同じ、センチュリーリンク・フィールドを使います。エンブレムに、スペース・ニードルが使われてます。
W NBAではシアトル・ストーム。女子チームの試合も面白そうです。2018年のチャンピオンチームですね。
これがシーホークスだ
シーホークスは、その名の通り、海の鷹。カージナルスを紹介した記事でも書きましたが、鶚(みさご)というこんな鳥がチームの名前になっています。英語で書くと「Seahawk」となります。
ネイビー、ブライトグリーン、ホワイトのカラーのバランスが非常にカッコよく爽やか。僕はNFL32チームの中で、シーホークスのデザインが一番好きです。テキサンズもかっこいいよね。
まだまだできて歴史の無いチームではありますが、カンファレンスチャンピオン→スーパーボウル出場を3度経験している強いチームですね。モチーフの海鷹(もしくは鶚(みさご)がかっこいいです。
通称「爆音軍団」と呼ばれた最強DBチームはシーホークスの稼ぎ頭でした。LBボビー・ワグナー、SSキャム・キャンセラー、FSアール・トーマス、CBリチャード・シャーマン。ハード・ヒットを信条とし、全員が俊足と高い跳躍力をもっていました。
このディフェンスチームの猛烈果敢な戦いぶりから「爆音軍団シーホークス!」(英語では、"Legion of Boom")と畏怖を込めて呼ばれていましたが、今ではもうボビー・ワグナーしか在籍しておらず、伝説のひとつになってしまいました。
チーム誕生の歴史と戦績
シーホークスは1976年生まれです。1976年にNFLのエキスパンション(26から28チームへと増加)にて誕生したチームです。もう一つはタンパベイ・バッカニアーズが誕生しています。
これが設立当時のメンバーの写真です。NFLエキスパンションっていっても急にチームができたわけでなく、前々からプロのスポーツチームを作ろうという運動がしっかりありました。誘致運動をしようと街をあげて、組織ができたのが1972年でした。
そのコンソーシアムの中心にいたのがノードストロームです。(写真は創業当時のノードストロームの様子)。ここから全米展開する巨大デパートに成長するんですね。ノードストロームの創設者ジョージの息子、ロイド・W・ノードストロームがシーホークスの初代オーナーに就任しました。
1988年にオーナー権が移ります。ノードストロームから、不動産屋のケン・ベーリングに売却されます。8年後の1996年、彼はシアトルからロサンゼルスにチームを移すと言い出して、地元の大反対を受けるようになりました。
1996年、シーホークスを守ったのが、マイクロソフトの共同創業者ポール・アレンです。 彼は地元愛に溢れていて、数々の慈善事業も会社経営と同時にやっていました。ベーリングの振る舞いに我慢ならず買収を決定したようです。アレンのオーナーシップが長期に続き、シーホークスは安定した経営をするようになります。
2005年シーズン、初めてシーホークスはスーパーボウルの大舞台にでます。第40回スーパーボウルはロスリスバーガーが初タイトルを取り、スティーラーズの勝利に終わりました。ですが長期低迷してきたシアトルにとっては、僥倖の出来事でした。
シーホークスが初のタイトルを取るのが、2014年第48回スーパーボウル。QBラッセル・ウィルソン、RBマショーン・リンチ、そして爆音軍団D#チームを擁するシーホークスは圧倒的な攻撃力をもち、シーズンを席巻。勢いそのままブロンコスを撃破し、スーパーボウルを優勝しました。
ラッセル・ウィルソンはスーパーボウルMVPを獲得。このシーズン以来、ずっとシアトルのスターQBとして、チームの柱になりました。この1年だけのフロックではなく、彼は今でもNFLで1位2位を争うQBです。そして、翌年もシーホークスはスーパーボウルに出場します。
第49回スーパーボウルは悔しさが残る敗北でした。ペイトリオッツとの対戦で、残り26秒、2ndダウン。誰の目にもスーパーボウル連覇が目前。しかし、ここからパスインターセプトされてゲームセット。このプレイコールをしたHCのピート・キャロルはいまだに議論の槍玉に挙げられてるようです。
ここから折れないのがマジでスゴい。「叩きのめされても、一流はすぐ立ち上がる。二流は時間がかかる。三流はグランドで横になる」。これはフットボールでよく言う名言ですが、まさにその言葉どおり、彼はすぐに前を向き、戦う姿勢を見せました。これが最強の男の姿だと思うのです。
現在のオーナーは「IT大富豪」ポール・アレンの妹
ポール・アレンさんは2018年に悪性リンパ腫のため他界されました。シーホークスの所有権は、現在妹さんのジョディに移っているようです。
彼女が暫定オーナーとされるジョディ・アレン(Jody Allen)さん。違う人物にオーナーシップを売却するのか。はたまた彼女がそのまま遺志を継ぎ経営するのか。将来の注目案件です。
次期オーナーの最有力候補はベゾスでないかと。地元シアトルの巨大企業、アマゾン社のCEOです。資金力も経営センスも抜群です。しかし、シアトル市民からはアンチアマゾンの人も多いみたいで、どうなるやらというところです。
本拠地はセンチュリーリンク・フィールド
シーホークスのホームスタジアムは、センチュリーリンク・フィールド(CenturyLink Field)。2000年に着工し2002年に開業。総工事費が$430M。現在の価格では$611M(≒650億)ぐらいと言われてます。
ここは観客の声援(クラウド・ノイズ=声援というか騒音)が大きいことで有名です。フィールドの長辺方向、両翼を包み込むように設計された観客席と庇が、応援する声を反響させ、まるで騒音かのような振動を起こします。
2014年に137.6dbのギネス認定を受けてます。この測定で世界一うるさいスタジアムとしてワールドレコードを更新。ちなみに同じくらい騒音が激しいのが、チーフスのアローヘッドスタジアムです。非公式ですが、142.2DBの記録を出してます。
以前、2000年までは、このキングドームを使っていました。シアトル・マリナーズもここを本拠地にしてて、MLBとNFLのダブル使いだったんですね。このドームは爆破解体されて、その跡地に現在のセンチュリーリンク・フィールドが建設されてます。
これが現在の配置です。キングドーム跡地にNFL。その南にマリナーズの本拠地、Tモバイルパークが建設されました。
ヘッドコーチはピート・キャロル
とにかく、猛烈な破壊力をもつシーホークスは強いチームです。その強さの裏付けは2010年からHCをしているピート・キャロルの存在が大きいですね。
HCの中では65歳と最高齢にも関わらず、吠える吠える、熱い熱い。そしてその采配たるや、なんとも若々しい。彼が入ってからのシーホークスは本当にカッコイイし、見ていて楽しいゲームが多い。
1984年にバッファロー・ビルズのHCをしてから、バイキングズ、JETS、49ers、ペイトリオッツと、転々として、2010年にシーホークス。ここで腰を据えることができたんですね。おめでとうございます。
O#チーム主要選手
O#チームを指揮するのは、1973年生まれのブライアン・シュッテンハイマーさん(Brian Schottenheimer)。キャリア21年目のベテランコーチです。シーホークスと契約したのは2018年からで、3年目のキャリアを迎えます。
QB ジーノ・スミス(Geno Smith)#7
2013 / 2巡 / 39位 / ウェストバージニア大学
JETSからデビューしたQB。2019年からシーホークスに移籍してます。QBウィルソンのバックアップとして在籍してましたが、当のウィルソンがブロンコスへトレード。繰り上がりでスターターになるか、別のQBが来るかの瀬戸際。
RB ラシャード・ペニー(Rashaad Penny)#20
2018年 / 1巡 / 27位 / サンディエゴ州立大学
エースRBにしていきたい選手。18シーズンのランは419yds。もっと伸ばしていきたい。彼の兄はNYジャイアンツでフルバックをしているそうです。
RB ケネス・ウォーカー三世(Kenneth Walker)#
2022 / 2巡 / 41位 / ミシガン州立大学
ミシガンステート、スパルタンズ出身のRB。大学時代にウォルター・キャンプ賞を受賞してます。テネシー州アーリントンの出身。元はウェイク・フォレスト大学に進学して、そこからスパルタンズへ転校。
FB ニック・ベロア(Nick Bellore)#44
2011 / ドラフト外 / セントラル・ミシガン大学
JETS→49ers→ライオンズを経て、2019年にシーホークスに。
WR DK.メットカーフ(D.K Metcalf)#14
2019年 / 2巡 / 54位 / ミシシッピ大学
チームの点取り屋。体がムキムキパワフル、メガトロンを彷彿とさせる激しいプレイ。スピードも高さもあり、また泥臭いプレイもする情熱的な選手。東京五輪の100m予選に参加するなど挑戦的な人物。
WR タイラー・ロケット(Tyler Locket)#16
2015年 / 3巡 / 69位 / カンサス州立大学
デビュー年にプロボウル・オールプロ両方に選ばれてます。シーホークスのスピードキングです。メットカーフと彼の二人がウィルソンのリズムを作ってくれます。キャッチ率が80%を超えていて有能です。彼のお父さんはKCチーフスでプレイしたWRケヴィン・ロケット。
WR フレディ・スワイン(Freddie Swain )#18
2020 / 6巡 / 214位 / フロリダ大学
TE ノア・ファント(Noah Fant)#87
2019年 / 1巡 / 20位 / アイオワ大学
4.5sの俊足と、193cmの長身。デビュー年の2019年には562ydsを記録しました。QBウィルソンのトレードの対象群のひとり。それにしてもウィルソンの移籍はビッグディールでした。
TE ウィル・ディッスリー(Will Dissly)#89
2018年 / 4巡 / 120位 / ワシントン大学
レシーバーとしてというより、ランブロッカー、パスプロ、デコイなどの担当って感じ。それでも2019年のレシーブは8割を超える成功率でした。成功率が高いので、相手D#もある程度、意識を割かないといけませんので、上手に機能するように思いますね
LT チャールズ・クロス(Charles Cross)#67
2022 / 1巡 / 9位 / ミシシッピ州立大学
シーホークスが一番最初に獲得した選手。2022年ドラフトリストのタックルのプロスペクトでも最上位の選手です。願わくばウィルソンのいる時代に、この補強があればと。
LT ジョージ・ファント(George Fant)#76
2016 / undraft / ウェスタン・ケンタッキー大学
シーホークスでデビューして、ずっとQBラッセル・ウィルソンを守ってきたタックルの選手。2020年からJETSに移籍。134kgの体格ながら、40ydsを4.84sで走るという俊足の怪物。ひょっとしてTEさせても十分仕事できるんじゃないかな。
LG レイクン・トムリンソン(Laken Tomlinson)#78
2015年 / 1巡 / 28位 / デューク大学
ジャマイカ生まれでアメリカのシカゴに引っ越してきたレゲエボーイ。デトロイト・ライオンズから1巡指名。しかし3年目となる2017年に49ersに移籍しました。そのトレードの代償が2019年の5巡指名権だったので、ライオンズでは大成しなかった選手とみるべきです。ジェッツには2022年から移籍。良い仕事を期待。
LG ダミエン・ルイス(Damien Lewis)#68
2020 / 3巡 / 69位 / LSU
ミシシッピ生まれ、大学もルイジアナ州卒業の南部人。体重148kgの巨漢でDLを蹴散らしていくパワフルガイです。
C ニック・ハリス(Nick Harris)#52
2020 / 5巡 / 160位 / ワシントン大学
カリフォルニア州サンタアナ生まれの人。大学時代はオールスター選手に2回選ばれてるほど優秀です。2024年にブラウンズからシーホークスへ移籍。
RG ゲイブ・ジャクソン(Gabe Jackson)#66
2014 / 3巡 / 81位 / ミシシッピ州立大学
レイダースから移籍してきたオフェンスラインの選手。ミシシッピ州出身。152kgというスーパーサイズ。とにかく体でかし。今年のシーホークスOLは何でか南部人が多い。
RT ジェイク・カルハン(Jake Curhan)#74
2021 / ドラフト外 / カリフォルニア大学
D#チーム主要選手
DCはケン・ノートン・Jrです。現役NFL選手時代はラインバッカーをしてて、3年連続でスーパーボウルを優勝した経験のあるスター選手でした。お父さんはボクシングヘビー級のチャンピオンです。
DE シェルビー・ハリス(Shelby Harris)#93
2014 / 7巡 / 235位 / イリノイ州立大学
デビューはレイダース。その後練習生に格下げされ、チームを転々としながら努力を続け、見事ブロンコスのDLを5年担当してきた選手。2022年からシーホークスへ移籍。
DT アル・ウッズ(Al Woods)#99
2010 / 4巡 / 123位 / LSU
DE プーナ・フォード(Poona Ford)#97
2018 / ドラフト外 / テキサス大学
WLB ダレル・テイラー(Darrell Taylor)#52
2020 / 2巡 / 48位 / テネシー大学
シーホークスからデビューした選手。昨年の記録はファンブルフォースが1回とQBサックが6回と、リーグ46位の実力。スピード感のあるラインバッカーです。
LB トレイ・ドッドソン(Tyrel Dodson)#25
2020 / ドラフト外 / テキサスA&M
2024年からシーホークスへ移籍。ビルズでの戦績はあまり振るわず。ドラフト外選手なのでキャップヒット調整の要員ではあるもんの、昨年はサック2.5本、トータルタックル74本と、なかなかの活躍をみせてる。
LB ジェローム・ベイカー(Jerome Baker)#55
2018 / 3巡 / 73位 / OSU
SLB ユーチェンナ・ンソウ(Uchenna Nwosu)#10
2018/ 2巡 / 48位 /USC
ナイジェリア移民の選手。USCのスター選手だった人。チャージャーズからデビュー。5年目となる2022年にシーホークスに移籍。パワー・スピードともに高く、ナイジェリアの血がフィールドで騒ぎます。
CB トレ・ブラウン(Tre Brown)#22
2021 / 4巡 / 137位 / オクラホマ大学
CB シドニー・ジョーンズ(Sidney Jones 4)#23
2017 / 2巡 / 43位 / ワシントン大学
イーグルスからデビューした選手。オフシーズンの練習中に脳震盪を起こしてしまうなど、なかなかハードな性格の人になります。
SS ジャマール・アダムス(Jamal Adams)#33
2017/ 1巡 / 6位 / ルイジアナ州立大
NYジェッツでデビューした選手。2021年に大型トレードによりシーホークスへ。神出鬼没でどこでも彼の守備範囲。かつてスティーラーズにいたトロイ・ポラマルのように超優秀なセーフティ。ハードなタックルももっていて、QBにまで切り込んでくる。パスD#もすごい。非の打ち所がないスター選手です。
FS クワンドレ・ディグス(Quandre Diggs)#6
2015 / 6巡 / 200位 / テキサス大学
D# 2ndチーム
DT ブライアン・モン(Bryan Mone)#90
2020 / ドラフト外 / ミシガン大学
DE LJ.コリエー(L.J.
)#952019年 / 1巡 / 29位 / TCU
シーホークスが1巡で指名した選手。エンドですが、それほどサック、タックルの成績はあがってないのです。1巡選手なのでもっとスタッツあがってほしいところです。まずはスターターを目指して。